2025年02月17日
■顕微鏡を買い始めたのは学生時代に根
学生時代には、細胞という小さく薄い膜を持ったものを相手にする研究室にいたため、数種の顕微鏡を扱った。
自分が主に使ったのは、
・双眼実体顕微鏡 培養時の確認用
・正立顕微鏡 細胞の観察(形態形成部の薄膜連続切片像の撮影で立体データを得る)
・倒立顕微鏡 培養緑藻の形態形成の動画撮影
・共焦点レーザー顕微鏡 葉緑体の自家蛍光を使った形態形成時の細胞内の立体構造の3Dデータ取得
薄いものを観察しやすくする位相差顕微鏡やノマルスキー微分干渉顕微鏡も使ったことがある。
いまでこそスパコンで連続切片をとり込んでリアルタイムに回転したり輪切りにしたりするのが当たり前であるが、35年近く前に乏しい機材と極めて遅いコンピュータを使い、プログラムを書いて細胞の3D映像を構築したり、タイムラプス撮影をしたり、デモ用の3Dアニメーションを1コマ1コマレイトレース3Dで1晩かけて作画計算させてビデオでコマ撮りし、動画にすると言ったことをやっていたのだ。
コンピューターを使う部分は完全に独力で、研究室にはその能力がなかった。卒論発表会を観た後輩が同じ最先端?のことができると研究室への所属希望して大勢押しかけたたらしいが、ボスが「あれは彼の個人的能力によるもので研究室でやっている訳ではない」と説明してがっかりさせたらしい。
と言うわけで、さまざまな顕微鏡を使っていたわけだが、研究室にあっても自分の仕事では使わなかったのが蛍光顕微鏡であり、大学にあっても使う事がなかったのが電子顕微鏡だ。電顕は使っておきたかった。
当時は億に届くものだったが、今では数百万円の走査型電顕(SEM)もあり、低真空で金属蒸着をしたりしなくていいらしい。
私はμmオーダーの細胞から数cmの巨大単細胞までを研究室では観ていたが、もともとプランクトン観察好きである。
それで当時のレベルの機材が欲しくなってジャンクを買いあさりはじめた。
その中で比較的人気が低い倒立顕微鏡をプランクトン観察用に欲しくなって、落札してみた。位相差顕微鏡なので、大きめのプランクトンや底生生物(ベントス)の観察には向いている。
その倒立顕微鏡はやや大きく凹凸が大きい精密物なので、買い取り店の方では発送ができないから引き取り限定と。
■悲しい事故
で、遠く出身大学の近くまで取りに行った。
懐かしい街の大きく変わらぬケヤキ並木とか、ちょっと感じるものがあった。
空いた時間に下道で行ったが、早めについたのでロイヤルホストでパンケーキの朝食セットなど食べたりしていた。
その後店に取りに行ったのだが、店を出るときにまえから店に入ろうとするベンツがいて、よけた結果、店に出入りするトラックなどが何度も引っ掛けてささくれ立ったガードレールのとがった先端が車体に刺さってしまったのだ。まさかまさかである。
リアが太めのE90なので、左折時には気を付けねばならないが、死角に想像外のとがった出っ張りがあるとどうにもならない。最近車幅感覚がアバウトになったか、やや左に寄りがちだった自覚はあったが。
ドア一枚交換、リアフェンダーの板金修理である。フェンダー修理は引き受ける板金屋がいるかどうかと言うやや面倒なものになっている。保険修理ならフェンダー交換だろう。それはガラス脱着があって費用が高すぎるので(パネルを切ればよいのだが)何とか板金で形を復元してもらうしかない。
今回何か事故が起こる予感があったのでかなり慎重に運転していたのだが、まさかこんな顛末とは!
