昨日4月27日は、紀元前399年にソクラテスが毒杯を仰いて死んだ日から、哲学の日となっているそうです。
仕事をしながらラジオを聞いていると、「あなたの哲学とは何ですか?」みたいな事を話していて、「自分の哲学は何だろう?」とあらためて考えてみました。
ここでは自分の音造りに対する哲学を書き込みますが、まず「音楽を作った人に感謝する。」という事です。
これは自分が考えた訳でななくて、ナカミチの創業者の中道悦郎さんの考えで、昭和50年代にナカミチの本社に行ったら、社内に悦郎さんとスティービー・ワンダーさんの写真が飾ってあり、他にもジャズの大御所との写真が何枚も飾ってありました。
残念ながら悦郎さんは50代でガンで亡くなられたそうで、その後の社長の考えが妙な拡大路線に走って迷走して、ナカミチ=恥ずかしいブランドみたいになってしまい、自分は自社ブランドのスタートの方に舵を切り、ピュアディオブランドをスタートさせた7年後にナカミチの日本法人は無くなりました。
それでも今でもナカミチの商品は分かる人には分かる良さで人気があり、創立者の「オーディオ製品は元の音楽を越えようとしてはいけない。」という、音の哲学を継承していたからでしょう。
自分も2006年からは音楽を作る人を応援したいとスポンサー活動を始めて、ナカミチの縮小版コピーみたいに、社内には音楽を作っている人と一緒に写っている写真が飾ってあります。
他に自分の音造りへの哲学といえば、「自分との戦い。」という事です。
普通は販売競争で勝つとか、音のコンテストで勝つとか、他との戦いに注視されますが、自分の仕事に対して、「もう少し出来るんじゃないか?」といつも後もう一歩を目指していて、ラーメンの湯切りならぬケーブルのハンダ切りを行なって、エナメルを焼き切るハンダを振り外に出して、銀入りのハンダをいかに多く入れるかという作業で、2回も奥歯を掛けさせてしまい、昨日からスポーツ選手みたいにマウスピースを付けて作業していますが、自分の限界との戦いで音を良くしているので、コンテストに参加してトロフィーをもらって、それで成約率を上げようとか考えた事はありません。
その原点は「オーディオ評論家の話を鵜呑みにしない。」という自分の哲学があって、100%嘘では無いが、セミナーの話に本当の話に微妙な嘘を入れ込んで、メーカーの音を加工する方式を正しい様に思わせるという、巧みな話術に騙されたくないからです。
自分は20代の半ばに1年ほどFMラジオの番組のパーソナリティーをしていた事があり、その時にプロ機の音を聴いていて、2006年からはスポンサーとして放送局のプロ機を再び聴く様になって、スポンサー活動の一環でレコーディングスタジオにも入れる様になりました。
そういう機会が多くなればなるほどオーディオ評論家の先生の話がまともに聞けなくなって、そういう話を信じでメーカーの音の良い店のリストに載るぐらいなら、オーディオの仕事は辞めた方がいいというのは、これも自分の哲学です。
メーカーの音の良い店のリストに載らずに集客するというのはとても大変な事ですが、自分は運の良い事に本当の音楽が分かるお客様に恵まれて、PAを通さないクラッシックの生演奏を聴かれる方や、ボーカリストのファンクラブに入られていて、ファンクラブイベントで歌っている本人の生声を知っておられる方など、音が良くなると言われている認定店では絶対に満足させる事が出来ないニッチなユーザーの層を集めてビジネスをさせて頂いています。
音の良い店のリストに載らない事はビジネス的には不利になりますが、それでこそだれもこれまでに成し得なかった、『歌ったり演奏したりしている本人に会って、生声・生音を確認した上での音造り』という、ある意味といても面白い事に辿り着けて、結果的に中道悦郎氏の『音楽を作った人に感謝する』という哲学を継承出来ていると思っています。
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Posted at
2020/04/28 09:11:32