昨年11月初めに興味本位で入手したジャンクピンタッカには思わぬ手を焼かされた。
ハウジング(ボディ)は新しいが、ケースやベルトフックは傷が多く、部品交換を経ても問題を解決できず(恐らくしばらく後に再発)に捨てられた個体だった模様。
プラネタリーギヤは消耗してゆるくなっており、ノンオイルベアリングはギアと接触して傷だらけ。スプリングを押し縮めるスパーギアの軸もゆるめ。
力を伝達する系統が、ピンを打ち出すための強力なスプリングを押し縮める際に反作用で本来の位置からずれることが各部損傷・消耗の原因だ。斜めにずれ、無理な力がかかり、本来ないはずの接触が起きたりギアが異常消耗する。
このあたりは部品交換せざるを得ない。
そしてプラネタリーギア外周部は本来固定されているものだが、ピン打ち出し時に生じる反力を逃がすためかリーフスプリングで位置固定されている。だがこれがほぼ機能しない。ハウジングが削れてしまったり、スプリングが消耗して曲がってしまうので固定できない。また伝達系にかかるねじれの力でスプリングから浮き上がる。
ここの設計に無理があり、後継モデルでリーフスプリングがなくなっているのはその対策と思われる。
12Vの古いタッカでもリーフスプリングはないようだ。14.4V/18Vモデル開発時に、電圧が上がり反力がきついので吸収を考えたのかもしれない。実際電圧が低ければギアの回転が物理的に停止させられるときの反力はほとんどない。
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結局、リーフスプリングや各部ギアの動きを規制するための構造を追加し、別の衝撃吸収のしくみをとり入れることで正常動作するようになった。
天下のマキタの製品が、部品交換だけでは直らない、交換した部品が短期に消耗するという思わぬ事態に頭を抱えた。
仕方なく構造に問題があると言う前提で問題の解析を始めたわけだが、そこに行くまでに消耗が見られる多くの部品を換え、それでも改善が見られないので精神的にも随分ストレスを感じてしまった。最初から構造に問題があるとわかっていれば構造の改良を考えたのだが。
で、現在荷下ろし症候群?状態。
ぽっかり穴が開いた感じで無気力感。
大概のレストアは充実感があるものだが、今回はストレスばかりを感じてしまった。
まあいい。抱えているレストアは他にもあるので、そちらで充実感を得直そう。
Posted at 2024/01/20 09:19:19 | |
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