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ピュアディオいがわのブログ一覧

2022年04月28日 イイね!

新・お客様の質問にお答えして 第21話


不定期シリーズの新・お客様の質問にお答えしては、前回の20話で自分の中学生の時の事を書き込んだので、お客様から「高校生の時はどうだったのですか?」というご質問を頂いたので、今日はその当時の事を書き込みます。

今のサウンドピュアディオの技術の基本は、小学6年生の時の夏休みに通称萩の電波学校と呼ばれていた所に通って講習を受けて得た事を基準にしていて、中学生から高校生の時は実際に無線機を使って電波を飛ばして、いかに波長を同調させるかと、インピーダンスの整合性を上げるかの2つに熱中していました。


中学生の時と比べて高校生の時になってレベルアップした部分はオーディオ性能で、無線機は電波を受信するブロックと、電波を音に変換するブラックと、音を電波に乗せる前の処理のブロックと、処理された音を電波に乗せて飛ばすブロックの大まかに4ブロックで出来ていて、無線機と言っても半分はオーディオ回路で出来ています。

高校生の時は山の上にテントを張って一晩中電波を出して、電離層反射を使わない直接波で広島・岡山・兵庫・大阪と電波を飛ばしていて、さすがにそこまで遠くに電波を飛ばすと送信の自分の声が力強くて綺麗とか、受信音が綺麗とかのオーディオ性能が決め手となって来ていました。

マイクアンプや外部スピーカーなどのオーディオ技術が必要となって来て、細かい基盤に上手くハンダ付けする技術などが必要となって、この時に正確なハンダの技術が身に付きました。


オーディオ技術と並行してアンテナに波長をピッタリ同調させる技術と、インピーダンスの整合性を上げる技術は中学生の時にもかなり習得していましたが、高校2年の時にこれまで以上の技術が必要なある事が起こりました。

それは20代前半から高校生ぐらいの無線家が集まる事が山口県内であって、その時に一人の高校生らしきかわいい女の子が一人いました。

「あの子誰? 高校生?」と知り合いに聞いたら、高校2年生で自分と同じ年で、無線で出ている周波数も同じ所に出ているらしく、それでもそんな声は聞いた事がないな?と思いながら、その子のコールサインを教えてもらってその日は帰りました。


その日から無線機のダイヤルを回してもその子の声が聞こえる事はなくて、ある日その子のコールを呼んでいる他の局の声だけ聞こえる事が分かりました。

どうもその子の家は自分の家からすると電波の陰にあって、今のアンテナ設備では届かないし聞こえないという事が分かって、それを何とかする様に努力の日々が始まりました。

まずは7エレメントのアンテナを2本連結していたアンテナを、計算して前に2エレメント増やして9エレメントの2連結にして、合計14エレメントから18エレメントにしたにも関わらず全く聞こえて来ません。

そこで土木作業員のアルバイトをしてお金を稼いで、10エレメントを4つ組み合わせた合計40エレメントのアンテナを買って、それをその子の方向に向けましたが、全く聞こえて来ません。

それなら方式を変えようと、縦に無指向性のアンテナを伸ばして、8分の5波長のエレメントを位相反転コイルを2個使って2段に伸ばすという手法を使って「これならどうだ!」とやってみたものの効果は無しで、自分の家にいる限りどんな同調の手法を使っても届かない事を実感しました。


しかしそこで自分の家の場所が悪いから届かないので、移動すれば届くのではないかと、自転車に小型の無線機を積んで、短いながらもそれなりに飛距離が出そうなアンテナを考えて付けて、中腹まで20分自転車をこいで、後20分ほど手押して山に登っていたらやっとその子の声が聞こえる様になりました。

文字にすると大した事が無いのですが、自宅でその子の家まで電波を飛ばそうと悪あがきをして、ありとあらゆる波長の乗せ方を研究して、もし簡単にそこまで電波が飛んでいたらそこまで極端な努力をしておらず、今のサウンドピュアディオの技術は無いだろうというぐらい、運の悪さが運の良さを生んでいます。

