
皆様ご存じのように、回転系の道具は巻き込まれると大きな怪我を負いやすい。
労働安全において、手袋をしていると巻き込まれやすいから不可と法律で決まっている。
労働安全衛生規則第111条
(手袋の使用禁止)
第百十一条 事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させてはならない。
2 労働者は、前項の場合において、手袋の使用を禁止されたときは、これを使用してはならない。
回転系ではディスクグラインダーも事故の多い工具だ。
汎用性が高く、多くの現場やDIYで使われているだけに事故も多いのだろう。
安価なものは安全対策装置がなく、リスクがより高い。
高額な上位機種になると、キックバック低減機構が組込まれていることが多いようだ。急激に回転数が変化したときにそれを検出して機械を止めるなどの装置だ。.
再起動防止機能は、本体スイッチをオンのまま電源プラグを挿した際、起動しないことで不意の動作による事故を防ぐしくみだ。バッテリーについても同様の機構が組込まれているものがある。
機材の落下を検知し、回転を止める装置もある。
以前かずさんの動画で、片手でハンドルを持ったところ緩んで本体が回転し、顔をかすめかけた事故が紹介されていたけれど、そうした事故でもブレーキが利くだろう。
さらに、ディスクの緩み防止や脱着の容易さに優れるX-Lockは、強力バブレーキの搭載を可能にする。
一般に最近の回転工具にはスイッチオフ時にブレーキが利くようになっているが、刃物や砥石の緩み防止のため、急激なブレーキをかけられない(回転方向に回るときに固定ねじが締まる方向なので、逆方向に力がかかると緩んでしまう)。
自分が知る限り、安全性が高いのは、ボッシュX-Lockグラインダーの上位機種だと思う。上記の安全装置を全て搭載している。
マキタはX-Lock機を投入したが、ボッシュのような強力なブレーキも、落下検知も搭載していない。高出力40V機にはX-Lockも搭載していない。
こうした安全装置は安価になるほど手薄になる。ディスクグラインダーは構造がシンプルだけに安価な機種が作りやすく、DIYユーザーはそうした機種を手に取りやすいだろう。だからこそ、可能な限り低価格機種にも安全装置を搭載してほしいし、リスクの高い工具にはお金をかけるべきだと思う。
少なくとも自分は、ディスクグラインダーや丸のこを、メーカーがよくわからない安価な中国製工具で済まそうとは思わない。ディスクグラインダーは旧式のものがいくつかあるが、ごく限定的な使い方でしかつかっていない。
自分は一昨年末に、中古市場に流れていたボッシュの1500W相当最上位機種新品スターターキットを買って使っている。
なお、昨年末には1000W相当機のスターターキットが中古市場で安価に売られていた。かなり安かったものは自分がサブ機として買ってしまったが、それより一段高いものはまだ見かける。
ディスクグラインダーはできればボッシュの上位機種を、そうでなくてもX-Lockを使いたい(ボッシュのX-lock搭載機種も下位は普通のブレーキなのでできれば上位機種がいい)。X-Lockはあまり普及していないので砥石等が高いが、DIYの場合はべらぼうに消費するわけではないのでコスト面は安全と引き替えと思って使うべきだろう。
経験の浅い素人ほど高い機材を使うべきだ。
Posted at 2024/01/05 10:18:06 | |
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