職場はパソコンを管理するSEはおろか、担当者すらいないというひどい状況で、Win7が現役で使われている。ちょっとあり得ない。
その古いPCもいくつかは故障でWin10のマシンにリプレースされている(リースではなく故障時に購入で様々なマシン、様々なバージョンのOSやアプリの混在というのも、管理されていない状況をよく現している)。
そこで放り出されている古いマシンからDIMMを取り出して現役マシンに入れてRAMを2Gbytesから4Gbytesにアップグレードしたりしていた。
しかし、いいかげんWin7はやばすぎるので、成績処理が一段落したタイミングでまったくのボランティアでバージョンアップに取り組んでみた。
以前にも一度トライしたことがあるのだが、Windowsupdateがエラーを出して止まってしまった。
少し前にはWindowsupdateの問題を解決し、最新の21H2をDVDに焼いてアップグレードに取り組んでみた。この時はインストールが進んだ。
再起動後の更新ファイルの構成に異常に時間がかかりすぎて一旦断念。一晩たっても22%から27%になっただけで、その時はまだPCが使われる見込みがあったので中断した。
今回はサービスやスタートアップ類を止めてクリーンブートで再度インストールしてみた。一晩では足りなかったがなんとかWin10にバージョンアップ完了。
ところが、何故かライセンス認証が通らず、ライセンス認証サーバーにつながらないというエラーが出ている。また、インターネットにはつながるが構内LANのサーバーにつながらない。
ライセンス認証は、正しいプロダクトキーを入れても無効なキーだと怒られる。ライセンス認証サーバーにつながらないくせに無効と判断するとは何てヤツだ。
色々調べているうちに、ネットワーク探索が有効にならないことに気付く。有功にしても無効に戻ってしまう。サービスが有効にできないようだ。
IPアドレスでPingはとおるので
NetEnum4というツールでネットワークの他のマシンやサーバー等はリストアップできるがつながらない。
更に色々調べていくと、ネットワーク関連の有効にならないサービスがいくつかあり、依存関係からDNS Clientサービスが有効にならないことが原因と分かった。このサービスが起動しないと、様々な不具合が生じるのだ。
しかし、これがどうやっても有効にできない。アクセス権の変更を含め、日本や海外のネットで見かけるあらゆる方法を試したが解決しなかった。
ファイルが壊れている可能性があるので、コマンドラインからファイルの修復を試みた。
管理者権限でPowerShellから
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
を実行。
遅いマシンなのでかなり時間がかかったがファイルの破損が見つかりリプレースされた。
その後再起動すると無事ライセンス認証が通り、ファイルサーバーにもつながった。
もう一台も全く同じことが起こり、同様の過程で修復した。
なお、この作業に20時間程度費やしたが、全くのロハである。
本当はこう言うことはやらない方がいいのだが、サポートの切れたWin7を職場が使用し続けることで自分にもどんな実害が起こるか分からない。それを避けるためにはやれるときにやっておくしかない。
どれほどの苦労をしながらバージョンアップしたかを片鱗でも理解しているのは、生徒のiPadなどの問題対応等をしている年配の教員1名だけだ。
管理職は、以前システムが壊れ廃棄予定だった職場のWin10PCを直したという話を聞かされても、欠片も評価するつもりがなかったらしい。まあ、そう言う職場だと言うことだ。
追記:
なぜアップグレード時にファイルが壊れるのか分からない。2台で全く同じことが起きているので、システム的な問題があるのかも知れない。21H2インストールISOファイルに含まれるファイルが既に壊れているのかも知れない。なお、これはWin10 Pro 32ビット版のISOディスクイメージ。
心当たりとしては、クリーンブートでのアップグレードを行っていることだが、それが原因とは考えにくい。
サービスはどちらも5つがアップグレード時にシステムによって無効にされており、DNS Clientだけが手動でも有効にならなかった。
まとめ
・Win7からWin10Pro32bit(21H2)にDVDをインストールメディアとしてアップグレードに成功するもライセンス認証に失敗。ライセンス承認をしようとすると「ライセンス認証サーバーが現在使用できないため、Windowsのライセンス認証を行うことができません。」とのメッセージが表示。エラー0x80072ee7。
・LAN上でIPは有効だがサーバー等の名前解決ができず接続できない。IP直打ちでもネットワーク探索ができずWindowsから他のマシンが認識できない状態。
・DNS Clientサービスやこれに依存するサービスが有効にできず、「エラー1068:依存関係サービスまたはグループを起動できませんでした」エラーが発生。
・手動でのサービス開始、レジストリの変更等でのサービス開始は全て無効。
・次のシステムファイル修復コマンドでファイル破損検出と修復が起こる。その後は正常動作。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow