お客様の質問にお答えしての新シリーズも第11話となりましたが、先日専務が「前に見た話が載っている・・」と言っていて、「いやいや、最近ブログを読まれ始めた方の為にと書いてあるでしょう。」と答えました。
実際にはここ数年で大きく車が変わって来て、デッキは取付られないとか、ナビは交換出来ない事を前提に音造りの比率は年々増えて来ているので、前作の時期とは業界の流れもかなり変わりつつあります。
さて今日のご質問というか、どちらかというとご指摘になるのですが、「2001年にオーディオボックスからサウンドピュアディオに名前を変える時に、まだ電源キャパシタやロジュームメッキの端子を使って音に勢いが付いていたのは、社長が20代の時に音楽番組のDJをしていて、プロ機の音を基準に音造りと言っていた発想とは違うのではないですか?」というご指摘でした。
自分がFM山口で1年間音楽番組を担当していたのは1986年で、その2年前の1984年はヴァン・ヘイレンの名作1984が発売された年でした。
1982年にカーオーディオ専門店オーディオボックスが宇部市に誕生して、当時はカセットデッキの回転数をやや早めにして、音を上ずらしたのがいい音と言われていた時代に、回転数が正確なデッキを主に販売するという事でスタートしたお店は、1985年ぐらいからナカミチのデッキ・アンプ・スピーカーを取り扱う様になって、ただ数が売れるのは普通の国産ブランドだったので、デッキとアンプはナカミチで、スピーカーは国産という組み合わせの車に自分は乗っていて、それでデモすると成約率は高かったです。
その車でFM山口のスタジオに週1回通っていて、道中今日かける音楽をレコードからカセットテープに録音した物と、CDをそのまま再生するという2つの放送で聴きながら、イントロでここまで喋れるみたいなタイミングを計っていました。
そしてスタジオに着いてスタジオ用のモニタースピーカーで今日かけるレコードは一度針を落として聴いて、ほこりなどでパチっというノイズが入らないかリハーサルして、クリーナーでテカテカに磨いてから番組の収録を行っていました。
そして帰りに車の中で今日収録した曲をもう一度聴いてみると・・
あれっ? 明らかに薄い音域と濃い音域が混在していて、音楽としてはどこかおかしい? みたいな事になって、国産のスピーカーは売りやすくてもあまり販売しなくなって、JBLとBOSEとB&Wとナカミチの4銘柄のスピーカーを主力に販売する様になりました。
ただ途中でBOSEは音造りの方針が耳の錯覚を利用する様になって、その後市販のカー用スピーカーの製造をやめて、一番売れ筋だったB&Wは耐久性が求められるカー用スピーカーは儲からないとカー用の市販の販売から撤退しました。
そんなカーオーディオの激変期にナカミチというメーカーは当時東京の小平にあった本社に、100名ぐらいが入れる小さなコンサートホールを持っていて、成績優秀なお店はそこで毎年1月に著名なアーティストを呼んで行われるコンサートに招待されるという特典がありました。
今考えたらたった100人のコンサートってあまりPAに頼っていないからとても良い音で、カーオーディオの音造りの指針になり、来年もこのホールに来たいからと一生懸命に販売に励みました。
ただナカミチの製品もある程度売れる様になったら営業部の暴走が始まり、100人規模のコンサートは中止されて、とにかく販売量の多い店が勝ちみたいになって、タイヤショップやエンジンチューンのお店がアンプやチャンネルディバイダーを無調整でそのまま納車するという、ナカミチの製品を使いながらも本来の音とは違うという店が増えてしまいました。
1990年代の全半に音造りの基準が無くなってしまった自分は、当時テレビのたばこのCMで使われたいた天野清継さんと国府弘子さんの演奏を、B&Wの801型スピーカーで聴いて、それを参考に音造りを行うという方式を取り始めました。
当時は演奏している本人に会うとか、コンサートを聴きに行くとかいう発想は全く無くて、お二人の『ヘブン』、『ヘブン&ビヨンド』、『アズール』という3枚のアルバムを入れ替えて聴いて、その録音方式の違いがハッキリと分かるのが良いセッティングと思って音調整を行いました。
その頃は年に何回か秋葉原の高級ホームオーディオ店に行って、50万とか100万円する高額なオーディオアクセサリーを買って、それを801が繋がっているアンプやCDプレイヤーに取り付けて、「これがいい音なんだ。」という変な自信を持って聴いていて、その影響で電源キャパシタで音のキレを良くするとか、ロジュームメッキの端子を使って接触抵抗を少なくするなどの手法を取る様になり、それをお客様にデモすると音がスコーン!と浮き上がって、かなりの確率で受注となりました。
そんなスタイルが確立されていた2002年のある日、お客様の車の音調整をしていたら、何とも不思議な演奏のCDが入っていて、それを何度も繰り返して聴いてみて、あまりに気になるので次の日にCD屋さんで探して購入しました。
それが上妻宏光さんのロック調の楽曲で、三味線に聴こえるがエレキギターの様な・・ いや琵琶かか琴の様な・・ と摩訶不思議なサウンドに一度で虜になってしまいました。
それから上妻宏光さんのロック調の楽曲とボーカルが入っている楽曲を調整CDとして使う様になって、2004年に初めてコンサートを聴きに行きました。
場所は建て替える前のZepp福岡で、1曲目から「あれっ? 何か違う?」と思って、当時は会場でCDを買うかファンクラブに入っていたら終了後の握手会に並ぶ事が出来て、自分はCDを買って列に並んで、「井川と申します。ラジオ番組で上妻さんの曲をかけています。」と、当時会社のPR番組に出ていた時は必ず上妻宏光さんの楽曲をかけている事を伝えました。
「ありがとうございます。」と答えられた上妻さんの生声は、自分の車で聴く音とはどこかズレていて、その日の帰りは「カーオーディオとコンサートの音や本人の声とは違うから。」と自分で自分を慰めて帰ったのを今でも覚えています。
翌2005年は一度も上妻さんのコンサートは聴きに行かず、半分以上現実逃避していて、2006年には佐賀市でコンサートが行われるという事で、発売日に会場にチケットを買いに行ったら運良く最前列が手に入って、真ん前の席で生演奏を聴いたら、帰りの車で「もうこれはまずい! 何か変えないと絶対にまずい!」と思いながら上妻さんの楽曲を聴きながら帰りました。
それからが大変で、とにかく上妻宏光さのコンサートに1年で10会場行って、コンサートの音を聴くだけでなく、全ての会場で握手会に参加して上妻さんの生声を聞いて、それを車の中で表現するんだ!と、土日に仕事を抜ける事もあって、9カ月で10会場廻るという、目標よりも早く達成しました。
それと時を同じくしてクロスFMのイベントでDEENのボーカルの池森秀一さんと知り合って、イベントの次の日に福岡店の来られたいという事で、当時乗っていたエスティマで泊まられていたホテルに迎えに行きました。
道中DEENさんのCDを再生しながら走っていたのですが、途中で池森さんがCDに合わせてちょっと歌われました。
その生声とドアから出ている中音域に差があるというのが直ぐに分かって、福岡店を訪問された後にエスティマのドアの内張を外して、何度防振材を貼ってもさっき聞いたあの声にならなくてガッカリしていました。
それもそのはず、それまでの防振マットでは中音から高音の手前辺りの周波数には効き目がなくて、貼れば貼るほど低音の量が増えてブーミーな音になるだけで、「これは金属を使って高い周波数を減衰させないと意味が無い!」と気付きました。
それだけでなく福岡店に来られた池森さんからは、「ここのスピーカー音悪いね。これはモニタースピーカーの音とは言わないよ。本物のスタジオモニターの音を聴かせてあげるから、東京に出ておいで。」と言われました。
その頃はJBLやB&Wのスピーカーは段々レコーディオングスタジオで使われなくなって来て、スタジオ専業の小さな会社のスピーカーが段々増えて来ていて、東京に行ってから池森さんから聴かせて頂いたスピーカーはこれまで全く知らなかった銘柄で、それ以上に自分が高級ホームオーディオ店で何十万も出して買ったアクセサリーの数々が本当の音から店の中の音を遠ざけている事に気付いて、帰ってからそれらのアクセサリーを全て外しました。
そんな訳でFM山口でDJをしていた時代の後にナカミチの本社のホールで生音を聴いて、その後それらが無くなってある意味迷走していたところから、2人のアーティストの出会いから現在の音造りの方向に来ていて、正確な音の基準を無くして良い音は再生出来ないという事を知って、メーカーに頼るのではなく、自社で音楽業界や放送業界とつながるための費用を使って正確な音楽を再生する様に努力しています。
これ以外には2000年代の前半に歌手のファンクラブに入っておられるお客様が3人同時期にシステムを購入されて、「どこか違う?」というふうに言われていました。
一人はHYさんのファンの方で、もう一人は石井竜也さんのファンの方で、3人目はCHAGE&ASKAのファンの方で、HYさんと石井竜也さんのファンの方は本人に直接会って生の声を知っておられる方でした。
お客様が本人の生声知っておられるのに自分が知らないと、これが本来の音ですとは言えず、ラジオ番組の制作を通じて、HYのボーカルの新里英之さんと仲宗根泉さんと、米米クラブのボーカル・石井竜也さんと、CHAGAさんのラジオ番組のスポンサーとなって、複数回お会いして生声がイメージ出来るまでになって、音造りにはお客様には納得し頂いています。
そんなこんなで80年代から2000年代の中盤ぐらいまでのお話を一気に書き込みましたが、今考えたら1980年代はメーカーが音の良いコンサートを開いてくれていて、リスクが少なくて良かったなと思いながらも、満島ひかりさんのUQモバイルのCMの「リスクを取らない事が最もリスクだ!」という台詞がしみじみと心に響く今日この頃でした。
文字だけ長文のブログを最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
新・お客様の質問にお答えしても遂に第10話となりました。
タイトルに新と付いているのは、比較的新しくお客様になられた方の「これってどうなの?」というご質問にお答えしているので、過去に一度取り上げた内容の物があるのと、以前とカーオーディオの環境も変わってきているので、現在の車種やシステムに合わせたリファインした内容でお届け致しますので、過去に同じ様な内容の回を読まれた方にも、新しい視点で書き込んでおりますので、是非ご一読下さい。
今日は最近よく質問を頂く3つの事についてお答えいたします。
まず1つ目は「サウンドピュアディオは大手メーカーの音の良い専門店のリストに載っていませんが、載せてもらう事は出来ないのですか?」というご質問についてです。
今から20年ちょっと前からお付き合いのあるお客様だとご存じだと思いますが、2000年以前は音の良い専門店のリストに載っていて、それを見てお客様になられて、今もお付き合いのある方が大勢おられます。
当時はまだサウンドピュアディオと名乗っておらず、『オーディオボックス』という店名で営業していて、メーカーのリストに載っていながらもタイムアライメントは使用しないとか、ツイーターとミッドを別駆動させるマルチアンプは推奨しない、オーディオ評論家の評価は正しくないと言うなど、大手メーカーのやり方に反する音造りをしていて、メーカーが評論家を送り込んで来て、お客様に直接音造りの洗脳をして来たにも関わらず、だれもその話になびかないという事でかなり怒りをかって、「言う事を聞かないのならリストから外します!」という話になって、音の良い専門店という冠を外されました。
当時は大手国産メーカーのスピーカーやアンプはどんどん変な方向に向かって、とてもこれを販売したいと思う物は無く、かといってナカミチはオートバックス専用モデルを作るなどの迷走をしていて、これは自社ブランドをスタートさせるしかない!という事になって、2000年に『サウンドピュアディオ』というブランド名を特許庁に申請して受理されて、2001年の6月にZSPスピーカーとベーシックパッケージの前身のベーシックコースがスタートしました。
ただZSPの方は予定数を上回る売り上げで追加生産を何度も行っていたのですが、ベーシックコースが不人気で、年に4セットぐらいという超不人気モデルでした。
そこで発売から5年後に仕切り直しを考えて、年に数台実車を買ってパッケージ開発を行って、その数台をイベント会場に並べて多くの方に聴いて頂くというのと、開発に当たっては何人かのボーカリストや演奏家にお会いして、この音で良いのかというお墨付きを頂くというやり方に変えて、それまでの不人気コースが数年後には会社の看板商品まで成長しました。
また多くのボーカリストの方や演奏家の方のラジオ番組やコンサートのスポンサーとなって、多くの音楽ファンの方にサウンドピュアディオという名前を知って頂いて、大手メーカーの音の良い専門店のリストに載らなくても集客に困らないというビジネススタイルを確立しました。
これと少し似た様な内容になるのですが、2つ目は「サウンドピュアディオは音が良いのなら、カーオーディオのコンテストに車を出して評価してもらったらいいのではないですか?」というご質問で、根本的に大手メーカーが言っている良い音とサウンドピュアディオが推奨している良い音は全く違っているので、あえてそこに出して最下位になる必要は無いという事です。
実際に1990年代の後半にどうしてもカーオーディオのコンテストに出して最下位にされた事があり、審査員が「こういう音ではうちのコンテストでは得点が取れないです。」と言いながらも、他の車の3倍ぐらいの時間をかけて聴いていたので、かなり気になっていたのでしょう。
そういう話をお客様にしたら、「それなら勝てる車を一時的に作って、それで優勝してお客さんを集めたらいいんじゃないですか?」と言われた方もありますが、最近の新型車の純正オーディオに対応させるのに莫大な時間と、これまで必要無かった多くの新しい値のユニットをあらかじめ準備しておかなければいけなくて、いつもの音造りとは違う車をわざわざ作る時間も無くて、仮に優勝するのを目指す車を作る時間があればもっと他の事を開発した方がよっぽど未来のために役立つと考えていています。
仮にコンテストで勝てる車を作ろうと思うと、本来の音楽以上のフォーカスと、音のキレは実際の音楽を越えるキレなど、かなり大げさな音を作る様になり、そういう作業を一時的にでも行えば、それと並行して普通のお客様の作業を行うと、影響を受けていくらかズレてしまうというのを90年代の終わりに経験しているので、二兎追う事はどちらも中途半端になるのでやらない事にしています。
最後に3つ目は、「他のカーオーディオ専門店はカーセキュリティーを扱っているのに、何故ピュアディオでは扱っていないのですか?」というご質問です。
これは「他の店で出来る施工が、何故ピュアディオではやってもらえないんですか?」という内容のご質問と根っこの部分は共通しているのですが、サウンドピュアディオは日経が出しているこういう専門誌を定期購読して読んでいます。
この中には車のエレクトロニクスについても詳しく書いてあって、こういう部分を触るとある確率でこういう不具合が出るというのを事前に知っています。
そのため他店はこういう加工が出来るのにと言われても、「当店では触る事が出来ません。」とお断りしています。
もし今の状態で心配であればセキュリティーの専門店にご商談して下さいとお伝えしています。
今日は新しくピュアディオのお客様になられた方からの、3つのご質問にお答えいたしました。
『新・お客様の質問にお答えして』も第9話となりました。
今日は初心者のお客様の疑問で多い、「なぜ棚にあんなに多くの種類のコイルが必要なのですか?」という質問と・・
それに関連した質問で、「多くのボーカリストの方に会われて、生の声を知っているから、それぞれの人の声が最も良く聴こえる様に合わせてもらえるんですよね。」と聞かれた事もあります。
過去には、「自分はセリーヌ・ディオンしか聴かないので、そこだけ良い音で聴ける様にして下さい。」と言われた事もありますが、この棚の多くのコイルは『特定のボーカリストに合わせる』ための物ではなくて、全てのボーカルや楽器の音が本来の音で鳴る様にするために、あるポイントを狙うための数なのです。
そのあるポイントとは、レコーディングスタジオや放送局のスピーカーはどこかに偏った音造りは出来ず、ピアノの調律の様に正しい音色に合わせて、全ての音楽ジャンルがきちんと鳴るという大前提の元に成り立っています。
