我々がよく見かける日別陽性確認数のグラフは発表日ベースであることが多い。
発表日ベースだとここ数日間に陽性が判明し届け出があったものが含まれることが多い。
実際に感染したのはいつなのかを知ることで、イベントとの関係を考えやすくなる。
感染症情報センターのHPには、全国のデータを発症日で修正したグラフが載っていた。
発症日別にすると、不自然な凸凹がかなり消え、状況をつかみやすくなる。検査数が少なく検査するかどうかもかなり恣意的にしぼられていたため、正確に傾向を読み取れるかどうかはわからない部分もある。
これを見ると4月に入ると感染は減少し始めている。緊急事態宣言の前から感染はすでに抑えられていたことになる。もちろんこれは4/22までの報告がベースなので、少なくとも最新2週間部分はその後積み増されている可能性がある。
西浦博氏が出しているデータも引用する。
これによれば、基本再生算数R0※が4月そうそうに1を下廻り、感染は縮小し始めていた。
つまり、結果的には緊急事態宣言は必要なかったことになり、その延長も必要なかったことになる。もちろん基礎データが信頼できるのならであるが。
休校の影響は全体の感染者を抑え込むとまでは考えられず、実際その期間は増加し続けている。
宣言前の自粛行動が影響した可能性はあるが、それにしても早すぎる。
日本での発症は、もしかすると何らかの理由で国内ではウイルスが増殖しにくい事情があり、海外から持ちこまれたウイルスに大きく依存しているのかも知れない。特に欧米での増加とかなりリンクしているように見える。北海道のケースでも増加直前に米国からの帰国者の発症があった。
日本で2,3月にあまり目立たなかったのは、中国で感染が抑え込まれたことで、日本での拡大も限られていたかもしれない。
日本で3月から拡大したのは、ひとえに検査が武漢縛りで欧米などがノーマークであったためである可能性が高そうだ。
検査されず暗数になっている部分が破滅的な感染拡大を起こしていないのは、やはり何らかの理由でアジア、日本で感染が広がりにくい理由があると考えるしか無さそうだ。
もちろん感染、発症が起こらないわけではない。SARSやMERSが広がりにくかったこと、新型インフルエンザの影響も控えめであったことなども同じ理由なのかもしれない。
例年にない2019-20のインフル早期収束は、なんらかの要因が関係していて、それがCOVID-19が広がりにくかった理由にもなっているのかも知れない。
COVID-19については分からない事だらけだ。
※
基本再生産数(
英:
basic reproduction number、
R0 と表記され、
R noughtあるいは
R zeroと読まれる)とは、
疫学において、
感染症に感染した1人の感染者が、誰も
免疫を持たない集団に加わったとき、
平均して何人に直接感染させるかという人数。1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す。
(Wikipedia)
Posted at 2020/05/13 13:48:15 | |
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