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Yuh_Fazioliのブログ一覧

2011年04月15日 イイね!

はぁ? 生物濃縮で放射能が100万倍?[図の間違いに関する追記あり]

はぁ? 生物濃縮で放射能が100万倍?[図の間違いに関する追記あり] 週刊朝日に広瀬隆なる人物が書いた記事で、彼が提供した図を元に書かれた「生物濃縮」を表すという図があちこちに出回りはじめているようだ。

 部分引用する。

図は米国のコロンビア川で、ある科学者が調べたデータです。川上にはハンフォード再処理工場という原子力プラントがあります。川に流れ出す微量の放射性物質を1とすると、プランクトンで2千倍、プランクトンを食べる魚で1万5千倍、魚を食べるアヒルの体内では4万倍に濃縮。そして川辺の水鳥の卵の黄身では100万倍もの濃縮が起きていたというのです。


 まず、記事の信憑性を疑わせる根本的な問題として、データの出典が示されておらず「ある科学者が調べたデータ」としていることがある。
 常識的な人間なら、出典不明である時点で、「このデータは参照するに値しない」ものだと気づく。検証不可能であるからだ。「ある科学者」とは、自称科学者かも知れないし、ことによると広瀬氏本人のことかも知れない。そうしたことが何も分からない以上、信頼しようがない。

 そして、中を見てみると、「放射性物質の生物濃縮」としているが、その放射性物質がなんであるか全く示されていない。そのようなデータは意味をなさない。

追記
 図に根本的な間違いがある。水→プランクトン→魚までは矢印のつながりは合っている。しかし、「アヒル」は主に植物食で魚をほとんど食べない。さらに「子ツバメ」はアヒルを食べることになっているし、水鳥(の卵)は子ツバメを食べることになっている。
 この図は部分的に(そしてもっとも重要な高濃度濃縮とされる部分で)生物濃縮を表していない。
 この図を引用した者は、自分でろくに図を見ずに掲示したり、ツィートしていることになる。まったく恥ずかしい。
(佐久間功氏の指摘で、「アヒルが植物食である」旨改訂)
追記終わり



 そして、まるでDDTやPCBのような極めて高い濃縮率が示されている。これを一般の人が見たら恐怖するだろう。
 だが、半減期の短いヨウ素131などが生物濃縮で長期間をかけて100万倍にもなるとは考えにくい。あるいは、体内で代謝されやすいセシウム134,137などはそもそも蓄積しにくいため入っては出を繰り返して、環境濃度と平衡状態になると考えられる。
 ウランやプルトニウムも濃縮係数は小さく、生物濃縮は起こりにくい。
 なので、図を一目見て「おかしい」と思う。


参考:
魚の濃縮係数

セシウム  5~100
ヨウ素    10
ウラン    10
プルトニウム 3.5
水銀   360~600
DDT   12000
PCB 1200~1000000

水産生物における放射性物質について
森田 貴己
水産庁増殖推進部研究指導課

注 リンク切れのため新版へリンクを修正 2012.7.1


 こちらもどうぞ
 海産生物濃縮係数
 ATOMICA




 DDTやPCBが桁違いに濃縮されやすいことが分かる。

 コロンビア川での生物濃縮は事実なのかも知れないが、事実ではないのかも知れない。出典を示すという当たり前のことをやっていないために全く取り上げる対象にならない。

 このような出所不明なデータを掲載して恐怖心を煽る広瀬隆という人物は一体何者なのだろう。

 彼は、以前にも、「原発事故が想定外であったと工作するために、気象庁は圧力をかけられてマグニチュードをM8.4からM9.0に数値をねつ造した」などというトンデモ記事を書いていた。
破局は避けられるか――福島原発事故の真相
ジャーナリスト 広瀬隆
http://diamond.jp/articles/-/11514