自分が26歳の時に宇部市からFM山口がある山口市まで車で移動していて、車用のCDプレイヤーで国産の2WAYスピーカーでその日かける予定の楽曲を聴きながら移動していました。
しかし何かがおかしい? 明らかにスポイルしてある音域と、明らかに強調している音域があって、それをイコライザーでレベルを動かすと今度は音色が変わって聴こえて、局のスタジオのモニタースピーカーで聴くときちんと聴こえるのは当たり前で、それどころかCDプレイヤーの頭出しで短時間聴く10センチのフルレンジスピーカーでもボーカルはきちんと聴こえて、その時に「カーオーディオの音ってなんでこんなにズレているんだろう?」と、スタジオからの帰りの車の中では音楽を聴くのが楽しくありませんでした。
1987年の初めには音楽番組を製作する事が無くなって、カーオーディオの販売・取付に専念する様になったのですが、どうしても一般的なカーオーディオの音ではなくて、スタジオ用のスピーカーの様なクセの無い音を追い求める様になって、またそういう音が好きなお客様が自然と集まって来て、他とは違うカーオーディオのお店になっていました。
あれこれ試行錯誤しているうちに、30年まえにメーカー製のパッシブネットワークのコイルはほとんどPが多めに巻いてあるものばかりで、高音と低音が強調された当時はドンシャリと呼ばれた物で、そのコイルをじわじわほどいて行ったらミッドの上限周波数が伸びてフラットな音に近くなるというのに気が付きました。
ただほどき過ぎるとミッドと上限とツイーターの下限が重なってボーカルが薄くなってしまうので、どうしてもほどき過ぎない様に寸止め的なセッティングになり、「もう少しほどきたい。でもほどき過ぎたコイルはもう元には戻らない。」のもどかしい寸止めセッティングで、ある日「あっ!失敗したら代わりにホームオーディオ用のコイルを入れればいいんだ!」とアイデアが浮かびました。
しかしホームオーディオ用のコイルはカーオーディオ用よりも大きくて中に入らず、それでボッスの外に出して簡単に交換出来る様にすればいいんだ!と気が付いて、更にコンデンサも大きくて質の高い物に換えればもっと音が良くなるしと、今のブラックボックスと後付けコイルのピュアコンの形になりました。
ちなみに現在のピュアコンとコイルの表は宇部店と福岡店でこれだけあり、青で囲ってあるのがコイルの在庫表で、左側はブラックボックスとそれ以外のオプションの在庫表で、ピュアコン発売から29年でここまで種類が増えて来ました。
コイルの表にはマイクロヘンリーで数字が記入してあって、一番小さなコイルが1マイクロHで、一番巻きが大きいのが1100マイクロHです。
1マイクロはミッドの上があまり伸びないスピーカーを、ドアの下の方の位置でインナーで取り付けた時に使います。
1100マイクロは現行のベンツのCクラスで、ヌケの良いスコーカーを取り付けた時用の値です。
ちなみに1マイクロの次は1・5マイクロで、当初は1の次が2だったのが、1で耳に入る中音が濃くて、2では逆に薄く感じる車があったので、間の1・5を後から設定しました。
普通ベーシックパッケージは1マイクロ刻みで、ごくまれに0・5刻みでないと本来の音色に鳴らない時は間の値を作ります。
こちらはある車種で45マイクロで濃く聴こえて、46では薄く聴こえたので、45・5という値を、その1車種用に作りました。
現在は表で見ても、棚を実際に見ても土日に使って空いている値があるので、これから週末にかけて作って行きます。
こちらの赤いコイルはこれから女性社員が6本のインシュロックの下にヤスリをかけて、全て高さを均等にしてからベークライト板に貼り付けます。
全くぐらつきが無い様に平行を保って、6か所からコイルに起こった微弱振動をべーク板に逃がして、透き通った音が鳴る様にします。
ブラックボックスも足りない数字が出て来ているので製作して、JU60用は最初の数字が4桁で、ベーシックパッケージ用は3桁の数字で表記されていますが、176ではツイーターのレンジが足らなくて、177ではレンジが広く感じる車種があったので、その車種用で4桁のベーシック用のブラックボックスを製作しました。
