当店が開業して40周年を迎えたのを記念したこのシリーズは7話目を迎えました。
これまでカーオーディオ専門店をオープンさせるまでの12年間の前振りをお届けして来ましたが、今回はやっとオープンを迎えた1982年の10月のお話をしたいと思います。
1980年10月10日に宇部市西本町のこの場所に事務所を構えて、カーオーディオの出張取付や無線の関係の工事などを請ける自営業を始めて1年半が過ぎたぐらいに、ディーラーや中古車店やタイヤショップなどで出張取付を行っていたら、そのうち「あの人の所に直接頼もう。」という若者の口コミが増えて来て、ここの事務所に直接カーオーディオの依頼をする人が増えて来たという所で前回のお話は終わりました。
ただ週末にこの裏通りに若者の車が多く路上駐車で集まる事が問題になって来て、最後の方では路駐が原因で交通事故が2件も起こって、もうここでは営業出来ない状態になってしまいました。
そのため次の店舗を探すために一時期休業していたのが、1982年の8月ぐらいからで、原付に乗って宇部市の西の方の空き店舗を隅から隅まで探していました。
休業している時も西本町の辺りで生活していて、その時にある会社の社長さんと出会って、将来を変える様なアドバイスを頂きました。
その社長さんは従業員が5・6人の小さな会社を経営しているのに乗っている車はBMWの7シリーズで、自分は「何でこんな小さな会社の経営者なのにこんな高級車が乗れるんだろう?」と不思議に思っていました。
そのうちに近くを散歩している時に少し挨拶をする様になって、最後には洗車をしてあげるというよりも、こんな高級車が洗車出来るなんてと、ありがたく洗車させて頂くという、高級車に触れているといつかは自分も幸運に恵まれてこういう車に乗れるんではないかという気持ちで洗車を2回程させて頂きました。
そのたった2回の洗車がその後の自分の運命を大きく変えるとは、22歳の自分には想像も出来ませんでしたが、自分は事務所を閉めて無職で、とにかく成功者の話を聞きたいという一心で洗車をしながらその方の話を聞いていました。
その話の内容は「君は自分の様な小さな会社の社長が7シリーズを乗っているのが不思議だと思っているね?」と聞かれて、自分は正直に「はい。」と答えました。
その方は「君も将来こんな車に乗りたいと思うかね?」と聞かれたので、「自分は乗れるのならポルシェのFR車に乗りたいと思っています。」と、正直に答えました。
すると「なかなか君は正直でいいね。」みたいなたわいもない話をしながら洗車をしていて、どうしてその方が小さな会社しか経営していないのに高級車が乗れるかという秘訣を話して下さいました。
その方の言われるには人が自分で動いてお金を稼ぐのには限界があるから、不動産を主有して不動産に稼がせれば小さな会社の社長でも1000万円以上の高級車が乗れる(当時の1000万円は今の貨幣価値で2000万円)という話で、「本当にFRのポルシェに乗りたいのなら次の事を守りなさい!」と言われて、まず絶対に中古車に手を出さない、次に400万・500万円の車が買えても絶対に買わない、とにかく不動産投資を行ってその成果が出るまで絶対に贅沢はしない、という話でした。
他には潰れて縁起の悪い不動産をその後で成功させて縁起のいい不動産にすると儲けの率は高いがそれなりの努力が必要である、というアドバイスを2回洗車している時に聞いて、その後自分の人生はその方から聞いた話をそのまま実行した事で今の車が乗れているのは間違いない事で、この話から16年後に自分はポルシェ911のRR車を買っていて、その前までは1500CCのFF車にのっている事が多く、ポルシェの直前はカローラの4ナンバーのバンに乗っていたので、「欲しい車が買えるまで絶対に贅沢はするな!」というその方の言葉はづっと守り続けていました。
ちなみに欲しかったポルシェは928のFR車だっのですが、買える様になった時は928は無くなっていて、それでRRの911を買ったのですが、後にFRのパナメーラを買ったので、それで目標は達成出来たという事でしょう。
後に恩師が乗っておられたBMWの7シリーズも何年か乗っていましたが、1982年に「自分が7シリーズが買える様になったら自分で洗車します。」と22歳の若造の自分は話していて、実際に7シリーズが買える様になったら忙しくて、持っている数年間で一度も自分で洗車した事は無いので、自分の話を聞きながら笑っておられた恩師は、心の中で「君も自分と同じ様な立場になったら分かるよ。」と思われていた事でしょう。
そして無職になっていた8月ぐらいから原付で宇部の西の方で店舗を探していて、なかなかいい物件が見つからずにいて、ある日国道190号から宇部駅に向かう県道沿いに使っていない店舗があって、そこにテナント募集の看板が出ていなかったので、そこの近所の人に聞いてみたら、たまたまその店舗の大家さんだったので、話がスムーズに進みました。
そこは現在は美容院になっていて、建物は当時よりも小さくなってその分駐車場が増えていましたが、当時は横に1・4倍ぐらい大きい2階建てのテナントがありました。
「なぜここは空いているのに貸しの看板が出ていないのですか?」と大家さんに聞いたら、「ここの人は夜逃げして中がそのままになっていて手が付けられない。」、「中に手を付けて債権者でも来られて揉めたら嫌だからそのままにしている。」という事でした。
これが自分の縁起の悪い不動産物件を縁起を良くするの第一歩となって、「この中のテナントをスケルトンかする作業を自分がやるのでその分安くして下さい。」という条件でそこを借りる事になりました。
もちろん作業をしている途中に債権者がやって来ることもあって、「隣に大家さんがおられるので、そちらで話して下さい。」と言って、自分がいてじわじわ作業をしている事で他の人にもメリットはありました。
そしてお店の改装も終盤にかかって、よいよカーオーディオ専門店を10月10日にオープンさせる事になって、困った事がありました。
改装費や入居費は安く上がったものの、商品を沢山並べる資金が無くて、「どうしたものか?」と頭を抱えていたら、以前業務用無線のアンテナの工事をした車のスクラップ業者の社長から、「程度のいいパルサーのスクラップがあるから飾りにいらないか?」と聞かれて、ピカピカの新車同様だけれど、前が潰れてエンジンもステアリングも完全にダメな車を安価で譲り受けて、ボンネットを溶接で切り取って壁に付ければ、それで店内デモカーが完成して、プラス若干の商品を並べて何とかカーオーディオ専門店の型になりました。
今のこの場所よりも横に1・4倍あっても、やはり車がドーンと入っているとそれなりに狭くなり、「名前を何にしようか?」と考えた時に、狭い空間にオーディオ製品が詰まっている(店内デモカーで少ない商品が多く見えたのだが)という事で、『カーオーディオ専門店オーディオボックス』が誕生しました。
当初の予定では年末までに2022年まで行くと思っていたのですが、開業までのビフォアー編が意外と長くかかって、やっとオープンまでたどり着きましたが、オープン当時の写真が全く残っていなかったので、現在の開業の地の写真を使わせて頂きました。
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Posted at
2022/12/22 10:17:04