その後その子とは何度か交信するうちに同級生という事もあって仲良くなって、二人で映画を観に行くという所まで発展しました。


ところが運が良かったのはそこまでで、その子が行きたかった映画は角川映画の『野生の証明』で、残虐シーンが満載で、流血シーンというよりも血が吹き飛ぶシーンが多く、人生で初めて女の子と二人で映画を観に行ったという緊張感と、暗い場所で残虐なシーンを散々観て、映画館を出た時には顔は真っ青で、吐く一歩手前の状態でした。

なぜその映画だったかというと、その子が薬師丸ひろ子さんのファンで、薬師丸ひろ子さん見たさで行っていて、「凄く可愛いかった!」と喜んでいるのに自分は無言で、「この映画好きじゃなかった。ゴメンね。」と言わせてしまい、完全なマイナスイメージになってしまいました。


高校生の時は放課後の図書室でコイルや波長などに関する書籍を読み漁って、よく見ると誰も開けた事の無い本が多くて、同級生から見たら根暗な無線少年だったかも知れませんが、「何んとかその子の家まで電波を届く様にしたい!」という思いから同調とかインピーダンスにムキになっていたのが、途中までは恋のプラスになっていて、最後は散ってしまいましたが、今となっては良い思い出で、同業者が持っていない特殊な感覚を身に付ける事が出来ました。



追伸

そういえばその子と二人で会ったのは映画の時とその前に1回だけで、一度「土曜日に習い事に行くから、家からバス停までの20分歩いて行く時間に会えるけど?」と言われて、「行きます!」と二つ返事をして、自転車で2時間半かけて行きました。

家から自分は自転車を押して20分話しながら歩いて、バス停にある商店の自動販売機でジュースを買って飲みました。

その事をその辺りに住んでおられるお客様に話したら、「その店は自分の家です。」と言われて、「その人は自分の同級生のお姉さんだと思います。」と言われて、世の中は狭いものだと感じました。

Posted at 2022/04/28 11:02:22 | トラックバック(0) | 新・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2022年04月21日 イイね!

新・お客様の質問にお答えして 第20話


新・お客様の質問にお答えしてのシリーズも、遂に20話となりました。


旧シリーズが確か18話で止まってから1年以上経ってからのスタートだったのと、その間に新しい読者の方が増えたのと、更にここ数年で車の純正オーディオが大きく変わって来て、そのシェアも急激に増えているので、新しく仕切り直しています。

20回という節目という事もあって、昔話的な20年前によく有ったお客様からのご質問というか要望をいくつかピックアップしてみます。


20年前はまだカーオーディオは全盛期を少し過ぎた頃で、全盛期は1990年から1996年ぐらいがピークで、2002年はやや下降気味で、2001年にピュアディオブランド及びピュアディオ商品がスタートしたばかりでした。

当時はまだ自分はブログというものを始めていなくて、数か月に1度ユーザーの方を集めた『ユーザーミーティング』という事を行って、その会場でお客様からのご意見を聞くという催しでした。

その中で最も多かったのが、「サウンドピュアディオの製品が音が良いのなら、カーオーディオのコンテストに出して優勝して欲しい。」というご要望がかなりありました。

それに対して自分は「コンテストに勝とうと思えば通常の音造りではなくて、もっと勢いを付けたり作り込みに時間をかけて、当社では使わないタイムアライメントを使わないと無理なので出来ません。」とお答えしたところ、「日頃の音造りとは違っても、コンテストに勝てる車を一時期でも合わせて作って欲しい。」というご要望もありました。

しかし、「日々のお客様の音造りで精一杯で、わざわざ違う音を作る時間がありません。」と自分はお断りしていました。


これと似た様な質問で、「ZSPはカーオーディオの専門誌で全く評価されていないので、是非評論家の先生に褒めてもらう様にして欲しい。」というご意見もありました。

それに対するお答えは、「他の評価されているスピーカーの様にするには、雑誌対策や評論家の先生のご機嫌取りなどかなりの費用がかかって、それを使った場合ZSPの価格は倍ぐらいになりますが、それでも買って頂けますか?それとも知る人ぞ知る製品として今の価格とどちらがいいですか?」とお答えしたところ、全員が今の価格がいいという話になりました。

実際に同じ製造工場で作っている同じ様なフレームやマグネットなどの構造の物では倍ぐらいの値付けだったので(音のチューニングは違うが)、かなりお買い得感はあったと思います。


前の話に戻って、コンテストの話では、「将来的に純正オーディオが変えられない車や、インピーダンスが特殊なプレミアムサウンド車が増えた場合に対応出来る様に、インピーダンス変換技術を磨いて10年後・20年後に備えると、わざわざやり方の違うデモカーを作って賞をもらう時間が無駄になります。」と、数カ所のユーザーミーティングの会場で同じ回答をしていました。


あれから20年が経ってどうでしょうか?