がっかりである。ホント、運がない。
■肝心の顕微鏡は
家に戻って気を取り直してチェック。
レンズが固着していたのでゴムベルトの蓋回して取り外した。
ついていたのは、位相差観察用の有限遠タイプで、
4x、10x、20x のPlanタイプ
40x 倒立用の位相差非対応のPlanタイプ
なぜか同程度の10xが2つあり、40xは内部でレンズが外れて破損していた。
光路の各部の汚れが多く、清掃に手間がかかりそう。カビで駄目になっているほどではない。
私は知らなかったのだが、このタイプの顕微鏡は位相差観察時に必須の芯出し望遠鏡が内蔵されていた。せっかく接眼レンズの所にはめるタイプのものを買ったのに。まあ、いずれ正立で位相差を使うようになったら役立つだろう。余っている位相差用対物レンズ10xを正立用にすればよいだろう。
研究室で使っていた倒立顕微鏡のダイヤルにもCT(Centering Telescope:芯出し望遠鏡)のポジションがあったのを思いだした。おそらく同じ顕微鏡であるが
光路が汚いので他の顕微鏡で確認して見たが、壊れていないレンズは極めて状態がいいとは言えないものの、まあまあなようだ。
調整すると、位相差顕微鏡の独特な輪郭が強調された像が見えて、ちょっと学生時代を思い出し、感慨を感じた。
これでツリガネムシもワムシも見放題である。何とか使えそうな顕微鏡なので、安堵だ。
ほとんど老後の楽しみの準備をしている状態であるが、目がいつまでまともに見えるか。それが気がかりだ。
なお、蛍光顕微鏡にも関心はあるが、紫外線を使うので、うっかりすると眼を痛める。研究室時代のボスが若い頃、フィルターを入れずに観察をして眼を痛めたことがあるそうだ。
蛍光顕微鏡を真に生かすのは研究のために様々な染色技法とセットになったときである。
アマチュアのプランクトン好きには色素の自家蛍光を観るぐらいがせいぜいだ。それはそれで美しいのではあるが。
昔から様々な機材を組み合わせて美しい写真を撮る専門の人がいて、藻類の研究者はそういう写真に近づけようと奮闘していた。なんせ見ているものが美しいのだから、印象的な美しい写真にしたいのであろう。
Posted at 2025/02/17 07:43:06 | |
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顕微鏡 | 日記
2025年02月17日
□緑内障か?
実は以前、眼科にかかって、右目に視神経圧迫で緑内障の可能性と言われたことがある。
正常眼圧で緑内障が日本人では多いことが分かってきたあとで、多くの眼科で積極的に緑内障の発見に努めるようになりだした頃と思う。
結局ほとんどそのままにしてしまったのだが、先日右目に突然はっきりした飛蚊症が起こるようになり、元々子供時代から飛蚊症があるが突然増えると網膜剥離の可能性があるので眼科にかかってみた。
眼底検査では網膜剥離の可能性はなさそうで、またも正常眼圧で緑内障の可能性の指摘を受けて視野検査をすることになった。
実は右目には若干の感度低下を感じていたので、緑内障が進んでいる可能性があると思っていたのでいい機会と思いすぐ受けることにした。
結果は視野は欠けていないが感度が低くなっているとのことで、眼圧を下げる目薬を処方され、1ヶ月後に眼圧を確認することになった。以前も若干の感度低下を指摘されているので、ほとんど進んでいないようではあるのでそれはホッとしたが。
聞いてみると、眼圧は1回目18,2回目16の正常で、15を切ることを目標にするとのこと。
さてどうなるやら。
兄は緑内障が進んでいて、既に視野がある程度欠けているそうで、常に要冷却の目薬を持ち歩いている。それに比べると進行はずいぶんゆっくりだと医師から言われたが。
ただ、右目は飛蚊症が多いので、それが感度低下の可能性もありそうではあるのだが。
何にしても強度の近視の人は緑内障になりやすいので、治療は継続である。
今回処方の薬は以前処方されたものと違い要冷蔵ではないので、苦になりにくい。前の薬の時に言われたまつげが伸びる副作用の説明もなかったのでそういう薬ではないのだろう。
□サギングアイ症候群
以前も書いたが、しばらく前から立体視がうまく出来なくなり、モノが二重に見えやすくなっている。一本の線が右目と左眼で角度が違って見える回転方向の斜視、回旋斜視の状態である。おかげで非常に眼が疲れる
これも眼科で話してみたが、取りあえず緑内障優先対応になっている。
回旋斜視だとプリズムで補正できないので、どうしてもとなると手術になる。ただ、医師はずいぶん後ろ向きである。その眼科ではそもそも検査すらできず、必要であれば大学病院にでも行くことになるようだ。
夜間自動車を運転しているときに信号などが二重に見えて不都合が多いことだけでなく、双眼顕微鏡がよく見えなくなってしまっている。実験の授業の時にかなり不都合を感じた。
ところが先日から双眼顕微鏡を手に入れ見ているうちに、合いやすくなる瞬間があることに気付いた。
目をいったん閉じて開くと、ピタッと重なることがある。回転方向の筋肉が動かないわけではないので急激にずれを感じさせると強く引いて合いやすくなるようだ。
眼が疲れると合いにくい傾向が強く、朝は合いやすいこともあるようだ。
双眼顕微鏡で強制的に立体視をする訓練をすると、合いやすくなるかもしれないという気がしている。
歳を取るといろいろと不都合が出てくる。悲しいが対応して行くしかない。
Posted at 2025/02/17 06:33:58 | |
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ひとりごと | 日記