自分も時々見に行くサイトで
Skeptic's Wikiというのがある。
様々なトンデモについて扱っている。
Skeptic's Wikiは、超常現象等に関する懐疑的な情報をまとめていこうと考えているWikiです。 |
この中で、
広瀬隆の項目があって、よく見たら
自分の記事が参照されていた(他のところでも自分の記事の言い回しに似た表現があって、参考にされた様子がうかがえる)。
私は記事中で、広瀬隆が示す不可思議な図について、
・食物連鎖と言いながら食物連鎖を表していないこと
・放射性物質というだけで、どんな放射性元素が生物濃縮によって100万倍になるのか示されていないこと
・出典が示されていないこと
を指摘し、ハンフォードの放射性物資についての検証を行った。
このサイトでそれをそのまま引用しているが、後半では私が調べきれなかった広瀬隆が参照したと思われる資料についての具体的な書名が挙がっている。
他でも、広瀬隆が使っている図は反原発関係者の間で繰り返し引用されているものだという話は聞いていた。しかし、ここではその大元らしきものにたどり着いている。
ただそこでも、放送で聞いたものだと言うだけで、データはどこから出てきたものなのかは分からないらしい。
そんなあやふやなものを鬼の首を取ったかのように示し続けた来た反原発関係者は、目的のためなら何をやろうが許されるという特殊な意識を持っているとしか思われない。
広瀬隆しかり、小出章裕しかり。木下黄太、山本太郎その他挙げればキリがない。
なお、アヒルの食性であるが、やはり植物食中心の雑食と言うことである。家禽なので与えれば肉も食べる。しかし野生化したものは昆虫や土壌生物を食べることもあるようだが、魚を食べるようなことはほとんどないようだ。
原種に当たるマガモも植物食主体の雑食で、昆虫や貝を食べたりすることはあるらしいが、魚はほとんど食べないらしい。カモ類の中には積極的に魚貝を食べるものもいるがマガモはそうではないとのこと。
参考:
http://desjiro.onmitsu.jp/unchiku/waterfowl.htm
何が「百万倍」なのか?
「広瀬隆が警告 原発破局を阻止せよ! 食物連鎖で濃縮 放射能の危険な罠」 (週刊朝日 2011年04月08日号配信掲載) 2011年3月31日(木)配信
上の記事に掲載されてる「放射能濃縮データ」の図(3ページ目)がおかしいと評判になっている。たしかに子ツバメが食べているのは、アヒルではなくて「川の虫」だし、ツバメは「水鳥」ではないので、図中の矢印は意味不明だ。(食物連鎖を正確に表していない) そもそもツバメやアヒルの卵は、日本ではめったに食べないと思うぞ。いったい何が「百万倍」になったのかも、よくわからない。
「放射性物質の生物濃縮(ハンフォード原子力施設による被害)について」 Yuh_Fazioli、みんカラ、2011年04月17日
ツバメが「川の虫」をどれほど食べるのか知らないが、上記エントリによると、アヒルは主に植物食であるので、魚は捕らないようだ。
また、ハンフォード原子力施設の下流に住む人(コロンビア川の河口から50キロ近く離れたウィラパ湾でとれるカキを常食していた労働者)から高濃度で見つかったのは亜鉛65(半減期:約244日)だそうだ。カキは、周囲の海水濃度より10万倍以上に、特異的に亜鉛を濃縮するが、亜鉛が食物連鎖により順次高濃度になる生物濃縮は認められていないとの報告もある、とのこと。
有毒性評価書 Ver.1.0 No.131 「亜鉛の水溶性化合物」(pdf) 新エネルギー・産業技術総合開発機構 p15-16
つまり、生物濃縮については十分に注意する必要があるが、すべての放射性物質が「百万倍」になるわけではない。「水鳥の卵で百万倍」になるというのであれば、いったいなんの放射性物質について言っているのか、広瀬氏は出典を明らかにすべきである。
なお、「Introduction to Social Work and Social Welfare: Empowering People」(Charles Zastrow, Brooks Cole, 2009)という本に、広瀬氏の図と同様な表記(p.548)がある。こちらでは、アヒルも魚と同様にプランクトンを食べるという記述になっている。(同じものを食べていても濃縮度は魚が1万5千倍、アヒルが4万倍となっている) さらに、これは「Perils of the Peaceful Atom」(Richard. Curtis and Elizabeth Hogan, Littlehampton Book Services Ltd, 1970)という本からの引用なので、この本を見てみた。すると、この本も同様の文章を「The atom and the energy revolution」(Norman Lansdell、Penguin Books、1958)という本から引用している。また、広瀬氏の著書「東京に原発を!」(集英社、1986年)の176ページにも同様の図があり、やはり、ノーマン・ランズデルの著書「原子力とエネルギー革命」を引用している。
そこで、Norman Lansdellの「The atom and the energy revolution」を見てみると、173ページに同様な記述があり、脚注に引用元はAlbert Schweitzer(アルベルト・シュヴァイツァー)のオルソーからの放送であるとのみ書かれてあり、結局なにが100万倍になったのかはわからなかった。どうも出典の明らかでない話が半世紀にわたってこの手の人たちのあいだでは流れているようである。
Skeptic's Wiki 広瀬隆
|
Posted at 2015/12/19 04:28:25 | |
トラックバック(0) |
放射性物質・放射線 | 日記