われわれは自然放射線をうけている。宇宙から来る放射線の影響も受けるし、空気中や土壌中、岩石中(たとえば花こう岩にはウランが含まれる)の物質による影響も受ける。
空気中のラドンによる放射線はよく知られ,健康への影響も言われている。
意外なところで無機栄養の一つカリウムにも放射性同位体があり、我々は食品から日常的に取り入れている。その割合はカリウム全体の10000分の1という。半減期も12.8億年と半端でなく長いので自然界における割合はほとんど変化しない。
我々が食品から取り入れたカリウムは、細胞のはたらきで利用された後排出されるが、食品からまた取り込むので、自然界の放射性カリウムと平衡状態にある(自然界の割合に応じて体の中には常に一定量あると言うこと)。
年間の影響は0.17mSvというから、それなりに大きい。
ちなみに、一般の人が自然放射線など以外からの人口の放射線として浴びてよい限界とされているのは、大きめに安全率をとって1mSvである。
だから新たに放射性物質を取り入れていい訳ではないが、我々は無菌状態ならぬ無放射線状態で暮らしているわけではなく、日常的にある程度影響を受けていることは知っていてもいいと思う。
いまの放射線アレルギーのような状態はちょっと行きすぎている。
以下引用
3.カリウム40(K-40)について
カリウムは、動植物にとって必要不可欠な元素です。われわれの人体中や自然界にも広く存在しています。カリウムの大部分は放射線を放出しない安定な元素ですが、その中にごくわずか*2放射線を放出するK-40*3があります。
飲食によって人体中のカリウムの量は増加することになりますが、一方で同等の量が排出されるため、常に一定に保たれています。
自然放射性核種であるK-40は、人体中に約4000ベクレル(Bq)存在しています。飲食で人体中に取り込まれるK-40は、1日あたり約50ベクレルですが、人体中の余分のカリウムが排出されるのに伴って同量が排出されます。このK-40による年間の被ばく線量は、0.17ミリシーベルト(mSv)です。
*2:カリウム全体に対するK-40の存在比は、0.0117%(約1万分の1)です。
*3:K-40の半減期は12.8億年、ベータ線とガンマ線を放出します。
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Help/yotaku_guide_keisan.html
Posted at 2011/04/05 18:26:28 | |
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