サウンドピュアディオの高級スピーカーケーブルのPMBシリーズは発売から18年が経過して、車の買い替え時やシステムの変更時にケーブルの末端の焼き直しを行って、音をリフレッシュされる方が増えています。
需要の増加に合わせて焼き入れの機械も容量が倍の物に買い替えて、370度に炉の温度を設定して絶縁してあるエナメルを焼き落とします。
常温のハンダの塊が200度になった時に徐々に溶け始めて、内側から光るハンダが湧き出て来て、まるで映画ターミネーターの中のシーンの様です。
1時間かけて370に達した炉は表面がザラザラした濁った成分が出て来ているので・・
表面をすくい取って綺麗な部分を表に出します。
そして古い末端を切り取って、エナメルで絶縁してある新しい部分を出して漬け込みます。
短時間でジリジリと焼き入れして、焼きが足らないと中の方にエナメルが残って導通が減り、焼き時間が長いと外側の銅線が溶けて来て本数が減り、これまた導通部分が減るので、かなりの短時間でより良い焼き入れが必要で、刀鍛冶の焼の絶妙なタイミングみたいな技が必要です。
炉がこれまでの倍のハンダ量が入るので、左半分でプラス側を漬け込んで表面を綺麗にして、次に右側でマイナス側を漬け込んでを繰り返して、温度が下がらない様にして作業を行っています。
ハンダ槽のハンダは銀入りではないので、右手で大きく下に振って中のハンダを出して・・
次に365度で銀入りハンダをハンダロールからモーターで送り出して大量に末端に送り込み、それを更にもう一回振って漬け込みハンダと銀入りハンダがミックスされものを絞りだし、それで下地を作ってから端子を取付けて、最後に銀入りハンダを差し込みます。
末端1か所だけでも漬け込みハンダ⇒湯切りならぬハンダ切り⇒銀入りでミックスハンダ⇒ハンダ切り⇒末端付け⇒銀入りハンダ差し込みの工程があり、特にハンダ切では野球のピッチャーの様に力を込めて振っています。
2年半ぐらい前にSKY-3のケーブルの販売を始めた時に、これまで従業員の中のハンダマイスターに作業を任せていたところから、自分が全ての工程を行い、寸分の狂いも無い完璧な作業で新製品の発売を行ったところSKY-3のケーブルは大人気となって、「これまでのPMBケーブルも社長に焼き直して欲しい!」という希望が殺到して、現在自分の机の後ろにこれだけの焼き直し希望のケーブルが集まって来ています。
普通1台でツイーター用2本、ミッド用2本で、アンプピュアコン間が2本で合計6本で、1本に4か所の末端で24カ所で2回ハンダ切で腕を大きく振ると1台あたり48回振った事になり、1日2台分がマックスとして96回腕を振っている事になります。
焼き直したケーブルの音を聴かれると皆さん感動されますが、人を感動させるにはそれ相当の努力が必要です!
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Posted at
2019/11/01 09:08:28