BH-2ベースの金属顕微鏡は、透過照明やコンデンサーがなく、普通の透過顕微鏡としては使えない。
落射照明は破壊されていて、そのままではどうにもならない。
ただし、付属のBH-2 UMAという落射照明用のしぼりやコンデンサーを内蔵し、フィルター類を取り付けられるユニットは、落射照明を鏡筒に導くキューブ部分を使うと有限遠補償光学系を無限遠補償光学系に変更することができる。これだけでもあれば、CH-2を一段ランクアップできる。具体的には鏡筒とレボルバーの間にユニットを追加できる。
金属顕微鏡の対物レンズは通常のRMS規格より太いものが使われていてCH-2に流用できないものと思い込んでいたが、実は古い製品はRMSなのだった。なので、CH-2に移植して無限遠の対物レンズと結像レンズで無限遠補償光学系の顕微鏡として使用できるようになった。
なお、金属顕微鏡の対物レンズは
×4 MDPlan
×10 MDPlan
×20 MDPlan
×40 MSPlan
×100 MDPlan
がついていたが、×20は歪んでいるらしく結像しなかった。
×40はおそらく壊れたので交換したのだろう。
アクロマートは青と赤の色収差補正、Planで加えて周辺の歪みの補正が入っているので、金属顕微鏡のレンズでCH-2のE アクロマートレンズより写真撮影に向いたレンズになる。アクロマートは観察用だ。
実際にみてみると、顕微鏡の破壊の惨状に比して、レンズは悪くない感じがする。
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金属顕微鏡のステージはもちろんメカニカルステージでXY方向につまみで動かせるが、金属を乗せて観察する関係で、生物顕微鏡より大きくできている。
このステージにもダメージがあった。
がたつきがあったので分解して修正しようとしたが、レールが歪んでいることがわかった。
何か大きな力がかかったようだ。
多分顕微鏡を倒したのだろう。その際にBH-2 UMA バーチカルユニバーサルイルミネーターが根元から折れ、レンズも壊したのかもしれない。
取りあえず歪んでいるレールはハンマーで叩いて直した。これでスムーズにガタつきなくステージが動くようになった。まあ、これを使う事があるかどうかはわからないのだが。
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BH-2 UMAの壊れた光導入部分にフラッシュライトをあてがってやると、物体表面が観察できる。
接眼レンズを介してiPhone13のカメラを使ってコリメート撮影してみた。
レンズは対物はMDPlan ×10、接眼は×10の広視野タイプで100倍になる。最大は1000倍までドライのままいける。
手持ちの実体顕微鏡では接眼に×20レンズを使っても70倍なので届かない世界だ。
これは500円硬貨の500の文字の中の隠し文字で、NIPPONのPである。
普通の透過型顕微鏡では金属などの光を通さない物体は観察できない。コインの表面の観察は落射照明ならではである。
ただ、フラッシュライトではPWMで点滅しているのでシャッタースピードが速いと縞模様がでてしまう。
別のライトに変えて拡散光で撮ったのが上の写真だが、LEDの発光部の周りにある黄色い色が見えてしまっている。
BH-2 UMA自体を本来の形に直してやらないと、うまく落射照明が機能しないようだ。
このあたりは何とかしたい。
追記:
透過光 コリメートで400倍を撮影。

部分は違うけれど、前に撮ったE A40のレンズでの撮影がこれ↓。
しぼりや光量が違うけれど、解像度はどうだろ。
とは言え、コリメート撮影するためのアダプタもなしの手持ちなので、ピント合わせっすらままならない。
Posted at 2025/02/09 19:59:52 | |
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