サウンドピュアディオの店頭でデモンストレーションを行なっている『ピュアディオチューン』のアンプの作業を今日は行っていました。
ベースモデルの裏蓋を取ると中にはRCAケーブルをつなぐ入力段の小さい基盤と、電源とスピーカーをつなぐ出力段の大きい基盤の2枚が入っています。
まずは入力段の小さい基盤を取り出して、パーツを10箇所大きめの高級品に取り替えます。
(右がノーマルで左がチューン品です)
他の部分の安いハンダを吸い取って、高いハンダに数十ヶ所付け替えたら小さい基盤は完成です。
続いて大きい出力段の基盤も安いくすんだ色のハンダが使ってあるので、これから付け替えます。
その前に放熱板に付いている放熱グリスをふき取って、後で違う物に塗り替えて放熱効果を高めます。
スピーカーターミナルの根元のハンダがこんなに艶がなく、これでは音がカサカサするからと・・
まず一度高いハンダ挿してミックスした後に吸い取って、下地を作ります。
そこに高い導電率の高いハンダを挿し込んで、艶のある音にします。
一番右のターミナルの根元と、その横の小さい2箇所が差し替えてあります。
こちらは反対側の入力基盤から送られた信号を受ける場所で、ここも灰色にくすんでいて、音がカサカサする原因になります。
何度も高いハンダをミックスして吸い取って、高いハンダを差し込んだ後にエアーで急冷却をかけてを繰り返して基盤のあちこちに艶が出て来ます。
全体でこれだけハンダを差し替えていて、小さい基盤が2時間の大きい基盤が4時間の合計6時間ぐらいかけてチューニングして、一日1台しか作る事が出来ません。(慣れる前はもっと時間がかかっていました)
大きい基盤も10箇所パーツを高級品に替えていて、合計20個のパーツ交換と数百ヶ所のハンダ付けのやり替えで音を良くしています。
ただチューニングするだけでなく、入力基盤と出力基盤はあらかじめ当たりの良い物を選別していて、普通は上下の基盤で製造番号が同じところが、ピュアディオチューンの物はそれぞれ違っています。
ちなみに当たりの悪い基盤同士を集めていて、これは取り付け時の型取り用などで使っていて、お客様には販売しません。
裏に専用のマークを付けて販売しないように選別しています。
ただあまりに当たりの良い基盤を選別したために、売れば売るほど必要の無いサンプルが出来てしまい、当初の38000円という販売価格では割が合わなくなって来て、経理の方から選別のレベルを下げるか、それとも販売価格を上げるのか、はたまた製造をやめるのかという判断を迫られて、仕方なく7000円の値上げをする事になりました。
ベースモデルの価格からするとネット上ではぼったくりという書き込みも見られますが、もしこれと同じ性能で音色の物が市販されていれば仕入れてから販売するのが一番楽ですが、市販されているアンプでは音にクセが付いている物ばかりで、いわゆるプロ機と呼ばれている100Vのアンプの音に近い12Vの製品が現行では無いためにチューンして販売しています。
また好きで安いアンプからチューニングして性能を上げている訳ではなく、高性能アンプはパワーが大きくて電気を食って、今の充電制御で電源が絞られている車には合わないので、あえて安くてパワーの低いアンプに大幅に手を入れて音を良くしないといけないのです。
でもこのアンプを設計した人は、本当はピュアディオチューンの状態で試作品を作っていて、後から早いスピードで大量に作るとか、販売価格を2万円以下に下げるとか無理な条件を付けられて、カサカサした音が大きくなるだけみたいな製品になってガッカリしていたのではないかと思われます。
素性が良くないといくらチューンしても素直な音にならず、これならもっと良いパーツを使って時間をかけて、昔みたいに45000円とか5万円で販売すれば自分も手間をかけなくていいのに、と思いながら一日を過ごしていました。
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Posted at
2016/05/20 15:50:35