インピーダンスが特殊なプレミアムサウンド車がどんどん増えて、その対応に毎週追われていて、タイムアライメントを使ったコンテストに勝つための時間を使わなくて良かったという事は、当時のミーティングに参加された方も今は、「そういう事だったのか。」と、納得して頂いているはずです。


ただ2002年当時はお客様に納得して頂ける強い根拠も無かったのも事実で、2006年から三味線奏者の上妻宏光さんとのお付き合いが始まって、2007年からはDEENのボーカル・池森秀一さんとのお付き合いが始まって、後のそのお二人からどんどん演奏者やボーカリストの方のお付き合いが増えて来て、今の『生音・生声』と言っている根源になる体験で音造りが大きく進歩しました。


20年前に比べたら技術力が上がっているから、1台あたりにかかる調整時間というのは短くなりそうなものですが、車側の大きな変化によって、20年前にでは考えられない様な時間がかかっていて、ユーザーミーティングではお客様のご要望にはお答えしていませんでしたが、選択としては正しかったと今実感しています。


Posted at 2022/04/21 09:58:59 | トラックバック(0) | 新・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2022年03月27日 イイね!

新・お客様の質問にお答えして 第19話


新シリーズになったお客様の質問にお答えしても19話となりました。

これまで旧シリーズを新しい読者の方に分かりやすく解説したり、純正オーディオが旧シリーズの時よりも変わって来ているので、違う目線で解説したりとして来ましたが、今回は旧シリーズでも詳しくは解説していなかったインピーダンスとは何? インピーダンスを良くするとどうなるの? 何故他にお店はインピーダンスにこだわらないの? といった数々の質問にまとめてお答えしたいと思います。


スピーカーは純正・後付けに関わらずインピーダンスという抵抗値が存在していて、表からは見ても分かりません。

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同じ見た目でも中のボイスコイルの違いで4Ωと2Ωがあったりして、逆に6Ω・8Ωと高い物もあります。

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一般的にカーオーディオのアフターの製品は4Ωで設計されていて、2Ωの車に4Ωのスピーカーを取り付ければ流れる電流が半分になり、出力される音が小さくなります。

逆に2Ωのスピーカーに4Ω対応のデッキを取り付ければ倍の電流が流れて、アンプ部が発熱して故障の原因になります。


ただここではそんな故障につながる大きなインピーダンスの差ではなくて、2Ωとか4Ωと表記してあっても周波数によって上下していて、スピーカーも持っている音域の中でインピーダンスが低い所では電流が多めに流れるので音がキレが良いが冷たく聴こえるとか、この周波数はインピーダンスが高めのために音色が重く暗いとか、イコライザーを使ってレベルの上下を行っても改善出来ない音色の違いを制御するためにピュアコンのパーツをあれこれと変えて、周波数レンジの幅とレベルの強さ以外にインピーダンスをコントロールして音の調整を行っています。

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これはどんな多バンドのイコライザーを使っても調整出来ない部分なのと、意外とここの部分を何とかしようというお店が無いので驚いているところです。



ピュアディオが使っている測定機にLCRメーターという物があって、Lはコイルの値、Cはコンデンサの静電容量、Rは抵抗で直流抵抗のRと交流抵抗のインピーダンスのZも測れます。

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ただよほど高い機械でないと120ヘルツと1キロヘルツの2カ所しか図れず・・


高い機械になると連続可変で多くの周波数に対応出来ます。

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これは自分の机の前で、LCR計でも使うパーツであらかじめ測定項目を決めていて、下からコイル専用・コンデンサ専用・直流抵抗専用の3機があります。

