新シリーズになって17回目になったお客様の質問にお答えするも、新しい読者の方のために旧シリーズのおさらい的な事が多かったのですが、最近の井川ブログで初公開した画像に関する質問を頂きましたので、早速お答えしたいと思います。
その問いは「1週間ぐらい前にピュアコンの内部で使うコンデンサーに、ハンダ付けで熱を加えると沢山クリップをして、エアーで急冷却をかけても値がズレるという写真が出ていましたが、クリップしたり冷却しないとどうなるのですか?」という内容でしたのでお答えいたします。
元々ピュアコンはベーシック用もJU60用の2桁表記の物を使用していたのが、サウンドピュアディオが音楽番組を始めて、その制作の時に多くのボーカリストの生の声を聞ける様になって、「今の二桁表記のピュアコンの精度では出せない表現がある」と気が付いて測定精度を10倍に上げて3ケタ表記で正確な制度で左右を合わせる、実際には4桁目まで正確に測定して選別に上げました。
ただ音楽番組を続けていると3桁でも本当は足りないのでは?と思い出して、そこからもう10倍測定精度を上げて、4桁表記の5桁目を正確に測定してしていて、ただしそこまで左右をペアリングすると片側2個のコンデンサを合成して容量を出さないと希望の値が出ないために、あらかじめ測定したコンデンサを細かい数値で分類してストックして、そこから取り出して合成して、必要な値に合わせてハンダ付けしていました。
ただし自分の中で合成コンデンサは音が悪いというイメージがあって、でも細かい数値を出すにはそれが必要で、何故合成すると音が悪くなるかを調べたら、ハンダ付けの前と後で値が変わっている事に気付きました。
そこで放熱クリップの数を増やすと数値のズレが少なくなって、音の荒さも無くなって来て、「ここが原因だったのか!」と知る事になりました。
そのズレに関しては「もしクリップが少なかったり、クリップが無いとどのぐらいズレるのですか?」という質問もお客様から頂いていて、先日の写真のズレの10倍かそれ以上というレベルでズレます。
ただその実験をすると使えるコンデンサがお客様に出せない状態になるので、過去はそのぐらいズレるという事で数値が正確になっても合成を避けて1本物で何とか音を合わせようとしていて、実際にはなかなか合わなかったという仕事の仕方をしていました。
そのお話をしたら、お客様の方から更に「ハンダ付けをしなくて合成したら音が変わらないのではないですか?」というご質問を頂きました。
確かにその通りなのですが、ネジ止めや寄り合わせなどで導通させると新品当初は音が良いのですが、車室内の温度の上下や湿気などで接触面が酸化して来ると、先々はその性能は維持出来ないので、そのためにハンダで囲って影響を受けない様にして、そのコンディションを長期間保つために今の手法を取っています。
ちょっと既にユーザーの方でないと分かり難いお話でしたが、メーカー製のパッケージのネットワークはクリップしてハンダ付け出来る構造ではないので、どうしても滑らかな音が出せない状況にあると言っていいでしょう。
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Posted at
2022/03/02 10:34:55