手元にフィルムカメラが3台ある。いずれも最近入手したものだ。
元は、付属レンズ目当てでCanon PELLIXをタダ同然で手に入れた。写真一番下である。
調べてみると、このカメラはニコンに後れを取っていたキヤノンが、同社初のTTL測光(レンズ内の光を測定する方法)をとり入れただけでなく、ハーフミラーでシャッター時にブラックアウトしないという独特のしくみを試したカメラでもある。当時のフラッグシップだったらしい。
入手時は巻き上げやシャッターを切ることができたが、何度か試しているうちに引っかかるようになってしまった。
ハーフミラーは綺麗で、よく壊れているという露出計も動作する。
問題はファインダーのプリズムで、この頃のキヤノン製品の欠陥でプリズムが腐蝕している。プリズムの抑え部品が反射層に当たって腐蝕してしまうのだ。
全く使えないわけではないが、視界が一部とは言えさえぎられているのは不快だ。
これを直そうと思い調べてみると、この後発売のFTなどの機種とプリズムが同じで、さらにFTの後期型では腐蝕対策がされているため、ほとんどの個体では腐蝕が起きていないという。
そこで入手したのが写真真ん中のFTのジャンクだ。非常に売れた機種なので中古個体やジャンクも潤沢。ところが入手したものはジャンク価格ではあってもかなり状態がよく、ミラーが一度上がるとたまにおりてこない問題を抱えてはいたが、それも簡単に改善できたので、とても部品取りには使えなくなってしまった。
そこでさらに1台、レンズ付きのジャンクを手に入れた。写真一番上の個体である。これは手入れすれば使えるようにはなるだろうが、全体に汚く、ミラーに腐蝕はあるし、メカはオイルが粘度を増しているのか各部の動きが悪い。長年放置された結果不調なのは明らかなので、こちらを部品取りにすることにした。
と言いながら、PELLIXも部品取りのジャンクがある方がよいだろうともう一台ジャンクを買っていて、来週には届くだろう(どちらをベースにするか分からないが)。
そんなことなので、やたらにフィルムカメラが増え始めてしまった。
すでに付属レンズ目当てとレンズのチェック用に買ったEOS650も三台あるし(いずれもきちんと動作する)、ジャンク好きあるあるとは言え、増殖しすぎである。
***
PELLIX/FTのキットレンズであるFL 50mm F1.4もやたらに増えてしまっているが、部品取りにすることにした個体に付属してきたものはやはりレンズも状態が悪く、カビが目立つので分解清掃が必要だ。
このカメラは元の持ち主の住所名前が書かれていて、名前のテプラやハート型の女の子のイラストシールまで貼ってある。
このカメラは1966年発売で大卒新卒給与の2倍という高価なもの。30代で購入できたとしても、今存命なら90歳以上かもしれない。
おそらくは既にお亡くなりになっていて処分されたものではないかと思われる。シールは子か孫が貼ったのかもしれない。
そういう部分が見えてしまうと、なんか分解しづらくもなったりする。
Posted at 2025/06/21 18:57:07 | |
トラックバック(0) |
カメラ | 日記