COPDな父親がNPPV(陽圧換気)で酸素療法を受けている状態にある。
たまたまメディカルネットで酸素療法のことをあつかっていたので、メモがてら転載。
酸素療法における合併症
酸素は、生体の正常な機能や生命の維持に不可欠な物質です。何らかの原因で生体の組織に十分な酸素が行き渡らず、エネルギー産生が不十分な状態のことを低酸素症と呼びます。低酸素症に対して適量の酸素を投与する治療法が酸素療法です。
低酸素症となる状態に、呼吸不全があります。呼吸不全とは、動脈血ガスが異常な値を示し、そのために生体が正常な機能を営めない状態と定義されています。呼吸不全は、I型呼吸不全とII型呼吸不全に分類されます。I型呼吸不全はPaO2≦60Torr、PaCO2≦45Torrとされており、II型呼吸不全はPaO2≦60Torr、PaCO2>45Torrとされています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)はII型呼吸不全に分類されます。
I型呼吸不全では低酸素血症になっていますが、II型呼吸不全では低酸素血症に加えて高二酸化炭素血症の状態にあります。COPDのように慢性的に高二酸化炭素血症になっている患者さんは、CO2高値による呼吸中枢刺激が弱まっており、低酸素刺激によってのみ呼吸調節が行われています。
この状態で高濃度の酸素投与を行うと、低酸素刺激が改善されて酸素が足りていると脳が判断して呼吸調節が行われなくなり、肺胞低換気や呼吸性アシドーシスが生じます。この状態をCO2ナルコーシスと呼びます。
酸素吸入による副作用は他に、酸素中毒が挙げられます。活性化された酸素は量が多すぎると毒性を発揮します。通常は活性酸素を排除する機能が備わっていますが、何らかの原因で活性酸素が過剰に産生された場合、細胞傷害や細胞死を引き起こします。酸素中毒は酸素分圧と吸入時間に影響されます。
他の副作用として吸収性無気肺が挙げられます。高濃度酸素が投与されると、肺胞内の窒素ガスが酸素によって流され、肺胞内酸素分圧が上昇します。酸素は拡散によって血管内に吸収されるので、本来窒素ガスが残るはずの肺胞内は虚脱しやすく、無気肺となります。
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/anursing/hatenurse/202012/568144.html
CO2ナルコーシスというのは知らなかった。なるほど。
Posted at 2020/12/07 20:07:09 | |
トラックバック(0) |
医学・医療 | 日記