理研STAP細胞問題調査委員長の石井俊輔氏が辞任という話で一部の人が喜んでいる。
論文の実験データ、DNA断片の電気泳動の写真を切り貼りしていたことが指摘され、自身の論文でも本来単一画像で示すべきものを切り貼りしていることを認め、示しが付かないと言うことで調査委員長を辞任したらしい。
この件はサイエンスライターの片瀬久美子氏のところに持ちこまれ、氏がブログで持ちこまれた検証データを公開している。
warblerの日記
石井俊輔氏が責任著者となっている論文に関する疑義を頂きました
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20140424/1398320093
実験ノートの公開もあって確かめられるが、単に比較しやすく加工したというものであるようだ。
今日ではNatureなどで、単一画像ではなく比較のため加工した場合、誤解がないように線を入れ注釈をつける等のルールがあるも、当時はそうしたルールが明確ではなかったということが背景。今となってはルール違反になるが、故意による捏造や不正と言うほどのものではないだろう。
追記
もしかするとそう単純ではないかも知れない。
今後の追及待ち。
追記終わり
一方の小保方論文の電気泳動画像は、T細胞由来のものに見せかけるために切り貼りして、その結果T細胞由来でも現れるはずの別の場所のバンドが現れていないという不自然なデータになっていることが指摘されている。データ改竄以外の何物でもない。
しかし、見事に足をすくわれた感じだ。
小保方氏の「STAP細胞作製200回以上成功しました」という思わぬ?発言で困っていた小保方弁護団にとっても、格好の弁護材料を提供した形になっている。
根拠のない陰謀論を盲信し、科学的な検証を見もしないで小保方氏を盲信する人たちもまた、この件で攻撃のネタを得たと喜んでいる。
一部の人たちの、リアルなドラマを見て興奮しているのみならず、ネタを見つけては中身も見ずに外野から罵声を浴びせているような様相は本当に嫌になる。科学的に検証している人たちを、陰謀論から匿名で罵倒し叩く人たちがいるのは、原発事故でもさんざん見せつけられた構図。
そうした人たちの中には、純粋に陰謀を信じている人たちもいれば、中身はどうでもいいから誰かを叩くことで溜飲を下げている人もいるようだ。
小保方氏のような研究を理解していない人が研究の世界にいることも、そういう人でも博士号を与えてしまう大学があることも、そんな人をユニットリーダーとして採用してしまうことも、愚にも付かなかったはずの論文をその分野のエースを共著者に揃えてお墨付きを与えてしまったことも、それを素直に受理したNatureも、割烹着だの訳のわからん視点でマスコミに売り込んだのも、何もかもがおかしい。
話はすっかり芸能ニュース並みのネタになり、弁護士が出てきて研究とはまったく視点の違う闘争になり、科学的な話をせねばならないはずの本人が、科学コミュニティではなく一般大衆を相手に、科学と180度違う情に訴えて見せる。
理研の検証と言っても論文を作成するに当たっての方法論的な問題追及であって、研究の中身の検証ではない上に、その委員長が不正疑惑で辞任とあってはなんとも間抜けなことになってしまった。
最も重要な、STAP細胞の実在性については相変わらずなんのデータもないままだ。
若山氏は、当初独自の検証を言っていたが、さすがにポケットマネーでの検証は資金的に無理だとして理研と組んでだが検証に向かっているようだ。理研の丹羽氏は1年かけて検証すると言う。
STAP細胞はこれまで小保方氏抜きには一度も作製されていない。若山氏や学生らが作製したときも小保方氏がついて実験を行い、その後小保方氏抜きには一度も成功していないという。小保方氏抜きに作製できれば実在性には決着が付く。
ただ、当時のキメラマウスのサンプルなどを検証しない限りは、丹羽氏が成功しても失敗しても、論文がたしかにSTAP細胞を作製し、そのデータを元に書かれたかどうかは分からない。
追記
若山氏の持つSTAP細胞株がES細胞と判明し、小保方氏は若山氏のところですり替わったようなことを言いだしたから、キメラマウスについてはもはやこの議論は成り立たなくなったか。
追記終わり
司法的な判断をされたところで科学的には何の意味もない。
追記
小保方氏が、若山氏がキメラマウス作成に使ったSTAP細胞がES細胞だったのは、私は知らないことで、若山氏の研究室内でおきたことだと主張している件。疑惑だった点について決定的な証拠が判明すると今度は恩師に責任をかぶせているわけで、空恐ろしい。
藤沢数希氏が指摘するように、未熟であることをさんざん主張して来たのは若山氏に全て責任転嫁するための策略だったのかも知れない。
理研 笹井氏も、元理研で元小保方氏のボス 若山氏に責任がある様なことを言っている。「STAP現象は現在もっとも合理的な仮説として説明できるのではと思っている」「ESやほかの細胞の混入では説明がつかない。」とする笹井氏の会見もおかしげ。わかってて言っているのだろうな。
Posted at 2014/04/27 16:32:53 | |
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