先日母が大腸の内視鏡検査を受けたが、これが大変だった。
前回の検査で痛くされたらしく、当人はすごく嫌がっていたのだが、問題はそこではなかった。
前日は検査食、当日は朝食抜き。
前日から検査のための薬や下剤を飲み当日病院に。
前回と同じく、病院で下剤を飲み、水様便になるまで観察し、その後検査となる。
グズグズして動こうとしない母を朝九時に何とか病院に連れて行った。
母は、トイレから遠い、病院スタッフや救急隊員が休憩所として使っている1畳ほどのスタッフ用の冷蔵庫があるスペースに連れて行かれた。
そこで下剤と水を10分ごとに飲むのだ。水は自販機で買ってこいと言う。
ところが認知症でグビグビと飲んでしまってインターバル無視。
下剤1本飲み終えたのだが、飲み始めて3時間経っても母曰わく大便が出ないという。
そして「オシッコが出る」とトイレに行っては下着やズボンを水分で汚してくる。
看護師はほったらかしで見に来ない。
<普通、汚れることが前提の検査着に着替え、トイレに近いところで看護師が管理しながら下剤を飲み、トイレに行くたびに便を確認するんじゃないのか? ましてや認知症の高齢者。家族がいるとはいえ家族にはろくに説明もしていない。それで放置はないだろうに>
大便は出ないというので看護師に便を確認させることもなく、ズボンが濡れているが、本人はなんでぬれているのかわからないという。
病院は放置だし、売店もないので着替えも買えない。仕方なく自宅に戻りズボンと下着をとってきた。
戻ってみると既に12時を過ぎている。
戻ってみると看護師が来ていて、おむつを出せるし失禁をしたなら言ってくれと怒られた。認知症高齢者をほったらかしておいた何を言うか。
そもそもトイレからずっと遠く、看護師の目が全くないところに高齢者を放置するなんて頭おかしい。
大便は出ないというので下剤追加。
ここで母の様子を見ながら本人に確認していて気付いた。
母は既に水様便しか出ていなくて、水だから大便だと思っていなかったらしいのだ。固形物=大便と。茶色い水だったこともあるようなことを言っていた。小便だと思っているから流してしまって便の確認もできない。
とっくに検査を始めていいのにかかわらず、無駄に下剤を飲み続けているらしい。
このことを看護師に伝えると、
「こちらで確認できないと。次に出たら見せてください」
「次はトイレに一緒に入って流さないようにして呼びに来てください」
さらに下剤で負担をかける。
次またトイレに行ったのでついて入り、水様便が出ているので看護師を呼んでくる。
看護師は見てから【確認してくる】と言って場を離れ、【固形物が少し出ているので次を見ます。下剤を飲んでください】と。
固形物が出ているといってもごくわずかで他は完全に水分のみだ。下剤の飲み方の案内によれば既にOKの状態。固形物と言っていたのは大便をするときの腸管から分泌される粘液だろう。
また下剤を飲む。
既に午後3時。最初から水様便しか出ていないのに朝9時から6時間も下剤を飲まされている。
私も何も食べていないが、この病院には売店もない。仕方なく車でコンビニへ行きサンドウィッチを飲み込んですぐに戻ってみると、母の姿がなかった。
すぐに看護師に会ったが
「離れないでください!」
と怒られた。
<無理を言うな。そもそも病院で下剤を飲めば病院が管理してくれるから安心だと思っていたからで、普段着のままトイレから離れたところに放り込まれて放置されると分かっていれば、自宅で下剤を飲んで綺麗にしてから来た。>
この間に検査をすることになったらしい。
そもそも最初からずっと水様便しか出ていないのだから、とっくに検査に入ってよかったはずだ。だから不在の間に判断を変えたのかもしれない。
母は検査室に入った途端に便意を催し水様便を立ったまま放出してしまう。
***
なんとか検査を終えて、特に痛みについて言っていなかったのでそこは問題なかったのかもしれない。
ただ、腸の中の状況について何も言ってくれなかったとのことだ。
時間が比較的短かったところを見ると、大きなポリープをとることもなかったのかも知れない。
すべて終わったのは午後5時過ぎで、本当に疲れ果ててしまった。
***
この病院は父についても母についても対応の悪さを何度も経験している。特に高齢者に対応が悪い。
手首骨折時の病院も古い病院だが、建て増しとリフォームでスペースと綺麗さを確保し、余裕がある。スタッフも丁寧で親切だった。
また、今日私がいった病院(要紹介状)も、新しくはない病院であるが、スペースに余裕がありスタッフも親切で丁寧だった。
比較すると地元の病院のレベルの低さが非常に気になる。
股関節骨折の時にあの病院には入れたくなかったのに、母が勝手に病院を指定してしまっていて、結局不便や不快な思いをたくさんすることになった。
最近経営不振から大きな医療法人に買われていて、患者対応に多少の改善はあるようだし、来年には移転してスペースに余裕ができるだろう。それを機会に少し病院としてのレベルが改善するかもしれないと期待しているが。
私の自宅がある湾岸地域なら、よい病院がいくつもあるのに、内陸は内容が悪く数も少ないので、選べない。
内陸部はすでに高齢化と人口減少で寂れていて、改善の余地が低いのだ。
どこに住むかは命に関わる問題だ。
追記:
同じ敷地内で建物も共有している人間ドックは、まるで対応も違うし設備も違う。
人間ドックは健康保険外なので病院にとって大きな収入になる。その分競争も激しいので投資が大きくなるわけだが。
オマケ:
同じタイミングで大腸内視鏡検査に来ていた中年ぐらいの男性がいたが、何回便をしても固い便のままならしい。
事前に検査食を食べていなかったのか、或いは強い便秘が続いていたのか。
結局仕切り直しになったようだ。
気の毒に。
追記:
次回の内視鏡は、紹介状を書いてもらって父・母共に入院歴のある、自宅からも実家からも近い大病院でやってもらおうと思う。病床数400床以上の地域医療支援病院なので、紹介状を必要とする。
追記:
上の追記の病院では、大腸内視鏡検査は1泊2日で行っている。普通これだから、地元の病院は日帰り検査で驚いた。下剤使用で体を汚してもシャワーを使える。地元病院では何もない。
なお、地元病院では、股関節骨折のリハビリ期間中に内視鏡検査をやると言っていたのに、何の説明もなくなしにされた。