丸山が国立療養所多磨全生園に通ってハンセン病患者の診療を続けていた1956年秋、患者が体内にライ菌または結核菌を保持している間はがんの発生を抑えている[要出典]という事実を発見した[6][出典無効]。ライ菌と結核菌とは同じ好酸性の桿菌であることから、結核菌抽出物質の丸山ワクチンががん細胞の増殖を抑制できると考えた[7]。
Wikipedia 丸山ワクチン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E5%B1%B1%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3
ツイッターでたまたま丸山ワクチンという語を見かけ、ちょっとWikipediaをみたらこんな記述が。
はたして細菌感染を起こしている間、ガン細胞の増殖を抑えるなどと言うことがありうるのだろうか。
花粉症と寄生虫の関係は興味深くて、花粉症と関係の深いIgE抗体は元来対寄生虫免疫として進化した仕組みで、現代の清潔環境で暴走し、無害な花粉(+ディーゼル煤煙?)に反応しているからと言う話がある。寄生虫が居ると花粉症が出なくなると言う話が藤田紘一郎氏による「笑うカイチュウ」によって有名になっている。
しかしその後の研究ではどうも関係ないらしいどころか、寄生虫によってアレルギーの度合いが増すことすらあると言うので全くアテにならない。
ガン細胞は遺伝的要因と環境的要因で常に体内で発生し、NK細胞やキラーT細胞のはたらきで刈り取られている。その攻撃を何かの理由で逃れ増殖したものがガンの発症として認識されるものだと言える。たとえばキラーT細胞などはアポトーシスを起こさせて細胞を内部から破壊させているが、アポトーシスの仕組みが壊れていれば増殖し続けることになる。
細菌に対する抗体がたまたまガン細胞の何かと交叉抗体となって攻撃されているとか、偶然免疫チェックポイント分子に結合してガン細胞に対する免疫抑制を外しているとか(まあないだろうな)、なにかあるのだろうか。
そもそもガンの発症が抑制されているのは事実なのかどうか。
このあたりの話は、結核ワクチンであるBCGが免疫賦活をしている話にもつながり、一部の国で新型コロナの抑制に効いている可能性が言われる部分ともつながる(アジア/オセアニアで最悪とは言え日本の野放し対応でも今のところ欧米ほどの死屍累々の大感染に至っていないのだから、BCGがその原因であるかどうかは個人的にはやや疑わしく思っているが、その原因は極めて興味深い)。
今考えられているストーリーは、丸山ワクチンが含む糖鎖が樹状細胞の活性化をもたらし、それがキラーT細胞の活性化をもたらしている可能性らしい。事実として丸山ワクチンが細胞間の伝達物質であるインターフェロンの増加をもたらしているらしいが。
BCG菌は多様な糖鎖を持ち、これがCD-1という受容体と結合することで免疫賦活を引き起こしているらしい。
Wikipediaの記述によれば、丸山ワクチンとふぉういつ成分が白血球減少症の治療薬として認可されているが、抗がん剤として承認は受けられていない。しかし、二重盲検での臨床結果は統計学的には有意と認められていないが、それは同時に行われている他の要因に引きずられている為で、下に引用したように、臨床的には意味のある結果が得られたと臨床試験を行った側は考えているらしい。
論文「Phase III placebo-controlled double-blind randomized trial of radiotherapy for stage IIB–IVA cervical cancer with or without immunomodulator Z-100: a JGOG study」(2014)のendpointで、The estimated total sample size was 240 to detect an 18% increase in the 5-year survival rateとの結果を得ている
よくは分からないが、免疫賦活という効果は、ライ菌や結核菌に限らず起こりうるもののように思われる。
攻撃抑制を行う免疫チェックポイントの阻害のような、直接的にガン細胞の攻撃を支援する仕組みではないが、キラーT細胞が関わるCOVID-19のようなウイルス対策としても興味が持てる。
Posted at 2020/10/18 11:03:14 | |
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