なんかまたすごい案件が。
小学校では身の回りの観察から入るので地動説を最初に扱うわけだけど、いつものように業者が作る紋切り型評価テストが罪深い。
結局、地球が回るからと答えられると太陽の位置関係と陰の関係を理解しているかわからないから(自分も、小学校上がる前に年の上の子から地球が回るからと教えられていたけれど、具体的な関係は理解できていなかった。それが幼稚園児の発達段階)、もっと直近の関係で説明しろと言うことになる。
本人との受け答えならば関係が理解できているかは質問を重ねていけば明らかになるのだけれど、こういう紋切り型の評価問題ではそういう配慮がないから、おかしなことになる。
日本の教育システムが一斉授業→効率的な評価で業者評価テストに依存しやすいから、評価テストのための指導という、末端でおかしな指導が起きたりする。
また、理数系を苦手とする小学校教員が多いから、浅い理解に基づく思い込みとルール徹底という単純な論理に基づくいびつな指導が起こりやすい(論理を無視したルール徹底は小学校で多いが、高校でも保健体育の教師や熱心な運動部顧問の教師やコーチが行いやすい)。
今回のような「学習したことで説明しなさい」というのは、学びと言うことを歪曲した指導でしかない。本来は「直接的・具体的な関係を説明しなさい」とするべき(それを低学年向きにかみ砕いて)。
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同時に、
この手の批判は、大人がすでに自明としていることを、子供が理解できているとは限らないことを全く考慮できていないために起こることが多い。
影が動く理由として地球が回っているからと言う答えには、光源である太陽との位置関係の変化が言及されておらず、論理性がない。少なくとも説明不足。
もし地球の自転で説明するなら、地球の自転に伴い太陽と物体との位置関係が変化するためにその後方にできる影の位置も変化すると答える必要がある。
赤字で書かれている模範解答では、太陽と物体との位置関係で説明していて、題意に沿って論理的に説明されている。
単純に地動説で説明するか天動説で説明するかという違いではないことに注意する必要がある。
山男が山に登りたがるのは、そこに山があるからだというのは説明にならない。それと同じこと。
山があるからカタツムリと同様の負の走地性で高いところに登ろうとしてしまうのか(これは単に性質を説明しただけなので、まだ具体性に乏しいが)、山登りという困難を通じて脳内麻薬が放出され、その快感を求めるために登るのか、それともまたべつの理由によるものか。
理科ではそういう具体的な理由を説明せよと言うことだ。
Posted at 2016/12/19 06:02:28 | |
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