若松通商で扱っているパーソナルモニタリングポスト ガイガーカウンターMark2(
ファームはこばさん作成のものを使用)を使って自宅内で約1年モニタリングを続けている。このガイガーカウンターはβ線を遮断しγ線を測定する、また、セシウム137で較正されている。
様々な機関の調査を総合すると、私の自宅がある千葉市はわずかに放射線量が増えた地域ではあるが取り立てて問題視する必要のない地域である。
ガイガーカウンターは鉄筋コンクリート造住宅の2階に設置しており、外部の放射線の影響は低い。
この環境で測定すると、多くの場合10分平均で0.060~0.090μSv/hの間にあり、この1年で微減した程度でほとんど変化はない。見ていると面白いもので、1分平均で見ていると0.003μSv/hなんてこともあるし、0.160μSv/hなどと言うこともある。放射線量の変動は結構大きいのがよく分かる。人体への影響は積算で考えるべきで、極低線量域で瞬間的なピークだけを問題視することに意味はない。
職場は都内にあるが、自治体貸し出しのガイガーカウンターで測定すると、7箇所平均が0.073μSv/hであったとか。約1年前の測定で平均0.081μSv/hであったことを考えると微減となるが、放射性セシウムの崩壊も進んでいるので減少傾向にあるのはそれに沿っていると言えるし、測定場所によって増減があり、1分ごとの3回の計測だそうだが機器内測定時間が不明で測定データがかぶっている可能性が高いことを考えると誤差範囲とも言える(機器によっては内部ノイズと大差ない)。
なお、地上5cmでの測定とのことで、機種や測定方法が不明なためどの放射線を測定しているのかが不明だが、一般にγ線、β線を測れるものが多いことを考えると地上からのβ線込みの線量である可能性があり、γ線のみの測定を行う一般の測定に比べ値は高めに出ている可能性がある。それでも充分低い値だ。
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心配になるのが、一般の人の根強い誤解だ。
本来身のまわりには放射線など存在せず、測定される放射線は全て原発事故によるものだと思い込んでいる人は未だ多いようだ。
そのため、上記のような値を見て、[まだ放射線がある]と思っている人は当然いるのだろう。
しかし、東京付近でももともと自然放射線の影響で0.060~0.100μSv/h程度あり、西日本ではそれを超える。
測定器の機種が分からないし較正の有無によっても値が変わるので測定値はすぐに比較はできず、同一機種・同一地点・同一測定条件で経時変化を見るべきではあるが、千葉市の自宅付近や職場のある都内の値は大きく見て地球上の生活空間としては充分低い値であるように思われる。
測定した値を見て、いずれゼロになるなどと考えることがなければよい。
[追記]
昨年、原発事故の直後、教育系メーリングリストで理科実験用のガイガーカウンターが話題となり、在庫があるが持っていない学校で確保するかどうかと言う話が出た。だが、結局「福島周辺の必要とする学校のために購入は遠慮しよう」という話になった。
一方で、都内の某私学では、ほとんど問題のない地域であるにも関わらず理科実験用のガイガーカウンターを教材会社から他に先駆けて購入したが、結局購入したままで使わずに転がしているとか。
非常時にその人間性が表れると言うが、今回の震災ではこの件も含め様々なところで人間性を目の当たりにすることになった。
他人のために無償で必死に活動する人、自分や自分たちのためのエゴを最優先する人。
正しい知識を伝え啓蒙しようとする人、中身を理解しないまま間違いやデマを垂れ流す人。意図的に刺激的で注目を浴びやすい情報発信をして注目を浴びて、その情報の中身に責任を持たず利益を得ようとする人。
どうしたら問題を解決できるかを考える人、震災や原発事故に他人事を決め込む人。
本当にはっきりと分かった。
Posted at 2012/11/01 03:30:46 | |
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