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直流抵抗用でも電池式のポータブルで精度の高い物もあり、これはアンプの取付の時にアースの落ち方の度合いを測るための測定器で、かなりの値段がしますが、良い音を再生するには精度の高い測定器が必要となります。

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こちらは社員用の測定器で、下がコンデンサ専用の4桁表記のピュアコンに対応した物で、上はコイルの3桁表記に対応した物で、決められた測定項目があらかじめ設定してあって、LCRZの4つの物が測定出来ても、あれこれ変えてズレが出るといけないので1つのパーツしか測定しない様にしています。

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もう1台LCRメーターでもインピーダンスが連続可変出来る物がありますが、こちらは常に持ち出せる様にしてあって、車両に持って行ってインピーダンスを測っています。

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おそらく日本でここまでの精度の高い測定を行っているのはサウンドピュアディオの宇部店と福岡店だけで、そもそも業界自体がインピーダンスの細かい変化に注視していないと思います。



どんなに正確に測定しても、棚にドッサリのコイルの数々を交換してインピーダンスを変えて、それによって微妙な音色を変えて行かないと測定しても意味がありません。

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そんな他店がこだわっていないインピーダンスに何故自分がこんなにこだわっているかというと、それは自分が中学生の時に遡ります。


小学校6年生の夏休みに母方の祖父のいとこの家に預けられて、萩の通称電波学校と呼ばれていた所に講習を受けに行って、4級のアマチュア無線技士の免許を筆記式の試験に合格して取る事が出来ました。

ここで筆記式と書いたのは、その後四者択一式に変わって合格率が高くなり、その前の四角の中に答えを記入する方法だと、かなり難しい理論を理解していないと合格出来なかったからです。

ただその事で自分が調子に乗って普通の勉強をしなくなったの親は怒って無線機を買ってくれず、それが中学1年生の時に上級生が何人か免許を取って開局したので、何んとか無線機を買ってもらう事が出来ました。

2年生の時に無線をやっている生徒で学校の文化祭で公開実験をしようという話になって、自分が年下だったのでアンテナを提供して、他の上級生が無線機を持って来て実験をしました。


ただ家に無線機があるものの、アンテナが無ければ電波は飛ばず、そこで銅線と同軸ケーブルを買って来て、自作でアンテナを作って電波を飛ばす事にしました。

しかし同軸ケーブルが無線用の50Ωの5Ⅾー2Vは当時1メートルが180円していて、15メートル必要だと2700円で中学生の小遣いではキツイ金額です。

そこをテレビ用の75Ωの5Cー2Vは1メートルは65円と安く、これを15メートル買って、50Ωの無線機に繋いで、アンテナ側をインピーダンスを低くして、合成して無線機の後ろで50Ωに近くして使うという節約技を使いました。

そんなアンテナでも北九州市の八幡西区まで電波が飛んで、当時中学3年生だった人と交信して、昨年その人と何十年ぶりかに交信して、「あなたが中学二年生の時に自作のアンテナで電波を出しているのと交信をした。」と思い出して、「これって今の原点かも?」と気付きました。


まあお金が無いから50Ωのケーブルが買えずに75Ωで代用したと言っても、実際にはなかなかマッチングが取れずに苦労して、しかもインピーダンス計が無線機1台と同じ値段で、当時はとても買える物ではなくて、1万円ぐらいの電波の出力とマッチングしなくて電波がどれぐらい無駄になっているか図る測定器で、インピーダンスが見えないけれど効率が上がって電波の飛びが良くなったからこれでインピーダンスが合っているのかも?みたいな、感でインピーダンスの上限を判断する力が付いてしまいました。

その後高校に進学してからアルバイトが出来る様になったので、インピーダンスが50Ωのケーブルを買ってそれでアンテナとケーブルと無線機のインピーダンスをピタッと合わせるという事が出来る様になって、でも中学生の時のインピーダンスが合わない物を勘で合わせるという、今のピュアコンのパーツをあれこれ変えてインピーダンスの整合性を取るという基礎が出来たのだと最近気が付きました。

中学生の時のインピーダンス計がなくてインピーダンスを合わせるのは、おそらくインピーダンスが合わないと出力計が落ちてきて、最終段のパワートランジスタの発熱が多くなって来て、無駄になるパワーのメーターが多く振れるなどの根拠はありました。

