新シリーズになったお客様の質問にお答えしては、これまでの2シリーズの時代に比べてお客様のお車のオーディオ環境は徐々に変わってきていて、最初のシリーズからしたらオーディオレス車自体がかなり減って来ています。
そんな中徐々に内容を変えながら、時代に合った内容で続のシリーズは書き込んでまいります。
今日は最近お客様になられたビギナーの方からのご質問を中心にお届け致します。
現在一番多い質問は、「井川ブログの中でナカミチの商品が取り上げられていますが、もう日本ではナカミチという会社は無くなっていて、海外ではまだあるのに、日本のメーカーが何故日本で販売していないのですか?」という内容を頂いています。
これまでのシリーズでも取り上げた内容ですが、ここでもう一度おさらいして書き込みたいと思います。
まずナカミチという会社は元々『中道研究所』という名前でスタートして磁気記録の音響機器の開発を行っていたと言われていて、更にその前は軍用の電磁記録機器を開発していて、中道一族は第一次世界大戦の時にロシア海軍のモールス信号を電磁記録して解析して、相手の動きを事前に察知して日本を勝利に導いたという話も伝え聞かれています。
そんな正確に録音して正確に再生するという軍用の世界で鍛えられたナカミチというブランドが1970年代に登場して、一時期ナカミチ=超弩級というイメージもありましたが、ナカミチブランドの創業者中道悦郎氏が亡くなってからは2代目社長の迷走によってブランドイメージが地に落ちました。
その落ちた理由は、最初は当社の様なこだわりがあって仕事が丁寧な専門店で扱っていたのが、その様な店が全国には少ししかないので、扱いたいというお店があって、初期導入でそれなりの仕入れをしてくれればどこでも扱わせるに変わって、ナカミチの製品は値段が高いだけで音が悪いという評判になりました。
実際には商品が悪いのではなく、いい加減な販売店がアンプやチャンネルディバイダーの調整をせず、出荷の状態のままでエンドユーザーに製品が渡るというあってはならない状態で、それで一度販売が低迷した時に何を思ったかオートバックスに低価格の専売品を降ろして、地に落ちたブランドは更に落ちて、最終的に日本の会社でありながら日本から撤退して、アメリカではブランドが残って、マレーシアの工場で作った製品がそのままアメリカに送って販売されている状態になっていました。
サウンドピュアディオでは別にナカミチの商品が悪い訳ではなくて、日本での販売店を選ばない売り上げ第一主義が原因のブランド破滅と考えていて、日本向けの製品は買えるだけ買って倉庫に入れて保存して、マレーシアで生産されてアメリカに送られる前の商品を一時期ピュアディオ向けに限定で輸入していました。
途中でマレーシアで作った製品は全品アメリカに送るという事になり、ピュアディオ向けのナカミチ製品の新しい物は入らなくなりましたが、今でも若干数のナカミチ製品の在庫を持っており、旧製品をリニューアルして発売当時の性能以上の物にして販売をしています。
サウンドピュアディオが今の名前を名のる前のオーディオボックス時代の最後の方では、店頭でよく専務が「ナカミチとは取引をやめるから、今ある在庫が最後だから!」とよく言っていて、そのぐらい営業部とはしょっちゅう衝突していて、ナカミチが海外の会社に買われて仲が悪かった営業部の幹部がいなくなった後には再びナカミチとの仲が良くなったのですが、その時は日本の市場では手遅れで、日本発のブランドが日本から撤退する様になり、最後の方では扱っている販売店がサウンドピュアディオだけとなり、あれだけ営業部とぶつかって喧嘩していたのは、ナカミチブランドが好きで、創業者の中道悦郎さんが好きだからという理由で、中道悦郎さんの「オーディオを作る人間は音楽を作る人間よりも上に立ってはいけない!」という、あくまで音楽を作る人があってのオーディオ業界で、音楽を作る人の音を変えてはいけないという、サウンドピュアディオの精神は中道悦郎さんの精神をそのまま受け継いでいます。
そのためピュアディオの製品には旧ナカミチ製品にどこか似た物があり、ベーシックパッケージ用のATXシリーズのツイーターは30年以上お付き合いのあるお客様からは「どこかSP-5とかSP-10Sぽい音がする様な?」と言われていて、考え方が同じだとどうしてもそういう方向に製品がなってしまっていて、それでも当時の物と比べれば現在の車や純正オーディオや今のメディアに合わせてあるので、そのままのコピーとは違う製品でもあります。
ナカミチの商品に関しては他には「アメリカで販売しているナカミチ商品を輸入して販売はしないのですか?」という質問も頂いていますが、実験的に輸入した事もあるのですが、運送料が二重にかかって関税もかかると、日本で販売するには性能の割に値段が高くなってしまい、お客様の負担を考えると自社で中間マージンも関税も二重の運送料もかからない自社開発のスピーカーの方が遥かにコストパフォーマンスが高いので、今のスタイルをそのまま続けて行こうと考えています。
以上最近新規のお客様から多いご質問にお答え致しました。
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Posted at
2024/03/09 11:16:03