SOPの川端さんが以前からピアッツァにベンツなどの電動ファンを載せていた。最近もより冷えるようにといろいろな電動ファンを試されていた。ただ、ベンツのように、温度に対して無段階で回転数をコントロールするようなことはできていない。
自分も昨年から、PIAZZAが無駄の多いカップリングファンであることが気になり始め、電動に切り替えようといろいろと調べていた。結局自分がたどり着いたのは、純正シュラウドにぴったりはまるベンツW169の電動ファンである。
川端師匠がすでにこのファンにも手をつけておられたので情報をいただきながら、制御ユニットへの制御信号を手探りで調べ始めた。
昨年報告済みだが、ファンクションジェネレーターとオシロを使って、制御信号を確認することができた。
今時だから、デジタルで通信しているのかとも思ったがそんなことは行っておらず、PMWでファンコントロール信号を送っていて、制御ユニットはその信号を受けて電動ファンの回転数を制御している。制御ユニットの入力と出力とは異なり、制御信号は基本的には制御ユニットへ回転数を知らせるために使われていることがわかった。おもしろいことに、この制御ユニットは安全に徹していて、制御信号が途切れる(制御線の短絡や解放も含む)と全開で回ってエンジンを保護する。
制御ユニットを取っ払って単純にDCモーターとして使う方が簡単ではあるが、ベンツの電動ファンは消費電力が大きい。それに耐えるものを作るのはしんどいし、電流が大きいだけに少々怖い。単純にオンオフ制御ならリレーを挟めば簡単だが、それではおもしろくないというものだ。
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で、制御ユニットをコントロールするための制御装置が必要になるので、それを組み込み機器開発環境mbedで作ったのが昨年の夏のこと。
当たりをつけた信号を発生させ、制御ユニットがうけられる電圧で送り出してやることで完璧に無段階制御できるようになった。
ただ、そこで使ったものがmbed LPC1768というユニットなのだが、これが結構高い。6000-8000円ぐらいで販売されている。ファンの制御ぐらいにはもったいないので、もっと安いものを使うことにした。
mbed LPC1114FN28という、スイッチサイエンスの製品は、CPUのソケットをZIFタイプに変えてしまえばROMライター代わりになり、そこに載せるARM CORTEX M0 NXP LPC1114FN28は数百円ときわめて安価なので、 mbedでプログラムを開発し、プログラムをmbed LPC1114FN28で焼いて基盤につけてしまえばきわめて安価に制御ユニットができあがることになる。
(もっとも、開発にかかっている費用は大きい。ただし、mbedはいろいろ遊べるので、開発に高機能なものを使ったとしても、組み込み機器自体は安価なチップに組み替えてしまった方がいいに決まっている)
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mbed LPC1768は多くの入出力を持っているが、LPC1114FN28は安価な分入出力が限られている。多くの出力を必要とする普通の液晶モジュールを使うとしんどい上に3.3Vで動作するので使える液晶が限られる。組み込みでは液晶はなくても困らないが、追い込むときには温度と制御状態が把握できないとつらいので何らかの出力装置が必要だ。
そこで、信号線が2本ですむシリアル通信I2C規格の液晶を手に入れた。このタイプは使ったことがなかったので、届いてから端子を半田付けしてブレッドボードの上に回路を組み、mbedライブラリーの端子番号を修正して文字表示プログラムを書き、おっかなびっくり動かしてみたところ、きちんと表示された。下はその様子。
初めてのものというのはいつも怖い。
でもまあ、これで制御回路をLPC1114FN28で作ることができる。
回路は簡単だが、自動車の13.8V電源から12Vと3.3Vを作らねばならないが、12Vは普通の三端子レギュレーターでは入力電圧が足りず作れない。低損失タイプなら可か。
しかし、3.3Vだといくら電流が少なくても電圧差が大きいから発熱もかんがえなければ。DC-DCコンバーターで両方作るのが正しいのかも。
低損失タイプの三端子レギュレーターで12Vを作り、そこから3.3Vの三端子レギュレーターで3.3Vを作るのがコストは少ないが、余裕のあるDC-DCコンバーターを積んでおいて、3.3Vをほかで使うことも考えてもよいかも。
Posted at 2016/08/28 05:18:13 | |
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