今日ご紹介する1台は、現在の宇部店の作業から、日産のキックスeパワーです。
新型車のためにドア防振調査と、ベーシックパッケージのマッチングの調査をしながら作業を進めて行きました。
まずドアの内張を外すと、フロントには防水シートに静粛性高めるためのゴムが貼ってありました。
スピーカーはエクストレイルやセレナと同じ様な日産純正の16センチスピーカーが付いていて、これまでベーシックで実績のあるスピーカーですから、そのまま使用する事にしました。
次に防水シートを剥がして、外板裏の響きを調べて、防振マットと防振メタルの貼り位置を探ります。
リアも同じ様に貼り位置を探り、リアドアは防水シートにゴムは貼ってありませんでした。
キッツクスeパワーの外板裏には既に工場装着の防振マットが貼ってあって、その特殊な形も振動減衰に意味があるのでしょう。
その防振マットが貼ってない部分に、響きの種類に合わせて防振マットと防振メタルを貼り合わせて行きます。
次に純正のナビオーディオからスピーカー出力をグローブボックス下までひいて行って、借り当てでエクストレイル用のピュアコンを取り付けて、それで一度音を鳴らしてマッチングを探る事にしました。
ピラー根元の純正ツイーターは鳴らない様にして、ダッシュ上にスタンドを使って、ピュアディオブランドのATX-25ツイーターを取り付けて、純正よりも存在感があって艶のある音を再生させます。
全ての結線が出来て音が鳴る様になったら、ピュアコンのパーツの値を少しづつ変えて、音が整ってきたところで日産純正ナビのイコライザー調整を行いました。
中身はパナソニック製で、調整画面で音がいいと感じても、一度ユーザー登録した後に再生画面に戻って、そこで音を確認した後に調整画面の時と差があったらまたイコライザー調整してを繰り返して、生音・生声に最も近いパターンを探しました。
一度ベーシックパッケージプラスベーシック防振で完成して、音を聴いた後にお客様に電話を差し上げて、内張のプラスチックがポコポコ鳴っているという事を電話越しにお伝えして、追加でセメントコーティングの施工をさせて頂く事になりました。
キックスeパワーはノートeパワーに比べるとかなり静かに出来ているのですが、中音域のノイズがかなり取れているのに対して、物凄く高い周波数や低い周波数のロードノイズやこもり音が気になり、このセメントコーティングを加える事で、そのネガティブな部分が改善出来て、オーディオの音以外に車の静粛性が上がり、ドアの開け閉めでも高級感がかなり増しました。
全車オーディオレスで全車eパワーという思い切ったモデル構成のために、カーオーディオファンの方には気になる1台の様ですが、最初の1台の開発が終わり、かなり良い結果が出せた事をご報告いたします。
またキックスeパワーのお客様にはパッケージ開発のために長期間お車を預けて頂きまして、大変感謝しております。
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