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Yuh_Fazioliのブログ一覧

2024年06月09日 イイね!

定期テストあれこれ

 クルマネタがないので、学校ネタでも。

 中高では定期テストを行うのが一般的である。

 そのテストのやり方は学校によってかなりの違いがある。

 それを少し紹介しよう。


1.定型の表紙をつけるかどうか
 多くの学校は、ヘッダとして教科名、学年(組)、実施日、出題者をつけるだけだ。
 しかし、様々な諸注意を記載したB5ないしA4サイズの表紙をつけることを必須とする学校がある。業者テスト等と似た体裁になる。少しでも体裁が崩れると叱責される。

2.冊子にするか否か。
 小冊子スタイルで印刷し、配付することを義務とする学校がある。その学校では高性能印刷機が自動で冊子化してくれるので苦労はなかった。
 同じく小冊子スタイルを義務とするが、この学校には小冊子にする機能がある印刷機どころか折り機すら存在しなかった。何百人分も手折で差し込んで冊子にするのである。ココはあらゆるところがブラックな学校だったが、その一つ。
 不文律で、2枚以上になる場合は折ってまとめるか、小冊子スタイルにすることを求められる学校があった。曰わく、監督の先生が不機嫌になるからとか。
 学校によっては数枚に渡っても折り込みもせず小冊子にもせず配らせるところもある。低学力校に多く、問題数が少ないので、多くの枚数に渡ることがまれであるから特に決め事になっていないらしい。
 
3.解答用紙
 解答用紙は、冊子スタイルにしている学校でも問題とは別に配付するのが普通だ。
 しかし、問題と解答を全て織り込んで置く事を求める学校を今年初めて経験した。ここは高性能印刷機が入っているが、印刷機は解答用紙に問題冊子を挟み込むなどということができない。そのため、全て手で挟み込みを行うか、冊子になったときに一番外側が答案用紙になるようにデータをいじくって印刷するしかない。

4.問題の作り方
 ほぼ全ての学校は授業担当者が自由に出題する。
 「横持ち」とか「組んでいる」と表現する、同じ科目の授業を複数で担当する場合は、出題を分けあったり、交代で出題する。その場合は担当者間で問題をチェックし、修正する。
 ところが、理事長命令で全ての問題を管理職が目を通し、添削をする学校があった。
 管理職は特に理数系では出題内容が理解できないので、「てにおは」、微妙な文頭の間隔ずれ、問題間の空間の多少など、本質とかけ離れた言わばどうでもいいことでいちゃもんをつけ、作り直しを要求してくる。こうしたことのためにかなりの時間をロスすることになる。何度も作り直しを要求され、テストを実施できなかったこと者がいたことすらある。他校では普通にやっていた教員に対してこれなので、完全な管理職によるイジメである。
 一般の問題集や入試問題のようなものを「無味乾燥な問題」とケチをつけ、顕微鏡の部分の名称を問えば「クイズのような問題」などと難癖をつけて理事長に報告する。気にくわない教員をそうやって低査定にして雇い止めの理由にしているらしい。
 理科ではあり得ないことだが、問題の最初に物語のような文章を書いて読ませることがよい問題だと言うことらしい。
 ケチをつけることが仕事だと思い込んでいるので、とんでもない誤読をして難癖をつけてくることもままある。これも上述のブラック校である。

5.問題の提出
 多くは前日までに印刷し、鍵のかかる指定場所に保管する。
 1週間前までにガムテープで厳重に封をして保管をする学校もあった。
 ガムテープ止めの上、割り印をしろという学校もあった。ガムテープの上に割り印など不可能なので確認したら、マジックインキでサインしろに変わった。どうもサインも割り印と呼んでいるらしい。私立学校は閉じたムラ社会なので、ジャーゴンが多い。

6.出題者の巡回
 多くの学校では、試験時間が半分経過したぐらいで出題者が巡回する。
 学校によっては試験時間によって2回ないし3回の巡回を求める学校もある。
 一方で、基本、巡回はしないとする学校もある。

 一般に低学力な学校ほど、巡回時に生徒に追加の注意を与えたりヒントを与える傾向がある。驚くほどべらべらしゃべりまくることが常態化している学校もあった。
 高学力な学校では最低限しか発言しない傾向。

7.試験監督の立ち位置
 多くの学校では、監督は教壇に立ち、時折机間巡視することになっている。
 しかし、机間巡視をせず、直立不動で監督することを取り決めている学校もあった。

 
8.採点期間
 試験期間終了翌々日に返却、日程によっては翌日返却というハードスケジュールを課す学校があった。私など7〜8クラス計400枚、出題数が多く、記述や論述が多い採点を、数日間完徹でこなすのが普通であった。この学校はスケジュール的過負荷がきわめて大きく、教員によっては1回に100枚程度しか採点しないのに、こちらはその4倍も採点を行い、何の配慮もされない(自分はあの学校で最もハードな状態だったらしい)。それが退職を決意する理由の一つになった。

 一般的には1週間以上の採点期間がある。授業がない採点日を設ける学校もある。
 マーク採点を採用する学校もあり、最近では不完全な自動採点機能を提供する企業もある。後者は今年初めて使ったが、自動採点の文字認識機能が貧弱すぎ、手採点の方が速かった。


9.オマケ 労務管理
 私立学校しか知らないが、講師についてまともな労務管理をしている学校は皆無といっていいほどレアだ。
 出退勤は誰も管理していないことが多い。出勤簿に印を押すだけでタイムカードもない学校が多かった。誰がどこにいて何をやっているかをリアルタイムで把握している上司は存在しない。なんせ管理職は多くが教頭と校長の二人しかおらず、私立の校長は理事長室にこもっているので教頭が事実上唯一の管理職だ。誰がどうしているなんて把握できるはずがない。
 それでも授業には行っているのが普通だが。
 退勤時間も管理されておらず、当然残業状況もまったく記録されない。
 私立で残業代を出している学校は殆どない。これはもちろん違法であるが、当たり前の様に、給特法で働かせ放題の公立に準じている。

 ある問題が大きい学校では労基から指導を受け、タイムカードを設置するようになったが、給与明細に時間外労働時間が記されているのに、時間外手当はゼロであった。給与明細をこのまま労基に持ちこもうかと思った。

 別の学校では労働問題が起きて私学ユニオンの団体交渉が入り、出退勤をスキャン管理し、残業代の支払いも行うようになったが、根本が講師使い捨ての意識が強い学校なので、3年年限が来た講師だけでなく、私がやめるとき同時に8割の講師が退職した。

 スキャンで出退勤の管理をしても、講師には出退勤時間に関わりなく最初の授業の直前○○分以内と最後の授業の後○○分以内にスキャンをさせる学校もある。




Posted at 2024/06/09 11:37:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 教育・子育て | 日記

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