この差はこれまで何人ものボーカリストに会って生の声を知っているからの数字選びで、この人の声がこう聞こえて、この人の声がこう聞こえるからこのセッティングが正しいという合わせ方です。
ちなみに『A LC』と記されているのは、Aは入出力の24金メッキギボシがAクラスの物を使用しているのと、LCは中に入っているコイルが内径の大きいラージコイルを使用しているという意味です。
輸入車のクリーンディーゼル車の燃料制御ユニットから強いノイズが出ているので、その時は内径が小さくノイズの載らないSCを使う様になるので、そのれが選別出来る様になっています。
ここまで細分化しないといけなくなったのはここ2・3年で、近年車のオーディオや制御などの仕様が細かくなって、それに追従するために、たった数年で1・5倍ものコイルやユニットの値を違う物を用意しないと、本来の音楽に近い音が再現出来なくなって来ています。
2000年代前半は、モデルチェンジでも前の車用のパッケージがそのまま使用出来る事もあって、現在ではグレードでパッケージの内容が変わってしまうので、その時代の車に追従するための日々開発に励んでいます。
不定期シリーズの『お客様の質問にお答えして』も遂に第8話となりました。
今回はこのブログを読まれてのご質問で、「井川ブログの中で出て来る専務と妻という人は同一時人物ではありませんか?」という問いをよく頂きます。
はい、同じ人物です。
わざわざ使い分けているのは、文章の中で専務と書いた方が内容に合っている時と、妻と書いた方が内容に合う時で使い分けています。
他には『サウンドピュアディオの海原雄山』と呼んでいる人も同一人物で、漫画美味しんぼで陶芸家で美食家の海原雄山は自らは調理しないのに、人の料理にはああが悪いこうが悪いとケチを付け・・という表現がされてあるので、たまに「そんなに言うのならあなたもイコライザーの調整をしたらどうですか?」と言った事がありますが、自らはイコライザー調整はしないので、サウンドピュアディオの海原雄山と呼んでいます。
ただ最近サウンドピュアディオの海原雄山もあまり人のセッティングにケチを付けなくなって来て、その理由はコンデンサのハンダ付けの時の過去の2本の放熱クリップから8本になり、現在は10本でイカクリップと呼ぶ手法を取り出してからです。
以前はJU60用のピュアコンもベーシックパッケージ用も、ブラックボックスの中のコンデンサの表示は横にテプラーで2桁で表記していて、途中で細かい音の表現のためと、左右の音をピッタリ合わせるために3桁表記としました。
ただ近年最初からナビオーディオが装着されていて、それを交換出来ない車種が増えて来て、これまでだとデッキやナビを高性能な物に変えるという手段があったのが、そういう車で良い音を表現しようと思うと今までと手法を変えないといけなくなり、コストがかかっても高度な測定と、時間をかけたコンデンサの選別で4桁表記で左右をピッタリ合わせるという手法を取る様になりました。
しかし4桁に合わせる測定をしていると、これまでの2本クリップだと中のフィルムが影響されて、4桁目が上下する事が分かって、8本クリップの通称タコクリップから、更に2本増やした10本のイカクリップで内部に熱が伝わらない努力をしました。
更に素早いハンダ付けで極力熱の影響を受けない様にしたら、左右のペアリングの精度が上がっただけでなく、熱が中に伝わるとやや音が荒くなる傾向にあったのが、それが無くなってとても滑らかな音になりました。
その荒さはイコライザーをいくら動かしても根本的に変わらず、現在の手法で音が滑らかになったので、サウンドピュアディオの海原雄山こと専務も以前の様に何度もイコライジングをやり直させるという事が無くなったのです。
現在はベーシックパッケージ用のピュアコンでも普通は3桁表記で、一部の車種では4桁表記のブラックボックスもあり、コンデンサのクリップはJU60と同じ10クリップで製作しているので、入門者用のパッケージと言いながらも、工程にはかなり手がかかっています。
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