結核関連の整理をしておく。
結核について
・結核はかつては死の病と怖れられたが、現在では多剤療法で耐性菌の発生を抑えながら2週間程度の治療で効果をあげる。再発を防ぐため、6ヶ月程度服用を続ける。
・感染していても排菌していなければ感染力はない。発症していても排菌していなければ普通に生活できる。このため、通院治療ができる。入院は状態が悪いとか高齢者の場合。
・感染しても発症は1〜2割程度。多くは免疫で抑え込まれる。
・抑え込まれた結核菌は免疫の低下で活動するため、高齢者での結核発症が多い。
・結核は2類感染症。排菌が認められると法的に入院勧告を受け公費負担になる。
・排菌が認められる場合、濃厚接触者の調査が行われ、検査勧告が行われる。公費負担。
・濃厚接触者も排菌がない限り法的行動制限はない。検査未了でも同じ。
・上記の検査未了のケースで教員の場合、万一排菌していると大きな影響がありうるが、就業させるか否かは学校長の判断。法的義務はなし。
***
今回の経過
・一般に初期には風邪様の症状が見られるが、高齢者や子供では症状がはっきりしないことがある。
・母は明確な症状がなく、9月と10月に2日ほど多少の咳と36℃後半から37.0℃の微熱があったぐらい。9月は即かかり付けの内科クリニックで診察を受けたが、風邪として咳止めを処方。飲むまでもなく咳は鎮まっている。
・8月に認知症対策のため物忘れ外来を受診したが、曜日の関係で9月に他クリニックで改めて受診。血液検査を受け、炎症を示すCRPなどいくつかの指標が異常値に。このクリニックでは指摘はすれど、ガン検診を受けてくださいと言うだけでこのクリニックでも可能な部分もあると言いながら具体的な指示はないまま次回は12月に。
・以前橋本病の疑いと言われ、甲状腺ホルモンが低値であることから内分泌に専門性のある内科クリニックを受診。橋本病と診断されたがCRPについてはこのクリニックの検査内ではつかめず。大病院での検査のため紹介状を書いて頂いた。
・CT検査で肺に病変。即救急外来の陰圧室(陰圧の待合室)に隔離。痰を取る。
・翌日、痰から結核菌検出と連絡を受け即入院に。
・その翌日、新たな痰検体でガフキー5と判定。排菌があり活動性が高いため法的な入院勧告を受ける。以降公費。
・結核病棟のある病院に転院予定だが、受け入れ病院が日程限定し家族同伴必須など厳しい条件を出し、それ以外では受け入れないとしているため苦慮中。
***
もし物忘れ外来を訪れていなければCRPの値を知ることはなく、ほぼ症状もないため、気付いたときにはかなり進行していた可能性がある。
それを考えると恐ろしい。
異常に対して原因を探るべく自分で判断して早めにどんどん動き、比較的初期で発見できてよかった。
とは言え、結核菌の活動はステルスで進行していてCT像ではすでに病変が多かったのだが。
私は常に先読みをして事態の進行に対して積極的に動いてきたが、
・明らかに軽度認知症の状態なのに何もやってくれない物忘れ外来で時間を無駄にした
・看護師らが高齢患者に高圧的に接するリハビリ病棟からのリハビリ病院への転院が受け入れられなかった
・そもそも高齢者への対応が悪い地元病院を避けたかったのに、股関節を骨折した母が私に相談もせず勝手にその病院を指定してしまったため、迎えに行ったときには既に手続きが完了していた
といった具合に、母ではかみ合わないことが多かった。
そもそも認知症や寝たきり対策を母が一切拒否して何もしないため、認知症と筋力の衰えが急激に進行してしまった。
手首骨折で判定された要支援1が次の判定では無くなると言われた状態からデイサービスやデイケアの導入が必要なところまで、半年もかからずあっという間に行ってしまった。
リハビリができるサービスを希望していたのに、ケアマネは一般のデイサービスしか紹介せず、あまりリハビリができない状態でさらに体力の衰えが進行してしまった。
デイケアといえどもつきっきりでリハビリをやるわけではないので、それほど効果があるわけではない。しかしやらないよりははるかにマシである。可能な限り体を動かす内容になるよう、リハビリ会議で理学療法士と内容を調整している。
医者や施設の言いなりでは問題の解決は遅れがちであるし、知識を元に対応を考え積極的に動いていくことはとても大切だが、現実に高齢者を抱える家族にどこまでできているのだろうか。
追記:
疑問点
転院先の病院が、ちょっと考えられないぐらいタイトな要求をしてくるのだが、そんな病院がまともなことをやるのだろうか。
追記:
接触者健診の内容
・レントゲン胸部
・IGRA検査(QFT検査)
Posted at 2025/11/01 07:11:29 | |
トラックバック(0) |
母の介護 | 日記