2019年の9月に最初の『お客様の質問にお答えして』のシリーズが18話で終わって、次に1年半ほど間が開いて『新・お客様の質問にお答えして』の新シリーズに代わって、こちらは55話までのロングセラーになりましたが、今回『続・お客様の質問にお答えして』と、3代目のシリーズへとチェンジさせて頂きます。
初期の時はまだ宇部店と福岡店以外の店も存在していて、新となった時には2店で全ての完成車両は全て井川が音調整しているという条件の元、新シリーズとなりました。
今回またシリーズを変えるに当たって2つの変化があり、その一つが車のオーディオがあまりに変化して来て、これまでのオーディオレスをべースにしたシステムと、純正オーディオをべースにしたシステムという2ジャンルから、純正オーディオをベースにしながらもライトな加工で音楽を楽しむ派と、ガッツリ加工してオーディオレス並みの音が出せないかという加工波と、更に以前からのお車や商品をメンテナンスしながら大事に使い続けるという、4つのジャンルにお客様の指向が分かれて来ていて、第55話を書き終えた後から「これはシリーズを新しくしないといけない。」と思い新シリーズをスタートさせる事になりました。
今年になって多いのは、「新しく車を買いたいが、欲しい車にオーディオレスが無いからそのまま乗り続ける事にした。」という話や、「注文していた車が納車出来ないとディーラーからキャンセルして来たのでそのまま乗る事にした。」という話が多く聞かれる様になって、ディーラーから逆キャンセルの場合はいくらか包んで来られたらしく、それにプラスしてシステムをいじりたいという話も多く聞かれました。
そんなカーオーディオも激動の中、ジャンルが2つから4つと分かれて来た事もあり『続・お客様の質問にお答えして』を本日スタートさせて頂きます。
その第一回目は旧シリーズで多くの方から聞かれていながらお答えしていなかった、「ピュアコンの値が少々ズレていてもいいから旧グループ店をそのまま存続させておいた方が良かったのではないですか?」という、これまでの質問の中で最も多かった部分に具体的にお答えしていなかった事についてです。
昨年の暮れに旧グループ店で販売したZSPとJU60のセットを移設作業する事があって、ツイーターの係数がこちらが1425で設定している部分が、旧グループ店では1780で設定してあり、ミッドの係数が627で設定している部分が555で設定してあり、値としては25%以上違っている状態でした。
こちらが正規で設定している値にすると、入れてはいけない周波数帯がツイーターの下限が25%と、ミッドの上限が25%の合わせて50%もかぶさっている訳ですから、変なクセが付いていて、なかなか本来の音にならず、最初はかなりかったるい状態からエージングをして慣らして行っても、100%こちらが想定している音にはなりませんでした。
お客様がイメージしておられた値の違いは2%とか3%ぐらいの差を言うぐらいだったら、そこは目をつぶってJU60やZSPを扱わせていたら自分達は長い距離を移動しなくて良かったのにと思われていたそうですが、実際の数字を見比べられて、「これはあまりに違い過ぎる!」と驚いておられました。
「なぜこんな事があちこちで起きるのか不思議だ?」とお客様は思われていて、最大で8店舗あったグループも今は2店舗になっていますが、こういう事が起きる根源が自分だけはとてつもなく難しい国家試験に合格しているという差があって、シェフの気まぐれサラダ的に勝手に音の味付けをするとかなりの差が出るというか、とにかく派手に派手に鳴らして行き、それがどんどんユニットが麻痺してしまって、段々スッキリしないスピーカーになって行き、更に周波数レンジに手を出してという悪循環に陥るからです。
ただ国家試験と言ってもオーディオにそんな試験はなく、無線の国家試験でコイルやコンデンサの組み合わせやインピーダンスの変化など、かなり難しい数式の試験をパスして、それを桁をMHzをKHzやHzに変えればピッタリオーディオに合うという手法でピュアコンの値決めを行っています。
それが全く分からない人は本部の意向に従えばいいのですが、どんどん自分の数字を作って行くので最後に同じグループとしては一緒にやっていけませんという話になっています。
そんなグループ店をどんどん少なくして行って、今は自分一人で調整する車だけになった時に、「なぜこんなズレが起きたのだろう?」とふと考えたら、他のカーオーディオ専門店と張り合おうと思うとどうしても音を盛って行かないとウケが悪くて、宇部店と福岡店はFMラジオのスポンサーやコンサートのスポンサー活動にお金をかけていて、本当の音を求めているお客様に限ってという、けっこうニッチな層を掘り起こしてビジネスを行っていて、そこに費用がかけられなお店は普通のカーオーディオ専門店との勝負になるために独自の音造りになるのだろうと想像しています。
ただこちらのお客様が望まれるレベルと他のお店のウケを狙った音にどんどん差が出てしまい、当社が謳っている『生音・生声』とは別な道を歩き始めて、それが1・25倍レンジを広げるという事になっているのでしょう。
後はお客様と仲良くなるために長話で繋ぎとめるという手法も他のカーオーディオ専門店と同じで、カーオーディオ専門店を3店廻って来て、「ここは何時間話してくれるんですか?」と聞かれた時は、「うちはタイムアライメントを使わないので、他の店で買って下さい。」と言ったら、「他の店は3時間以上話してくれたのに。」と言われても、既にタイムアライメントが良いと思って3店の話を聞いておられる人をひっくり返すのは無理なので、他で買って下さいと言ったのですが、不親切な店とネットに書かれました。
そんな一般的なカーオーディオ市場とは別なジャンルを築くためのスポンサー活動ですが、来週も某音楽家の方とお会いする予定がありますが、本当の音を求めようとするとそれなりの資金と努力が必要で、それをしない人は長話で友達になって商品を買ってもらうという古典的なスタイルでしか販売が出来ないのでしょう。
話が長くなりましたが、最初のお客様からの質問の、「少しぐらい値がズレていても、そこは目をつぶって取扱店を維持していたらどうでしょうか?」という事に関してですが、少しずれたのに目をつぶるとどんどんズレて来て、結局同じユニットを使っても違う音になってしまったというのが結論で、また車がどんどん変わって来て音のチューニングも格段に難しくなって来ているので、これから取り扱い店を増やす事も、過去の店を復活させる事もないでしょうというのが結論になります。
遠方のお客様には大変ご迷惑をおかけしていますが、『生音・生声』に近いと呼べるのは多くの演奏家やボーカリストに会って本当の音を知っている自分のチューニングしかないというのが現状です。
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Posted at
2024/02/21 11:20:12