サウンドピュアディオはピュアコンと呼んでいるパッシブクロスオーバーネットワークのコイルを自由に交換して、最も生音に近いセッティングが出来るという独自の方法を取っていますが、これだけ多くのコイルをストックしていながら、本当にピッタリマッチする物は1つしかなく、非常に効率の悪いビジネスをしています。
ただ種類が多いだけでなく、その測定精度は高く、コイルとコンデンサは1台の測定器で切り替えれば測定出来るものをわざわざ別な物を使って、測定条件を切り替えてからなじむまでの時間がもったいなくて、ぱっぱと瞬時に測定して次の測定に移るという作業を仕方をしています。
コイルに比べてコンデンサの方が高い測定精度が必要なので、少し高い桁数が多い物を使用しています。
工場から出荷されたコンデンサは1度全数測定して、その値を全てテプラーで貼り付けて、この条件だとこのコンデンサを使うと、常に目利きをしています。
また測定用の同軸ケーブルが4本出ているプローブは3万円以上する高額な物ですが、使い始めた日にちが記されていて、うちの使い方だと1年ぐらいでガタが出て来るので、正確な測定を行うために毎年新しい物に交換しています。
そんな高度な測定を行って作っているピュアコンは、基本パッケージはブラックボックスと後付けコイルで構成されていて、実はブラックボックスの中にもコイルが入っている事は意外と知られていません。
ピュアコンのユニットを増設して4連ボックスにした場合はボックスの中に合計4個のコイルが入っていて、その全てが一度機械巻をした物を巻き替えるか、何も無い空のボビンから一から巻き上げています。
後付けのコイルはスピーカーに対して直列で、ボックスの中のコイルは並列に入っているので、直列側を自分が巻いていて、並列側は写真が手作業で巻いて作っています。
今日は機械巻したら190マイクロHが出る長さの銅線を宇部店の2階から引っ張って降りて来て、下から強く引っ張りながらコイルを巻いて行きます。
最初は階段から離れた所まで銅線を引っ張っていて、徐々に巻いて行ってよいよ斜め下に引っ張りながら力を入れて巻き上げて行きます。
途中でラジオペンチで整えながら、ぎっしり巻き付けて、長さの割に高いインダクタンスが取れるコイルに仕上げます。
もう半分以上巻き上げていて、短くなった分ピンと張り、最後の仕上げにかかります。
撮影していたら井川家長男が横を通り過ぎて行きました。
そして巻き上がったコイルは、見た目にも全くムラがなくて、ピシッ綺麗に巻かれているのがお分かり頂けるでしょう。
測定したら目標の190マイクロHに対して、191マイクロH以上が取れていて、工場で機械巻した物以上の値が取れています。
最近はスピーカーのネットワーク用のコイルを作る会社が減って来ていて、用途によっては1から巻いていかないといけないという現状があります。
これがピュアコンのブラックボックスの中のスピーカーに対して並列につながる部分に使われていて、プラス自分が巻いた後付けの直列につながるコイルとの組み合わせで良い音を再生させて、ベーシックパッケージを1セット作るのにも、ここまで手間をかけないと良い音は表現出来ないというお話でした。
追伸
ピュアディオのオリジナル商品に防振メタルがありますが、この多重構造の圧着にかけている時間は、開発当初は1週間でしたが、現在では何と1か月もかけて圧着しています。
今取り付けている防振メタルは1か月前に仕込みを始めた物という事です。
イイね!0件
TS-T730Ⅱ カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/01/07 15:02:47 |
|
映画『シン・ゴジラ』を観て来ました カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2016/08/16 14:33:11 |
![]() |
ホンダ・ステップワゴン スピーカーの音質アップ カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2015/11/17 14:55:36 |
![]() |