戦争とカーオーディオって全く関係ない様に思えますが、実はカーオーディオ業界はかなり戦争の影響を受けやすい業界です。
自分が最初にそれを感じたのが中東戦争の頃で、90年代にボッシュのバッテリーやB&Wのスピーカーがなかなか届かない事があって、「なぜ戦争が起こると物が届かなくなるの?」と不思議に思っていましたが、輸入の海路が戦争とは関係ない安全な海路で運送するから届くのに時間がかかっていたのでした。
当時はB&Wはカー用のセパレートユニットを作っていて、世代でいうと今よりも3世代前のクセの少ないホーム用スピーカーを作っていたので、空輸を使って短時間で輸入して、コストが上がっても船便よりもユニットのコンディションが良いと分かって、当時はそれをアピールの1つにしていました。
そんな中東戦争が終わると、今度はカーオーディオで音圧ブームが起こって、中東戦争で使うミサイルの誘導装置の電圧をアップするユニットが予定よりも戦争が早く終息したために大量に余って、それをカーオーディオのアンプ用に使って安いパワーアンプを大量に作ってにわかメーカーが生まれて、日本で安いのにパワーが出るという事で仕入れる業者が多くて、90年代の音圧ブームとなり、カーオーディオ業界全体で品の良いお客さんが離れて行ったというデメリットがありました。
次に2001年の9月11日の同時多発テロの後では、反撃するための誘導装置が必要となって、音圧用の安いアンプどころでは無くなって、代わりに高いハンダやコンデンサが一気に無くなって、9月12日の午前中に日本中の高いハンダとコンデンサーを買い占めて、ピュアコンの製作には問題がありませんでした。
それからピュアディオでは半年ぐらい材料が止まっても問題が無いぐらいのパーツのストックを持つ様にして、特に戦争によるあたふたする事も起こらなかったので、平和な毎日を過ごしていました。
ところが今回のロシアのウクライナへの侵攻は、カーオーディオ業界どころか自動車業界まで大きな打撃を受けている現状があります。
まず半導体不足で車やナビが作れなくて仕事が無いというお店が増えていて、サウンドピュアディオでもお客様から受注を頂いてもいつ車が届くかわからないという事があります。
それでもナビが売れなくても経営に問題ない体質を作るという2000年に立てた方針のおかげで、比較的安定した経営状態です。
なぜウクライナに攻撃があると半導体や車が作れなくなるかというと、半導体を作るための特殊なガスが、ウクライナで世界需要の50%ぐらいを作っていて、さらに自動車内に張り巡らされているハーネス部分をかなりのメーカーがウクライナの生産に頼っていて、その2つで自動車業界は車が作れなくなり、納期がいつになるか分からないという状況になっているそうです。
でもカーオーディオ業界ではウクライナとは別な部分でも影響が出ています。
それはロシアのウクライナ侵攻前に、ロシアから日本にカーオーディオ用の防振剤やプロセッサー・アンプなどが輸入されていて、戦争が始まる前に新製品の発表会が予定されていたという事がありました。
自分はどんな物か見てみたいと予約を入れていましたが、後にキャンセルしました。
他のお店はどうしているのだろう?と、新製品発表会に行ったであろうお店のブログを読んでみたら・・
あっ、ロシア製という事を隠して書かれていました。
いやー、自分はロシア製と隠して売るなんて出来ないし、今ロシア製の製品を店頭に並べる勇気もありません。
サウンドピュアディオは文化レベルの高いお客様が多いので、それをしてしまえばこれまでえ築いた関係が崩れてしまうので、絶対に出来ない事です。
業界のために隠して販売してあげるというのも違う方向から見れば正しい事かも知れませんが、輸入業者を助けてあげられない自分は考えが間違っているのでしょうか?
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Posted at
2022/03/22 10:53:42