前にも一度書いた事がありますが、本屋さんに行くと無線と実験という本があって、無線と書いてあるのにホームオーディオの話しか出てこない不思議な本です。
もう創刊から97年が経って、当時のトレンドがラジオの受信が主だからラジオ=無線から取った名前でしょうが、自分が小学生だった1970年代で既に無線の話は全く載っていなくて、まだ当時はFMラジオのエアチェックが盛んだったので、多少その手の記事がありましたが、今はそれも見受けられません。
そんな本のタイトルみたいな無線の実験を自分は毎週土曜日の夜に行っていて、運営している仲間数人と、その時間に決められた周波数に参加する人数十人とで約40分間の電波の飛びがどうかという実験を行っています。
アンテナはこれまで5種類の物を換えて使って、今は無指向性の第一電波製の物に落ち着いていて・・
ケーブルはこれまで5種類を使ったけれど、2種類がロスが多いので使わなくなって、現在この3種類からその時に天候に合わせて選んでいます。
もちろん一番太いのがロスは少ないのですが取り回しが大変で、雨の日は水が流れ込んで来そうなので、晴れの日にしかこれは使えません。
無線機はディスプレイと本体が離れるアルインコ製のセパレート機を一時期使っていたのですが、これなら本体が社外にあって太いケーブルの引き込みが不要ですが、電波がよく飛ぶ割に受信感度が悪いと不評で、2週間前から使うのをやめました。
そして一番受信感度の良い八重洲の一体機を使ったら、これは受信感度が良過ぎて竜王山の電波塔の影響を受けているのか、こちらから届くのに相手の声が聞こえないという事がしばしば起きました。
電波塔から出ている電波が約90メガで、その2倍・3倍・4倍のオーディオで言うところの倍音成分みたいな電波が僅かに出ていて、目的の電波以外を受けない様にフィルターを入れる事にしました。
右側を通して200メガ以上しか受けない様にして、90メガと倍の180メガは受けない様にしたのですが、残念ながら効果が無くて、3倍の270メガや4倍の360メガは通過してしまい、入れていると僅かにロスが出るので外しました。
無線機はアルインコのハンディータイプの5W機が一番抑圧の影響を受けないのか良く受かる気がして、これを使っている時が一番スムーズだった気がするのですが、問題は本体が小さくて5Wを出すと熱がこもりやすく、40分の連続使用の後半ではかなり熱くなって、こんな使い方をしていると最後には中のパーツの一部が炭化する様な気がして、怖くて使えないので、もう1台用意して、途中で換えて使う事にしました。
こんな実験を毎週してどんなメリットがあるのか?と思われている方もあるかも知れませんが、オーディオと無線の周波数は1000倍の違いがあるだけで、インピーダンスはたった10倍しか差がありません。
不思議とこんな実験をしているとオーディオの音を良くする知恵が増えて来て、お客様は「ここ2年ぐらいで急激に音が良くなって来た。」と言われる方も沢山おられます。
無線の実験をしていたら福岡県で以前音響メーカーで働いていたという方と知り合いになって、普通のオーディオかと思ったら世界的なプロ用の音響メーカーに勤めておられた方で、プロ用部門の開発者のほとんどがアマチュア無線の1級の免許を持っていて、曜日と時間を決めて世界じゅうの支社の人で交信をしていたという話を聞きました。
一般的なオーディオはインピーダンスの僅かな変化をあまり重視されていないし、どこかの周波数がおかしかったらその何倍か何分の1から影響を受けている所を見ようとしないし、実際よりも音色が濃くなったり音に勢いの付くアクセサリーを良いものとされたり、深みにはまると逆に自分が目指すプロ用の音響機器と違う方向に行ってしまいます。
そうすると知らず知らずのうちにインピーダンスや逓倍の経験が出来る無線の実験に行ってしまい、でもオーディオとはどこかで繋がっているというのを実感したお話でした。
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Posted at
2022/03/01 10:44:24