昨日、同僚の私とさほど年齢が違わないらしい女性教員が、黒板にオバケのQ太郎の絵を描いて、本人会心の出来だったが、生徒は誰も分からない事にショックを受けたという話を盛んにしていた。
藤子不二雄作品の中でも人気の作品だったはずだが、ドラえもんやキテレツ大百科などは今の子どもたちも知っていても、オバケのQ太郎は知らない。
確かに1960年代から70年代にかけての連載と数度のアニメ化の中で育った世代には信じられないような話だ。
何故こんな断絶が起きたのか。
おそらくそれは、単行本が絶盤になったことと関係がある。
アニメは放送されなくなるともうこどもたちの目に触れる機会がなくなる。しかし原作まんが単行本があれば読み継がれる。
おばけのQ太郎は、私の記憶では1970年代中ごろには既に単行本が町の書店にはおかれていなかった。病気で寝ていた私に、たまたま来ていた祖母だったかがコミックス単行本を買ってきてくれると言うことになったのだが、書店にはなく、代わりに同じ作者だからとすすめられたドラえもん1,2巻を買ってきてくれた。コミックスを買うことが許されない私には、所有したドラえもん単行本がこの2冊だけだったので、よくおぼえている。
正式には
「本作は人気が高いにもかかわらず、1988年を最後に単行本の増刷が停止。その後も『21エモン』や『エスパー魔美』と異なり、文庫版や新装版が出版されることもなかったため、古本の価格は高騰した。この絶版状態は、本作を再び収録した「藤子・F・不二雄大全集」(第1期)が刊行される2009年7月まで、20年以上も続くこととなった。」wikipedia オバケのQ太郎
と言うことらしく、70年代にはまだ人気が高かったにもかかわらず単行本が書店にな買ったと言うことと祖語がある。’77年にはコロコロコミックが創刊・収録されているのでその端境期でものがなかったためかも知れない。
いずれにしろコミック単行本がない時代が長く、その間に子供世代のファンが生まれなくなり、完全に過去のものになってしまったのだろう。
子供なら誰でも知っている時代はおそらく今の40代までだろう。
絶大な人気を保っているドラえもんはともかく、連載当時一般の目の人に触れにくくマイナーだったキテレツ大百科が、意外にもあとの世代によく知られているらしい。70年代中ごろの作品だが、藤子不二雄ブームでのアニメ化(’88年~)があたり、原作の話数が40話(コミックス2~6冊)と比較的少ないのに反して331話8年以上もの長期放送となったことで広い世代に共有され、さらに可愛らしい侍風の外見で「~ナリ」という侍のような言い回しをするコロ助がキャラクターとして一人歩きをしているようだ。
2013年にはキリンビバレッジのCMで採用されている。
少し前のことだが生徒がコロ助のことを話題にしていて、意外に思ったことがある。
冒頭のエピソードに出てきた女性国語教員は、こどもたちはキテレツ大百科も知らないから「助動詞ナリ」にもつかえないと言っていたが、実際はどうだろうか。
Posted at 2020/06/10 07:01:21 | |
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