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イイね!
2022年03月27日

新・お客様の質問にお答えして 第19話


新シリーズになったお客様の質問にお答えしても19話となりました。

これまで旧シリーズを新しい読者の方に分かりやすく解説したり、純正オーディオが旧シリーズの時よりも変わって来ているので、違う目線で解説したりとして来ましたが、今回は旧シリーズでも詳しくは解説していなかったインピーダンスとは何? インピーダンスを良くするとどうなるの? 何故他にお店はインピーダンスにこだわらないの? といった数々の質問にまとめてお答えしたいと思います。


スピーカーは純正・後付けに関わらずインピーダンスという抵抗値が存在していて、表からは見ても分かりません。

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同じ見た目でも中のボイスコイルの違いで4Ωと2Ωがあったりして、逆に6Ω・8Ωと高い物もあります。

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一般的にカーオーディオのアフターの製品は4Ωで設計されていて、2Ωの車に4Ωのスピーカーを取り付ければ流れる電流が半分になり、出力される音が小さくなります。

逆に2Ωのスピーカーに4Ω対応のデッキを取り付ければ倍の電流が流れて、アンプ部が発熱して故障の原因になります。


ただここではそんな故障につながる大きなインピーダンスの差ではなくて、2Ωとか4Ωと表記してあっても周波数によって上下していて、スピーカーも持っている音域の中でインピーダンスが低い所では電流が多めに流れるので音がキレが良いが冷たく聴こえるとか、この周波数はインピーダンスが高めのために音色が重く暗いとか、イコライザーを使ってレベルの上下を行っても改善出来ない音色の違いを制御するためにピュアコンのパーツをあれこれと変えて、周波数レンジの幅とレベルの強さ以外にインピーダンスをコントロールして音の調整を行っています。

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これはどんな多バンドのイコライザーを使っても調整出来ない部分なのと、意外とここの部分を何とかしようというお店が無いので驚いているところです。



ピュアディオが使っている測定機にLCRメーターという物があって、Lはコイルの値、Cはコンデンサの静電容量、Rは抵抗で直流抵抗のRと交流抵抗のインピーダンスのZも測れます。

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ただよほど高い機械でないと120ヘルツと1キロヘルツの2カ所しか図れず・・


高い機械になると連続可変で多くの周波数に対応出来ます。

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これは自分の机の前で、LCR計でも使うパーツであらかじめ測定項目を決めていて、下からコイル専用・コンデンサ専用・直流抵抗専用の3機があります。

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直流抵抗用でも電池式のポータブルで精度の高い物もあり、これはアンプの取付の時にアースの落ち方の度合いを測るための測定器で、かなりの値段がしますが、良い音を再生するには精度の高い測定器が必要となります。

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こちらは社員用の測定器で、下がコンデンサ専用の4桁表記のピュアコンに対応した物で、上はコイルの3桁表記に対応した物で、決められた測定項目があらかじめ設定してあって、LCRZの4つの物が測定出来ても、あれこれ変えてズレが出るといけないので1つのパーツしか測定しない様にしています。

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もう1台LCRメーターでもインピーダンスが連続可変出来る物がありますが、こちらは常に持ち出せる様にしてあって、車両に持って行ってインピーダンスを測っています。

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おそらく日本でここまでの精度の高い測定を行っているのはサウンドピュアディオの宇部店と福岡店だけで、そもそも業界自体がインピーダンスの細かい変化に注視していないと思います。



どんなに正確に測定しても、棚にドッサリのコイルの数々を交換してインピーダンスを変えて、それによって微妙な音色を変えて行かないと測定しても意味がありません。

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そんな他店がこだわっていないインピーダンスに何故自分がこんなにこだわっているかというと、それは自分が中学生の時に遡ります。


小学校6年生の夏休みに母方の祖父のいとこの家に預けられて、萩の通称電波学校と呼ばれていた所に講習を受けに行って、4級のアマチュア無線技士の免許を筆記式の試験に合格して取る事が出来ました。