中学3年生の時には145メガの50Ωのアンテナを2本を並列に接続して、75Ωのケーブルを一定の長さで使って、途中で繋ぐと50Ωでマッチングするという実験をしていて、75Ωと50Ωを合成して最終的に50Ωに合わせるというテクニックを完全に自分の物にしていました。


カーオーディオだとインピーダンスはカタログに書いてある値を信じて、細かく周波数で上下する事は注視されておらず、トータルで整合性が合うと内蔵アンプの少ないパワーでも効率が高く、合っていないと高価なアンプを付けても無駄になるという、シンプルなシステムで良い音と必要な体感音圧が得られるという今のピュアコンの根源になっています。


ただ無線の場合は51メガとか145メガに合っていればいいのが、オーディオでは20ヘルツから20000ヘルツの間の10カ所20カ所と合わせる個所が多く、1つの周波数を合わせるノウハウの無い人に広範囲のインピーダンスを細かく合わせる事は無理で、結局インピーダンスとい部分に目をつむっているのでしょう。


中学生の時はインピーダンスを50Ωに近い値に合わせるという単純な実験でしたが、高校生になると複雑な構造のアンテナに波長を同調させるという難しい技に調整しましたが、なぜそんな実験をしていたかというお話は、次の機会に書き込みたいと思います。

Posted at 2022/03/27 11:07:56 | トラックバック(0) | 新・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2022年03月09日 イイね!

新・お客様の質問にお答えして 第18話


新・お客様の質問にお答えしても第18話となりました。

今回のお話は初めて来店された方や、ピュアディオのユーザーになってまだ間がない方に多い、「デッドニングとピュアディオの防振はどう違うのです?」というご質問です。


まず新規でピュアディオにおみえになったお客様に防振の説明をすると、「それってデッドニングですよね。」と言われますが、一般的なデッドニングとピュアディオの防振は手法も結果も全く違います。

そもそも今のデッドニングは1990年代に開発された防振方法を受け継いでいて、2000年以降に車のドアは大きく変わって、ピュアディオでは2000年以降に防振の発想を180度変えました。


それは1990年代のドアの外板側が強くて、内側の鉄板が柔らかくて、内側に主に防振材を使うという手法が、2000年以降に発売された車では真逆になっていて、外板側を柔らかくして追突された時の衝撃をやわらげて、内側の鉄板を固くして中の人を守るという考えで、2000年ぐらいを堺に内外の硬い・柔らかいが完全に逆転してしまっているのです。

なのでこの様に内側の硬い鉄板に大量に同じ防振材を貼っても、ブチルゴムの鈍い響きがスピーカーの音に乗っかって、低音の量は増えるが本来の音楽の音とは別な音という事になってしまいます。

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せっかく他所のお店で貼られたデッドニングの防振材も、ピュアディオの防振と音の互換性がないために、全て剥がしてから一から防振をやり直さないといけません。

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これだけ大量のブチルゴムを使っていると、ゴムの膜で太鼓の様になって確かに音圧はアップしますが、ピュアディオの防振の小気味よい音とは全く違い、音楽性が殺されている感じで、元々デッド=死を意味しているので、言葉として縁起も悪いのでピュアディオはデッドニングという言葉は使いません。

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ほぼ同じ様なドアでもインナーパネルの樹脂部はゴムを含まない金属シートで貼って、切り口は全てシリコンでコーキングしてあります。

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またピュアディオではほぼ響かない硬い内側の鉄板に防振材を貼るのではなくて、外側の柔らかい鉄板の裏に共振点の違う複数の防振材を使って、ドア全体の響きをトータルで静める様な手法を取っていて、ドアの重量が増えない割に高い防振効果が得られる様に、それぞれの車のドアの響きを研究して、組み合わせを考えています。

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それに加えてピュアディオではデモカーや代車など、多くの車を所有していて、実際に長時間走行してその結果がお客様が支払われる価格に対して、最も有効であるという事をテストしています。



他には国産車のドアで広くサービスホールが空いている場合は金属シートで穴を塞ぐ防振を行って、切り口は全てシリコンでコーキングして、将来的な剥がれを防止しています。

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これは他店で内張裏に防振材を貼った例ですが、1年ぐらいで剥がれを起こしていて、元々効き目の薄い防振材が更に効かなくなっています。

