日本は伝統的に(少なくとも第二次大戦から)、プランAを立案すると、再起不能になるまで止まらない傾向が強い。事前にプランB,プランCを用意し、条件次第で移行するということをしたがらない。
税金を使い、不正の結果誘致したオリンピック開催による利益計画を手放すことができず、異常に高い経費がかかる組織を短期間だけ存続させるはずが延期で運営困難となり、全く不透明どころか開催困難な状況では追加協賛金もままならず、それでもオリンピック開催を取り下げない。
そのオリンピック開催のために、COVID-19対策は、流行自体を存在しないかのように装い、存在しないものへの対策は不要とし、実際に起きている経済的な問題のうち、延期で損失を被っている電通などごく一部の企業が中抜きして大きな利益を得る形でしか対策をしようとしない。
自民党政権お得意の隠蔽だ。
そして今、本格的流行の序盤を目にしている。
本来ならアジア・オセアニアでの【謎の流行抑止力】で余裕がある間に本格的流行に備えて準備をしておかねばならなかったが、それを怠った。
アジア・オセアニアの他国が抑制に成功している中、日本は感染を拡大させ続け、遂に、もともと医療体制が脆弱で流行をなかなか押さえられずにいたフィリピンを抜き去っている。
その間、あろうことか、ウイルス禍終息後に行うはずの経済対策を流行さなかに行い、流行を加速させる要因をつくり、夏季の流行は子供たちの夏休み効果で一旦下火になったものの(具体的対策がほとんどないため抑え込めていない)、秋からの増加の中でも継続を続け、8月を上待ったところでようやく縮小を言い始めた。完全に後手後手である。
集団免疫を目指すとしていたスウェーデンは、夏に流行が下降し【集団免疫の獲得に成功した】などともてはやされていたが、秋以降は大幅な増加に苦しんでいる。
SARS-CoV-2では一度つくられた抗体が長続きせず、交叉免疫によって液性免疫が生じるために新規の抗体が作られにくいためにこれまでの抗体では効果の薄い変異株が大流行しうる。変異株が波状攻撃することを想定しない集団免疫期待はあまりにも安易だ。更に人畜感染ウイルスはヒト以外の中でヒトでは起こしにくい部分に新たな変異を起こし、再流行を起こしうる。
欧州ではこれまでの対策では効果が不十分な変異株が発生しており、比較的押さえ込みに成功していたドイツさえも例外では無い。
大きな流行が生じているが、それでも押さえ込みに向かいつつある。
まともな対策をしようとしないトランプ体制のアメリカで上昇を続けており、それを同じく対策を行おうとしていない日本が追う形になっている。
【謎の抑制効果】の中にある日本は、世界の中ではまだ流行が小規模であるが、【謎の抑制効果】が破られれば、感染症対策がないも等しい日本では悲惨なことが起こる可能性がある。少なくとも早期に隔離、入院、重症対応が飽和し、医療崩壊が起こる(既に起こり始めている)。
mRNAワクチンの開発でmRNAを使いながらも副作用が少なく、90%を超える効果が得られたとする発表が行われているが、抗体がどの程度の期間、安定して効果を持ち続けるかなど不明な点が多い。90%を超える効果とは、ワクチンを打った群と比較して、ワクチンを打たなかった群がもし打っていたとすればその程度が感染を防げたとするざっくりとした計算で、データが少ない中でのものだ。実際に使用してどの程度の割合で効果が得られるかはまだ分からない。
自分ならまだ受け入れられるものではないと考えるが。
極めてリスクが高い通勤時の電車、各家庭の間をウイルスでつないでしまっている学校や保育園への対策をしないことにはどうにもならないだろう。
家庭内感染の増加、その感染ルート不明は、あえて学校の大規模な検査を避けてきた為である可能性が充分ありそうに見える。
子供たちが症状を示さなかったからと言って感染しないわけではない。感染してウイルスをばらまいている可能性はさんざん指摘してきた。不顕性感染が多いのがコロナウイルスの特徴であることは以前からよく知られていることなのだ。
実際、学校や保育園が感染を広げる場になっているケースが幾つも確認されている。
オリンピックの延期以前からインターネット広告への移行の影響を受けて採算が大幅に悪化しており、電通の倒産の現実性がなきにしもあらずなようだが、社会的にも有害な組織であり、早期に退場して頂いた方がよいように思う。
Posted at 2020/11/22 11:21:31 | |
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