 詳細は他に譲りたいところだが、一応自然科学的におかしい部分の指摘をする。
1.速報値はデータが集まれば訂正されるのは当然のこと。
2.今回はこれまで気象庁がこれまで使ってきた気象庁マグニチュード[Mj]ではなく、国際標準で他の巨大地震と比較しやすいモーメントマグニチュード[Mw]にしたため値が大きくなった可能性がある。アメリカ地質調査所(USGS)もMw8.8からMw9.0に訂正しているので、気象庁が突出したデータを出していないのは明らか。
3.広瀬氏は他の地震の「加速度」が今回の地震の加速度より大きいので、今回の地震の方が大きいわけがないなどと言っているようだが、加速度はその場所の揺れの大きさであり震度に対応するものだ。震源から離れれば普通小さくなるので、地震の規模と結びつけられるものではない。こんなことは中学生が習うことだが、広瀬氏は知らないらしい。
4.もし原発の地震想定がM8.4であったとしても、それは気象庁マグニチュードでの値なので、今回の地震も気象庁マグニチュードで算出しないと比較できないのは当たり前のこと。

 というわけで、この広瀬隆なる人物、すくなくとも科学的知識,科学リテラシーはかなりあやしいと思えるのだが。


 勿論、放射性物質の生物濃縮について気を付けなければいけないことはこのブログでも主張してきた。だからといって出所不明なデータを並べたり、データをねつ造したりすることがあっていい訳がない。
 出典が明らかでないデータをツイッターやブログなどで広めるなどやめて頂きたいものだ。デマがはびこる典型だ。せめて出典をしらべてからやって欲しい。


 こんなものを授業で配ろうとしている理科教師がいるというのだから世も末だ。「出典は週刊朝日だ、週刊朝日が書いているのだから信じる」というのだから呆れて言葉もない。


追記
 1958年に書かれた論文中の生物濃縮データについては以下へ。
セシウム137による生物濃縮の例
追記終わり


関連エントリー
放射性物質の生物濃縮(ハンフォード原子力施設による被害)についてhttps://minkara.carview.co.jp/userid/441462/blog/22101827/

セシウム137による生物濃縮の例
https://minkara.carview.co.jp/userid/441462/blog/22089657/
Posted at 2011/04/15 00:32:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記
2011年04月13日 イイね!

高濃度汚染地域は、残念ながら、当分人は住めません

 変な反民主とか、反菅とかの意識がそこら中にほの見えるのだが、個人的にはとても気持ち悪い。そういう人は、自分がもっている不安をそうした攻撃をすることで不安を解消しようとしているかのように感じる。
 あるいは、映画のヒーローのようなものを待望しているのだろうか。
追記
 民主党が非常にうまく立ち回ることができているとも思わないし、菅首相もうまくやれているようにも見えない。ただ、現在の状況の中で戦うしかない。そして、原子力政策を推し進めてきたのが自民党であったことを忘れて現内閣を叩くのはどうか?自民党は自分達の尻ぬぐいをさせているのだからもっと協力すべき。
追記終わり

 報道もネットの情報も、人が伝える以上なんらかのバイアスがかかっている。事実というのはそうかんたんには見えないし、事実はそれより良いかもしれないし、悪いかも知れない。



原発周辺「20年住めない」=菅首相が発言、その後否定

時事通信 4月13日(水)15時51分配信

 菅直人首相は13日、松本健一内閣官房参与と首相官邸で会い、福島第1原発から半径30キロ圏内などの地域について「そこには当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」との認識を示した。松本氏が会談後に明らかにしたものだが、首相は同日夜、「私が言ったわけではない」と記者団に語った。
 松本氏によると、同氏は首相に対し、避難生活を強いられている周辺住民の移住先について、福島県の内陸部に5万~10万人規模の環境に配慮したエコタウンをつくることを提案。首相は賛意を示し、「中心部はドイツの田園都市などをモデルにしながら、再建を考えていかなければならない」と語った。
 ただ、松本氏はその後、「20年住めない」との発言について、「私の発言だ。首相は私と同じように臆測(認識)しているかもしれないが、首相は言っていないということだ」と記者団に釈明した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000089-jij-pol


 
 この記事や、これに関するツイートで、あたかも「20年間住めない」と発言したことがいけないことであるかのように扱われているようだ。
 高濃度汚染地域がそう簡単に解決するとでも思っているのだろうか。当分人は住むことができないからこそその地域から退避させる必要があるのだ。現状を把握したうえでの計画避難判断のはずで、こんなことを軽々に言えるわけがない。

