フランス革命前夜がどんなものであったか。
コンパクトなまとめを引用してみる。
フランス革命が起こった原因とは?①不平等な封建制度
革命以前の旧体制を「アンシャン・レジーム」と呼びますが、この旧体制の象徴が、階級制度でした。
この制度は、聖職者・貴族・平民のピラミッド式となっており、特権身分(聖職者と貴族)と平民の割合はなんと2対98。特権身分の人間は税免除をされていたので、平民たちは特権身分者たちの贅沢な暮らしのために、働き続けなければいけなかったのです。
さらに、当時フランスは慢性的な財政難に陥っていました。そしてその補填は増税によってなされていたので、平民の負担はさらに増え、聖職者や貴族に対する不満は膨らんでいったのです。
フランス革命が起こった原因とは?②厳しい経済状況
当時のフランスはルイ15世時代から続いていた負債に加え、軍事費に莫大なお金がかかっていました。というのも、フランスにとっても最大の敵国・イギリスが、アメリカ独立戦争を始めたため、アメリカに巨額の軍事支援を行っていた他、欧州内での戦争も続いていたのです。
このような軍事費への投資が、厳しい財政状況を作り出していました。それに加え、当時フランスは歴史的な小麦の不作に見舞われ、パンの価格が高騰。市民の怒りは最高潮に達してしまうのです。
5分で分かるフランス革命!流れや原因を分かりやすく解説!
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/4564
現代日本はこれに似ている。
・格差が拡大し、富裕層と庶民が明確にわかれ、庶民は低賃金と過重労働、重い税負担にあえぎ、そこからの搾取によって豊かに暮らす富裕層が存在している。
・軍事費に予算が割かれ、思いやり予算等でアメリカ軍への莫大な支援を行い、さらに莫大な額の兵器調達によってアメリカに貢献させられている。また、米国債を積み上げてアメリカの財政にも寄与している。
・相手国から支持を取り付けると同時に一部企業への利益供与となる海外支援に莫大な額のお金がばらまかれ、国内の福祉などがなおざりにされている。
財政の厳しさは軍事費の拡大によるものではないが、政府はアメリカに莫大な利益供与を与える一方で莫大な負債を抱え、にも関わらず企業利益のために企業税制優遇がなされたりする。その穴埋めに「社会保障のため」と称して庶民増税が行われる。
大きく違うのは、これだけ庶民への負担が大きくなり、人権は無視され続け、不正がはびこっているにもかかわらず、庶民の不満は高くないと言うことだ。デモなどは起きていて、それが報道されないなどがあるにしても。徹底弾圧の歴史があるにしてもだ。
そこには、為政者に対する無条件の承認が根付いているように見える。
他でも書いたように、日本では歴史的に天皇を最上位の存在とし、天皇に任命された者が実質的に最高権力者になる制度が維持されてきた。
室町幕府、鎌倉幕府、江戸幕府は征夷大将軍に任命された武士による支配が行われた。
明治~大正~昭和初期は天皇が元首ではあるものの、現実には天皇を神格化し利用したを薩長土肥による藩閥を中心とした「明治将軍家」支配が新しい国家体制の基礎になった。
太平洋戦争後は象徴天皇制であるが、実質的にはアメリカを天皇と仰ぎ、アメリカが作った自民党が実質将軍家としての機能を担っている。
日本人は天皇と将軍を正当な支配者と認めてきた。今日でもその構造と承認は続いていると見るのが妥当に思える。
民主党政権になったときも、人々は「自民党にお灸を据える」という意識で投票行動を行い、実質的に自民党の支配を正当なものと認めていたではないか。だから、その次には急激な反動が起き、強固な自民党支配に戻った。日本人に民主主義はなく、代表を出し、政権を選ぶという意志はないのだ。日本人はそういう教育を受けていない。組織に属し、従順に受け入れることばかりを教育されてきた。将軍家にひれ伏しただ従う制度の持続を当然と考えている。
戦後の激動期を制したのは、占領を行ったアメリカであるのは当然であるが、その意を受けた自民党が征夷大将軍を出す将軍家の位置にあることを日本人は受け入れてきたのだろう。
天皇を利用してきた右派にとっては、天皇自体はどうでもよく、利用するために天皇制の威光さえ保証されればよいのだ。だから神話時代から続くことにこだわり、男系天皇にこだわり、万世一系にこだわる。
実質の天皇はアメリカであり、仕えることで征夷大将軍としての権力と支配を保障される。
右派には何の権力も持たないお飾り天皇よりも、強大な力を持つアメリカを仰いだ方が都合がいいのは言うまでもなかった。
彼らが鬼畜米英にこだわらず、アメリカを実質の天皇と仰いだのは、まさに構造は変わらないまま戦前のような大きな利益があるからに他ならない。もともと天皇は権力の保障のために利用していたのだから、鞍替えは当然と言える。
そこで日本の右翼は天皇家を信仰の対象とする「真の保守」と、アメリカを崇拝し戦前の「明治以降の実質の将軍家」の権力構造の維持を最重要とする「明治将軍家保守」に明確に分化しているわけだ。前者の多くは単なる活動家に過ぎないが、後者は権力層そのものだ。天皇を神格化し利用した明治政府を築いた長州出身者が後者に深く関わっているのも当然と言える。
これ以外にも、明治将軍家に直接関わりが無い、国粋的なにわか右翼がいて、日本を無条件にたたえ、欧米を中韓同様に見下し、マイノリティの排除を是としている(日本○○○○協会長で同協会と一体と言える安倍晋三後援会「○○会」の×××が典型的)。こう言うのがアメリカ崇拝保守の周辺にいて、政権の維持と権益供与で結びついている。
明治将軍家保守に取り入り鉄砲玉に使われている保守系政治家・御用学者・御用ジャーナリストにも、こうした色彩が強い人物が多いように見受けられる。言うまでもなく明治将軍家保守の安泰に利用されている。
追記:
日本の学生運動とは何だったのだろうか。
団塊の世代の学生運動の参加者達は後年資本主義の中で利益を得て出世し、支配、搾取の側に回った者が少なくない。
Posted at 2019/06/09 12:10:24 | |
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