ここで筆記式と書いたのは、その後四者択一式に変わって合格率が高くなり、その前の四角の中に答えを記入する方法だと、かなり難しい理論を理解していないと合格出来なかったからです。

ただその事で自分が調子に乗って普通の勉強をしなくなったの親は怒って無線機を買ってくれず、それが中学1年生の時に上級生が何人か免許を取って開局したので、何んとか無線機を買ってもらう事が出来ました。

2年生の時に無線をやっている生徒で学校の文化祭で公開実験をしようという話になって、自分が年下だったのでアンテナを提供して、他の上級生が無線機を持って来て実験をしました。


ただ家に無線機があるものの、アンテナが無ければ電波は飛ばず、そこで銅線と同軸ケーブルを買って来て、自作でアンテナを作って電波を飛ばす事にしました。

しかし同軸ケーブルが無線用の50Ωの5Ⅾー2Vは当時1メートルが180円していて、15メートル必要だと2700円で中学生の小遣いではキツイ金額です。

そこをテレビ用の75Ωの5Cー2Vは1メートルは65円と安く、これを15メートル買って、50Ωの無線機に繋いで、アンテナ側をインピーダンスを低くして、合成して無線機の後ろで50Ωに近くして使うという節約技を使いました。

そんなアンテナでも北九州市の八幡西区まで電波が飛んで、当時中学3年生だった人と交信して、昨年その人と何十年ぶりかに交信して、「あなたが中学二年生の時に自作のアンテナで電波を出しているのと交信をした。」と思い出して、「これって今の原点かも?」と気付きました。


まあお金が無いから50Ωのケーブルが買えずに75Ωで代用したと言っても、実際にはなかなかマッチングが取れずに苦労して、しかもインピーダンス計が無線機1台と同じ値段で、当時はとても買える物ではなくて、1万円ぐらいの電波の出力とマッチングしなくて電波がどれぐらい無駄になっているか図る測定器で、インピーダンスが見えないけれど効率が上がって電波の飛びが良くなったからこれでインピーダンスが合っているのかも?みたいな、感でインピーダンスの上限を判断する力が付いてしまいました。

その後高校に進学してからアルバイトが出来る様になったので、インピーダンスが50Ωのケーブルを買ってそれでアンテナとケーブルと無線機のインピーダンスをピタッと合わせるという事が出来る様になって、でも中学生の時のインピーダンスが合わない物を勘で合わせるという、今のピュアコンのパーツをあれこれ変えてインピーダンスの整合性を取るという基礎が出来たのだと最近気が付きました。

中学生の時のインピーダンス計がなくてインピーダンスを合わせるのは、おそらくインピーダンスが合わないと出力計が落ちてきて、最終段のパワートランジスタの発熱が多くなって来て、無駄になるパワーのメーターが多く振れるなどの根拠はありました。

中学3年生の時には145メガの50Ωのアンテナを2本を並列に接続して、75Ωのケーブルを一定の長さで使って、途中で繋ぐと50Ωでマッチングするという実験をしていて、75Ωと50Ωを合成して最終的に50Ωに合わせるというテクニックを完全に自分の物にしていました。


カーオーディオだとインピーダンスはカタログに書いてある値を信じて、細かく周波数で上下する事は注視されておらず、トータルで整合性が合うと内蔵アンプの少ないパワーでも効率が高く、合っていないと高価なアンプを付けても無駄になるという、シンプルなシステムで良い音と必要な体感音圧が得られるという今のピュアコンの根源になっています。


ただ無線の場合は51メガとか145メガに合っていればいいのが、オーディオでは20ヘルツから20000ヘルツの間の10カ所20カ所と合わせる個所が多く、1つの周波数を合わせるノウハウの無い人に広範囲のインピーダンスを細かく合わせる事は無理で、結局インピーダンスとい部分に目をつむっているのでしょう。


中学生の時はインピーダンスを50Ωに近い値に合わせるという単純な実験でしたが、高校生になると複雑な構造のアンテナに波長を同調させるという難しい技に調整しましたが、なぜそんな実験をしていたかというお話は、次の機会に書き込みたいと思います。

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Posted at 2022/03/27 11:07:56

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