今日ご紹介する1台は、現在の福岡店の完成車から、ポルシェの911TのBOSEサウンド車です。
ドアのウーファーとスコーカーのBOSEユニットは取り外して、スコーカー部はJBLのGX302と、ウーファー部はJBLのスタジアムGTO600Cのミッドバスに交換しました。
今回のポルシェで苦労したポイントは2か所で、まずはドアのスピーカーの移置とグリルの形状とスコーカー部分の容量の少なさで、スコーカー部分でもかなり上の周波数まで再生しないと減衰が起こるため、通常はカットするGX302のツイーターを繋いで鳴らしていました。
ウーファーは20センチから16・5センチに少なくしても十分に低音は出ていて、ここは心配はありませんでした。
もう一つの問題点はこのボーズシステムは音の広がりを作るために意図的にスピーカーの位相があちこちと変えてあって、例えば李スピーカーの片方が前に出て後ろに引っ込んでという動きをするのに対して、もう一方は奥に引っ込んで出てを繰り返すという逆の動きをして、これではピュアディオの目指している本来の音楽とが違う造作した音になってしまいます。
そこで測定器で位相の判定を行って、逆走に振っているスピーカーを見つけて、それを全てアンプの出力で正相に変えて、全てのスピーカーが同時に前に出るというタイミングに合わせました。
話がちょっと逸れますが、以前テレビのCMでスピーカーのコーンが動くシーンがあって、正相だとスピーカーの中心から前に出て引っ込んで後ろに下がるでは映像にインパクトが無いので、逆走にして、一度後ろに下がってからフルストロークで前に出た方がインパクトがあるという設定の画像が流れていて、あれを見る度に「逆相で始まっているから違和感がある!」といつも思っていました。
ただ一部のマツダ車のボーズサウンド車は全て正相にしたから音が良くなるとはならない車もあるので、そこはその時々で最も生音に近くなる位相を選ばないといけません。
そしてノーマル時ではレベルが高すぎて違和感があった時計の後ろのセンタースピーカーは、アッテネーター回路を入れてレベルを適正化して、両サイドに取り付けたJU60ツイーターで超上質な高音を再生さています。
グローブボックスの下にはMDF板を敷いて、その上にブラックボックス4連のピュアコンを取り付けて、ツイーターとスコーカーの音域とレベルとインピーダンスを調整します。
あれこれとユニットを替えて調整を行って、やはり気になるのはスコーカーの音です。
スコーカーの上限周波数を決めるコイルの値が絶妙で、赤いラベルの少しクリーム色がかったボビンのコイルは工場で機械巻したコイルを徐々にほどいてインダクタンスを合わせた物で、一定以上巻きが少なくなるとピンクのラベルで白いボビンで何も無い空のボビンから一から手作業で巻いた物になります。
実際には自分が手作業で巻いたコイルの方が少し音が良くて、ポルシェで使う値は通常は機械巻を使うやや巻き数の多い物でしたが・・
一から手作業で巻いた物にすればどうなるか、その場で巻き上げてみました。
欲しい値は21・30で、じわじわ巻いて行って、21・30ピッタリに合わせました。
測定機にマイナス30と貼ってあるのは、実際にはリード部分の誤差もあるので、-30の部分が誤差部分で、そこも含めて正確に測定してコイルを作っています。
最後に純正オーディオのサウンド設定を行って本体の微調整を行って、ポルシェ911Tのボースサウンドシステムはフロント3WAY部分をJBLユニットに交換して、位相操作していないダイレクトな生音・生声に近いシステムに変身しました。
高級スポーツカーの高性能なエンジンや足回りに対して、オーディオの音が耳の錯覚を使う様ではせっかくの素晴らしい車のイメージと合わずに満足されなかったお客様も、ストレートに音を表現するシステムの変更に満足される事でしょう。
この車の音が決まったら、自分は直ぐに宇部店に向けて移動を開始しました。
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