2019年01月08日
最近では、学校教員が足りず、授業が出来ないという話が聞かれるようになった。
そこで退職者などに声をかけていたりする。
ただ、何故そういうことが起こるのかと言うことについて、十分な理解がないかも知れない。
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教員が足りないのは、圧倒的に正規採用の予算が足りないためだ。
教職は不人気となっていても、競争率は1倍を下回っていると言うことはない。数を確保しようと思えば可能だ。
正規の配置が出来ないために、最初から講師を採用することが多く、さらに非正規の講師を採用している。これは登録制だ。
しかし、自治体の非常勤講師は多くが1コマ3000円未満。一般的な15コマ持ったとしても月収17万円未満にしかならない。しかも、夏休みには給与が出ない。社会保険もない。もちろん賞与もない1年未満契約で次の保証もない。
(コマ数が多いと共済加入や少ないながらも賞与がある自治体もあるらしい)
そうした講師はアルバイトの掛け持ちで何とか生活している状況だ。
そんな職に就きたいと思うだろうか?
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私学は学校によりけりだが、最近では非常勤で1コマ3000円以下、賞与なし、社会保険なしが一般的だ。
常勤講師もふえており、専任と同じ仕事をしながら給与はそれより低く、1年契約。専任採用をエサに雇用するが、3年や5年で切られることも多い。
専任はブラックとは言え給与水準は高めで雇用は安定しているからまだマシだが、常勤講師は同じ内容で給与も安く雇用も不安定で、まさに搾取が行われている。
さらに低賃金の非常勤講師もいるので、年収1000万円の専任と、年収200万円でいつ切られるか分からない講師が同じように授業を受け持ち生徒の前に立っているわけだ。
なお、私学は企業と同じなので超過勤務には残業代をつけなければならないが、全てサービス残業というのが一般的だ。
昨今の教育現場というのはこれが実態だ。
こんなところで誰が働きたいと思うだろうか。
Posted at 2019/01/08 16:30:29 | |
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教育・子育て | 日記