サウンドピュアディオのブログではよく登場する多重構造の防振メタルですが、多くの方から「なぜ大手メーカーが発売していない物をサウンドピュアディオの様な小さい会社が開発出来たのか?」という質問を受けます。
実はサウンドピュアディオもメタルを開発する前は『Pマット』と呼んでいる通常のゴムとアルミを組み合わせた物の形状と材質を工夫した物を使っていて、市販よりも中音域方向に吸音する範囲を広げていました。
サウンドピュアディオではデモカーはアーティストさんの移動用として使う事もあって、自分が運転してアーティストさんは助手席で自分の楽曲を聴かれている事が多いです。
ある日アーティストさんを助手席に乗せていつもの様にそのアーティストさんの楽曲を聴いていたのですが・・
その時ボーカリストの方が助手席で自分の歌をCDに合わせて歌われました。
何と車のスピーカーの音と本人の声を同時に聴く事が出来たのです。
それまでは放送局のスタジオでアーティストさんに会った後に直ぐに駐車場に移動してその方の楽曲を聴いて調整を何度も繰り返して音を追い込んでして、ネッワークのコイルの巻き数を微妙に変えてとか、イコライザーやチャンディバの調整とかを何度も行ってほぼ生音に近い状態でした。
ただ本人の声をスピーカーの音を同時に聴いたのは初めてで、その時に「スピーカーの鳴り以外に何か聴こえるか聴こえないかの高い音がまとわりついていている。」と気が付きました。
それからそのまとわりつきをどうにか出来ないかと試行錯誤したのですが、鉄板にブジルゴムとアルミを組み合わせた物をいくら量を使ってもそのまとわりつきは無くならず、逆にブジルゴムの鈍い響きが出てしまい、クオリティが逆に下がるという状態になりました。
それで何も貼ってないドアに一から貼る組み合わせを考えて、そして共振点の高い金属を使用して、最初は色々と形状を工夫したところから始まり、最終的に共振点の違う金属を組み合わせるという手法にたどり着きました。
防振メタルの試作品はデモカーの中でつい歌ってしまったボーカリストの方の車に装着しました。
既にZSP-MIDとJU60が付いていたので、札幌から宇部に帰る途中で羽田空港で一度降りて、3時間ぐらいの乗継までの時間を作って装着しました。
機器的にはかなりスタジオの音色に近づけていましたが、後一歩出切らなかった音が防振メタルの効果で出す事が出来ました。
現在はドア内用の防振メタルから派生してダッシュボード用の植毛塗装したメタルや・・
Bピラー根元のボディーカラーの近似色に塗装したメタルなどを発売しています。
このヒット商品は何となく作ったから売れたという簡単な物ではなく、ピュアディオと付き合いのあるアーティストさんが車内で偶然自分の歌を口ずさんでしまった事から始まった奇跡的な一品なのです。
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Posted at
2014/07/11 11:40:39