先日、ホールの場内カメラが映らなくなったとのことでこのシステムの3回目の故障のチェックに呼び出されていった。
既報のように、耐用年数10年もないものを20数年使い続けていることでのシステムの老朽化による故障である。
いくつかの復旧方法はあるが、機器の交換以外に、設備の装置に手を入れる方法(故障回路のバイパス)、設備の配線に手を入れる方法(電源を別途供給し、モニター出力を電源重畳カメラ出力配線に乗せて映像パッチベイの付け替えで対応する)は比較的スマートに復旧できるが、それ以外にも近辺に出ている既存配線を使うことで復旧できることに気付いた。
ところが昨日の夜ホールでチェックしたところ、3日前には生きていたカメラのモニター出力が死んでおり、カメラを生かすことができないことが分かった。まあいつ壊れてもおかしくないものなので、これには元々頼れなかった。
このため、アナログ出力ができるヴィデオカメラやHDMI出力のあるカメラ類でHDMI→RCA変換アダプターを使うことで解決することにした。これなら既存設備に手を加える必要がなくなる。
持ち込み機材で対応するのであれば、
デジタル化を考えたいところではある。これは今後の課題だ。
この方法は私が関わるいくつかの団体で共有するが、他団体については今のところ特に協力を求められない限りは対応予定はなく、場内カメラが使えない不便を何年間も公民館側に訴えていただくしかない。
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さて、表題の危機とは何か。
この地元のホールは施設のコンセプト作りから地元住民が関わり、設計、運用についての話し合い、運用にも住民が関与している全国でも希有な施設である。
県企業庁がバブルに踊って立てた壮大な街づくりの計画に対し、その後の予算縮小でコミュニティ施設の規模は小さくなってしまったが、サントリーホールを作った永田音響が音響設計を行い、照明や音響にもそれなりの本格的な設備を入れている。
だがこのような施設は、その設備運用を原則専従スタッフが行うものであり、保守管理も含めて施設管理者が適切に行うものになっている。
そのため、素人が設備を直接操作することは許されないのが普通である。あっても専従スタッフの管理の下、一部の操作に限定される。
ところが地元音楽ホールはその規模や内容に全くそぐわない運用体制になっている。具体的には公民館の講堂と位置づけられていて、ホール運用のための予算は付けられてないのである。
これについて千葉市生涯学習振興課の管理職は、「(使用料が)ただの施設に金は出せない」と曰った。つまり千葉市は高額な施設をタダで受け取っていながら、あとは壊れるに任すと言ったに等しいわけだ。
そんな事なので、公民館は主事2人と館長という体制となり、誰一人ホールの設備運用ができない恐ろしい施設になっている。
しかし、そこを住民の力で運用してきた。
技術のある住民が操作だけでなく保守管理の一部を担い、必要であれば修理対応もしていた。
住民の力を借りないと運用が不可能だったわけである。
ホール設備以外でもちょっとしたドアの修繕などは住民が直したりして維持管理してきたのだ。
ところが今回、現在の過去の経緯を理解していない館長が周辺公民館の統括を行っている中核館に住民による設備修繕の可否の確認を求め、当然のことながら不可の回答を得たことで、自分で呼んだ元住民に修繕に来るなとし、別件で予約していたホールの利用を取り消し、当直警備員にその旨を伝えていったのである。
この対応もむちゃくちゃながら、それ以前にこのホールは住民と共に運用してきたもので、他館ではできないルールを独自ルールで通してきたのである。
中核館の館長もどんどん変わるので過去の経緯など理解しておらず、杓子定規な対応しかしないのは目に見えていた。
この結果、このホールの設備に対する住民参加が危機を迎えることになってしまったのである。
住民が施設の調整や修繕を行えなくなるだけでなく、本来許されるはずのない高度な設備の操作すらも原則論通りなら禁止されることになる。
もちろんそんなことをしてしまえば専従スタッフを配置できないので、ホールの高度な設備はすべて運用できなくなる。照明もあっちの方を向いたままになる。
そのため館長はこれまで通り都合よくルール違反で住民に設備運用をせざるを得ない。館長自身が大きな矛盾を抱えることになってしまった。
一方でこれまで複雑な設定や設備運用を分かっていない利用者の操作ミスによるシステムダウン、調整の狂いや故障対応を住民対応に頼ってきたのにそれが館長の杓子定規な対応のために一切行えなくなった。館長曰わくすべてルール通り市内業者による対応になるため、修理見積もり予算も付けられず、わかっている人間が対応すればものの数分で済むレベルの問題も復旧に何年かかるか分からなくなってしまった。
これは施設運用上の危機である。
県企業庁によって数十億単位の予算で建てられた施設が、 千葉市生涯学習振興課の無責任な施設管理意識による予算不足と、過去の経緯を尊重しない館長のうかつな行動によってこれまで以上の速さで機能を失うことになってしまったのである。
この運用が次の館長以降に引き継がれれば、このホールは早晩機能停止しかねない。
Posted at 2025/10/30 08:03:06 | |
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