最近自分が驚いたこと。
もちろん、プーチン政権がウクライナに侵攻したことは大きな驚きであった。いずれやるだろうことでもあったが。
これに関して。
・ロシアが共産政権だと思っている人が結構いる。
歴史(戦後史)の学習が、日本では大変おろそかである上に、学校で習うことをリアルなことではなく、単なるお勉強として捉え、教養として身につけていないことなどがあるのだろう。それ故に、ネットのあやしい話、陰謀論、プロパガンダに簡単にだまされる。
ロシアは資本主義である。
資本主義の対立概念が共産主義であり、経済体制の概念である。
ロシアの共産党は弱小政党に過ぎない。
民主主義の対立概念が独裁や王政であり、これは国の政治体制・支配体制の概念である。
現在のロシアは資本主義かつ独裁状態である。
・日本をウクライナになぞらえて、軍拡、核共有を主張する人・それに同調する人が大変に多いらしいこと。
これも驚くべきことで、日本がちょっと前にアジアの多くの国を侵略し、アメリカ・英国・中国等に対して戦争を仕掛けた国であることが理解されていない。日本はロシアと同じと見ているのが国際社会だ。それが故に国際連合で敵国条項の対象として扱われている。
日本は他国を侵略し、他国・自国の多くの人々を死に追いやる悲惨な戦争を続けた末に降伏した。そのために、他国を二度と侵略しないための平和主義…交戦のための戦力を持たないこと、国民に民主主義を教え、軍国主義を教え込まぬよう教育への政治からの独立をさせることを約束して戦後独立国の地位を再び得た。このことが忘れ去られている。
戦後の日本は、天皇の地位にアメリカを置いて自らの地位を確保した戦後右翼によって支配されてきた。表面上民主主義になっても支配層が変わらないので本質は同じで、いつまでも戦前の反省がないまま全体主義が色濃い状況が続いていた。ブラック校則など典型的な全体主義によるところだ。
この体制はアメリカが作った。天皇が絶対的地位にあった日本の戦後体制の安定化に天皇制存続が必要と考えたが、天皇制の維持が日本が再度脅威になることを怖れる国々に対してのアピールとして、交戦のための戦力を持たないとする9条を入れ込んだと言われている。
しかし、冷戦が始まり、日本を反共の防波堤として活動させるため、CIAの資金で戦前右翼による自由民主党が作られ、アメリカの傀儡政権が作られていった。朝鮮戦争・ベトナム戦争を通じ、アメリカにとって不都合と捉えられるようになった憲法9条を撤廃することもアメリカの要求に含まれている。自民党の党是は憲法改正であることを忘れてはいけない。
時は流れ、戦争を知らず戦前体制を賛美する世襲議員が日本を支配している。
教育の独立性を破壊する新教育基本法が作られ、軍事費は増強され、憲法では禁止されていない自衛のための戦力を明らかに越える、敵基地攻撃能力を持つことを当たり前のように議論されるようになった。すでに兵器輸出も行えるようになっている。
ウクライナが侵攻されると、核共有を議論すべきだなどと言うが、核を日本においたところで核のボタンを日本が持つことはなく、日本で核を使うと言うことに過ぎない。核を置いたところで日本が攻撃を受けないと言うことはなく、むしろ初期には積極的に核攻撃能力を無力化するために攻撃をすることになる。日本は、日本が沖縄をそうしたように捨て石にされるだけだ。なにしろ戦後の日本は反共の防波堤と位置づけられてきたのだから。
・憲法9条は他国からの侵略に役立たないからと改憲しようとする。
憲法は権力を縛る、国の最高法規である。いかなる法律も憲法の目指すところに反することは許されない。
他国の侵略を許さないのが9条の本質だ。
戦争は国交の失敗であり、プーチンが世界から非難を受けているように、いかなる理由があろうが許されざることである。9条のような憲法がロシアにあれば、侵略は本来起こらない。
ウクライナがそうであるように、軍事力を持つことは侵略の抑止にはならない。
戦後日本は一度も侵略を受けたことがない。
石原慎太郎都知事が尖閣諸島を都有化するとし、結局国有化されたことが引き金となって中国で反日運動が高まったり、日本の領海への侵入が相次いだが、それまでは両国にとってアンタッチャブルな問題であり、一部の極右活動家が騒いでいただけに過ぎない問題であった。結局危険な極右が問題を引き起こして両国の関係を悪化させたのである。
このことが中国国内での日本製品不買運動につながり、それが日本の半導体の代替となる半導体国内製造のための技術開発投資へとつながり、今日の中国半導体製品のトップレベルへの躍進と国際的競争力のめざましい向上につながっており、日本は完全にこの分野で地位を失っているのだから皮肉なものである。日本を衰退させているのは極右である。
日本は問題を国交によって平和的に解決することを宣言している国である。それがゆえに国際的地位を得ており、国際社会は日本への侵略を許さない。
憲法9条を敵視しているのは、日本の戦力を派兵させられないアメリカである。朝鮮戦争、ベトナム戦争に派兵せずに済んだ日本は、派兵させられ消耗した国とは逆に「特需景気」に沸き、戦後の高度経済成長の引き金となった。日本へ9条改正、国外派兵を要求し、自民党政権は少なくとも後者を実現している。
第十章 最高法規
〔基本的人権の由来特質〕
第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
〔憲法の最高性と条約及び国際法規の遵守〕
第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
〔憲法尊重擁護の義務〕
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
この憲法の第十章の条文が、極右政権によってどんどん骨抜きにされているのが日本の実情であろう。
国民の基本的人権を認めないとする極右政治家が支配し、人権の制限を行う憲法草案を掲げている。
そもそも憲法を尊重し擁護するべき首相が憲法改正を口走ることなど、根本的に許されない。
Posted at 2022/03/16 06:03:03 | |
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