 以前の菅首相の「東日本がつぶれるというようなことも想定しなければならない。そういうことに対する危機感が非常に薄い。」と発言したことについても非難があったようだし、どこかの新聞記者が担当者への個人的な発言であるにもかかわらず「潰れるとは具体的にどのようなことなのか説明すべきだ」と記者会見で詰め寄ったのも見たが、ピントがずれていると思った。

 原発の件では危機意識がないからこそ、このブログでも地震直後から言ってきたように、東電は当初から後手後手に周り、事態が悪くなってからその場しのぎのような対応を続けてきた。最悪の想定をすべきなのは当然なのだが、それを非難したり問題視したりすることが多いのは理解に苦しむ。
 こういうのも「正常性バイアス」の一種だろう。「また元に戻れる」「大したことではない」というバイアスがあるのではないか。原発や放射線というものに対する意識が低すぎる。それだけ危険なものを誘致した人たちはお金と何を引き替えにしたのか。


 問題を完全にとらえ間違っている新聞記者は、平和ボケで揚げ足とりしかできていないと言われても仕方がない。ジャーナリストを名乗って欲しくないものだ。
 記者会見を見ていると、このような問題の本質とかけ離れた質問は時々ある。そういう記者を抱えるデスクはどういう心境でいるのか聞いてみたいものだ。




追記
 菅首相は発言を否定したとのことだが、そうすると松本氏は首相の発言と誤解させるような発言の仕方をしたのか、それとも首相が日和ったのか。
 責任論は取りあえず今はどうでもいい。
 どちらにしろ、正しいことをちゃんと発言できることが大切だ。
追記終わり

追記
 菅首相の否定発言の映像か何かはない?見てみたい。
追記終わり
Posted at 2011/04/13 20:26:28 | コメント(3) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記
2011年04月13日 イイね!

異常事態に慣れるのは、危険なこと<正常性バイアス>

 先日、「地震への慣れ」を口にしている人が多いことに触れた。
 M6,M7クラスの大地震が連続して起きていることは明らかな異常時であるが、だんだんそれに反応せず、あくまで危機がないかのように振る舞おうとする。

 このような心理を「正常性バイアス」と呼ぶ。


正常性バイアスとは
 
 外界の強烈すぎる刺激に対して、理知的動物がそれを心理で抑制して、慌てないようにしてしまうこと。当然、日常性を保護するために必要な措置なのだが、度が過ぎると「本当の危険」に対しても、「煙はやがて収まるだろう」とか「今の地震が全てで予震などではなく、もっと大きな地震などやってこない」とか、暴風雨被害や津波、テロ等々あらゆる事態に対して、緩い判断をしてしまいかねない。現代は謎を駆逐した明るい社会である。が、そのために殆ど無感覚者と化し、まさにこれが原因で被害が甚大化している。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%B5%BE%EF%C0%AD%A5%D0%A5%A4%A5%A2%A5%B9



 ここにあるように、この正常性バイアスによって、避難行動をとらなくなってしまうことが知られている。

 これがよく現れた例が韓国地下鉄火災事件での乗車客の行動であった。煙が充満しつつある車内に乗客が座席で押し黙って座り、煙に巻かれて死亡した。


 このとき、異常事態を異常事態ととらえず避難行動をしようとしなかったためにこのようなことになったと考えられている。このときには多数派と同じように行動しようとする多数派同調バイアスも加わっていたとも考えられている。

 詳しくは次の記事を読んでほしい。

防災心理学、正常性バイアス、多数派同調バイアス
http://www.bo-sai.co.jp/bias.htm

避難遅らす「正常性バイアス」 広瀬弘忠・東京女子大教授
http://www.chunichi.co.jp/article/earthquake/sonae/201005/CK2010050102000172.html



 危機を認識し、それに向き合い正しく行動を取れることの大切さを知って欲しい。
 いざ危機に直面すると、「行動できなくなる」のが人間である。それを乗り越えるには訓練しかない。

 日常生活でそのような突発的な事件事故にはなかなか出会わないが、株や為替などで予想と異なる突然の急騰や急落に出会った人なら分かるだろう。その時すぐに手仕舞えば傷は小さくすむ。しかしなんの行動も取れずただ損を広げていくのを眺めてしまうことが多いものだ。そのとき「すぐ戻る」などと考えてしまいがちだ。だがそうならないためにさらに損を広げることも多いものだ。
 そのような経験をすれば、すぐに行動することの重要さがわかるかもしれないが、すぐ行動するのは実際にはなかなか難しい。
 条件反射にするべく訓練するしかないようだ。




Posted at 2011/04/13 19:55:54 | コメント(1) | トラックバック(0) | 震災関連 | 日記
2011年04月13日 イイね!

4/13までの地震[千葉県東方沖地震に関する追記及び図の書き足しあり]



 仮に放出曲線としておくが、この曲線に沿ってエネルギー放出が続いている。時間をかけて放出を続けていくのだろう。

 この動きとは別に、今回の震源域以外の地震には十分注意する必要がある。
 スマトラ沖地震では、Mw9.1の本震後3ヶ月後に隣接する場所でMw8.6が起きている。同じようなことが起こっても不思議はない。

(http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/katsudo/jishin/sumatra02/index.html)も参照するとよい。



追記
 先日指摘したエネルギーーをためていると思われる北緯35~36°の空白域を埋めるように千葉東方沖でM6.2 が発生している。ただし、今のところ当初からの震源域の範囲ではある。
追記終わり

 いわき周辺の歪みエネルギーはある程度放出が進み、地震の規模・頻度とも落ち着いてきた。

 そのいわき市では、今回の地震での断層が地表に現れているとのこと。解析通り引っ張る力による正断層であった。





(以下引用)
いわき市の地表に7キロの断層 4月11日の余震でずれ2011年4月13日15時1分

 11日夕に最大震度6弱を観測した東日本大震災の余震(マグニチュード7.0)を起こした断層が、福島県いわき市の地表に現れているのを東北学院大や山形大、東京大などの研究チームが見つけた。少なくとも7キロにわたって、最大で上下に約1.2メートルの段差が確認された。

 現地を調査した山形大地域教育文化学部の八木浩司教授によると、震源の付近には、長さ約20キロの井戸沢断層があることが知られており、その北端から7キロにわたって地表面で地面のずれが確認された。

http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY201104130239.html
Posted at 2011/04/13 19:04:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 地震関連 | 日記
2011年04月13日 イイね!

ぜひ、「高台に住宅地・エコタウン」

 古いネタで失礼。
 誰の発案かは知らないが、菅首相が被災地復興のための街づくり計画を発表した。
 どこの町においても,歴史が古くなるほど非効率であったり問題があるが解決が難しい状況を抱えていたりもする。ガラガラポンしない限りは解決しないものであるが、なかなかそうも行かない。

 震災を逆手にとって、一気に先進の街づくりが可能になるのだから、ぜひそこに大きな予算を投入して欲しい。

 以下引用。


高台に住宅地・エコタウン…首相が町づくり構想


 菅首相は1日の記者会見で、東日本大震災の被災地復興に向け、「エコタウン構想」など、自ら描く街づくり計画を紹介した。


 首相は「山を削って高台に住む所を置き、海岸沿いの水産業(企業)、漁港等までは通勤する」「植物、バイオマス(生物由来資源)を使った、地域暖房が完備したエコタウンを作り、福祉都市の性格も持たせる」と説明。また、「漁業など1次産業の再生が重要だ」と訴えた。

 首相は、地元首長との電話で話した結果を踏まえた発案としており、有識者や地元関係者からなる「復興構想会議」でこうした青写真を取りまとめたい意向だ。

(2011年4月2日01時40分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110402-OYT1T00129.htm?from=y10
Posted at 2011/04/13 18:35:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 震災関連 | 日記

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「梅雨、日本周辺にしかない独特の気候なのだ。おかげで日本人は紫外線の影響を受けにくくなっているし。悪いことばかりではない。」
何シテル?   06/15 10:04
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