今日ご紹介する1台は、先日の宇部店の作業からトヨタの現行プリウスです。
トヨタ純正の9インチのディーラーオプションナビを装着した状態で入庫となって、ベーシックパッケージの取り付けと、ベーシック防振の施工のWパッケージの作業を行いました。
9インチのオプションナビは当社のデモカーのプリウスと全く同じ物で、事前に試聴の予約をされて、音を聴かれてからそのまま入庫される事になりました。
まずは9インチナビを一度取り外し、裏から直接音信号を取り出します。
ここを分解するのにトヨタ純正の盗難防止用のロック解除のソケットが必要で、自宅から専用のソケットを持って来て頂いて、インパネから取り外しました。
取り出した音信号はグローブボックス下に送り、50系プリウス専用のピュアコンで周波数レンジとインピーダンスを調整してスピーカーに送ります。
ケーブルの長さは車種ごとの手順書に書いてあるので、必要な長さをあらかじめ切って、24金メッキの端子を取り付けて用意しておきます。
このピュアディオブランドのPSTケーブルの質や太さは他のトレードインスピーカーに比べて明らかにコストがかかっていて、良い音を再生する重要なポイントです。
PSTケーブルは純正配線に送る部分と、ダッシュ上のツイーター用に分けられて、ピラーの根元までツイーター用の物を持って来ました。
ピュアディオブランドのATX-25ツイーターを取り付けて、ピラーを組み付けたらダッシュの作業は完了です。
ダッシュ部分ではノーマルでは中高音を一緒に鳴らすスコーカーが付いていますが、ベーシックパッケージではここを中音のみの再生にして、デリケートな高音はガラスの反射もグリルのひかかりも無くなり、ビシッと音の輪郭を決めます。
純正スコーカーの上限周波数を決めるのはピュアコン側で行ないますが、加減の周波数を決めているのはここのフィルターです。
ベーシックパッケージでは下限を決めるフィルターは別な物を取り付けて、中音域の質を上げています。
(パーツの数値と接続方法は画像処理で見えなくしています)
今回はドアにベーシック防振の施工を行なうので内張りを外して、更にインナーパネルを外して何も貼ってない外板裏に防振メタルと防振マットを貼り合せて余分な響きを抑えます。
ドアスピーカーの音が締まり、外からのロードノイズが入り難くなります。
この部分には工場でマットが貼ってありますが、本当はコストの関係で貼りたくないのでしょうが、あまりにひどくて貼っているという感じです。
この周りも防振メタルと防振マットを貼って、ドア全体の響きが静まりました。
ドアの内張りを組み付けたら全ての作業は完了です。
テスト用CDでスピーカーを慣らして、イコライザー調整を行います。
当社のデモカーのプリウスは発売後直ぐに購入しているので、どこかオプションのナビオーディオの音が後からのモデルの方が少し良くなっている様に聴こえました。
そのためイコライジングも微妙に変えてセッティングしています。
仕上がりの音にお客様はとても満足して頂いて、「ディーラーオプションのナビでデモカーを作っておられるので助かった。」と言われていました。
またドア防振も実際に宇部店⇒福岡店間を移動しての体験を元に開発しているので、デモカーの持っていない店とはノウハウが違い、運転して不満を持った上での開発なので、ツボを押さえています。
2000年に「将来的にナビやデッキが1台も売れなくても経営に問題ないビジネススタイルを目指す。」とベーシックパッケージの開発にかかって、2001年に発売したものの不人気で、2006年に一度マイナーチェンジを行っていて、発売から15年でやっと当初の目標を達成しました。
スタート時のモニタースピーカーの音を基準から、2006年に『生声や生演奏を基準』に変えた時が運命の分岐点で、マイナーチェンジからちょうど10年で完全なヒット商品になりました。
よく考えたら2006年にもう一つ『デモカーを何台も買って実車でテスト』という今の方式を打ち出した年でもあるので、実質的にベーシックパッケージの仕切り直しのスタートから10周年という事になりますね。
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Posted at
2016/10/17 13:32:26