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ピュアディオでは内張裏にはマットを貼らずに、石灰石をベースにしたセメントコーティングという手法で、乾燥すればカチッとした小気味よい響きでスピーカーの音色に余分な響きを重ねない様にしています。

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このセメントコーティングは開発当初は均等に塗っていて、それではドアが重たくなる割には振動が消えにくく、逆に薄くして厚い部分と薄い部分をランダムに作る事で、これまで通過していた振動を通過し難くする効果を得ています。


ドアの内張裏はツルツルでそのままではセメントコーティングは剥離してしまうので・・

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表面に粗目を付ける下地作りをした後からコーティング剤を塗り込んで行きます。

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その前のマスキングの作業と合わせると、かなりの時間を要するのがセメントコーティングです。

自分は高校を卒業した後に、美祢市の石灰石加工会社で働いていた事があって、その時に石灰石の基礎や化学変化によるPH値の変化など、カーオーディオ業界の人が普通は得られない情報を叩き込まれていて、その後カーオーディオの職に就いてから10年後にこの時の社員研修が役に立つ事となりました。


そんな訳で初めて来店された方から、「防振とデッドニングは同じですよね?」と言われましても、「手法も材料も考え方も全く違います。」とお答えしています。

Posted at 2022/03/09 10:20:16 | トラックバック(0) | 新・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2022年03月02日 イイね!

新・お客様の質問にお答えして 第17話


新シリーズになって17回目になったお客様の質問にお答えするも、新しい読者の方のために旧シリーズのおさらい的な事が多かったのですが、最近の井川ブログで初公開した画像に関する質問を頂きましたので、早速お答えしたいと思います。


その問いは「1週間ぐらい前にピュアコンの内部で使うコンデンサーに、ハンダ付けで熱を加えると沢山クリップをして、エアーで急冷却をかけても値がズレるという写真が出ていましたが、クリップしたり冷却しないとどうなるのですか?」という内容でしたのでお答えいたします。

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元々ピュアコンはベーシック用もJU60用の2桁表記の物を使用していたのが、サウンドピュアディオが音楽番組を始めて、その制作の時に多くのボーカリストの生の声を聞ける様になって、「今の二桁表記のピュアコンの精度では出せない表現がある」と気が付いて測定精度を10倍に上げて3ケタ表記で正確な制度で左右を合わせる、実際には4桁目まで正確に測定して選別に上げました。

ただ音楽番組を続けていると3桁でも本当は足りないのでは?と思い出して、そこからもう10倍測定精度を上げて、4桁表記の5桁目を正確に測定してしていて、ただしそこまで左右をペアリングすると片側2個のコンデンサを合成して容量を出さないと希望の値が出ないために、あらかじめ測定したコンデンサを細かい数値で分類してストックして、そこから取り出して合成して、必要な値に合わせてハンダ付けしていました。

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ただし自分の中で合成コンデンサは音が悪いというイメージがあって、でも細かい数値を出すにはそれが必要で、何故合成すると音が悪くなるかを調べたら、ハンダ付けの前と後で値が変わっている事に気付きました。

そこで放熱クリップの数を増やすと数値のズレが少なくなって、音の荒さも無くなって来て、「ここが原因だったのか!」と知る事になりました。

そのズレに関しては「もしクリップが少なかったり、クリップが無いとどのぐらいズレるのですか?」という質問もお客様から頂いていて、先日の写真のズレの10倍かそれ以上というレベルでズレます。

ただその実験をすると使えるコンデンサがお客様に出せない状態になるので、過去はそのぐらいズレるという事で数値が正確になっても合成を避けて1本物で何とか音を合わせようとしていて、実際にはなかなか合わなかったという仕事の仕方をしていました。


そのお話をしたら、お客様の方から更に「ハンダ付けをしなくて合成したら音が変わらないのではないですか?」というご質問を頂きました。

確かにその通りなのですが、ネジ止めや寄り合わせなどで導通させると新品当初は音が良いのですが、車室内の温度の上下や湿気などで接触面が酸化して来ると、先々はその性能は維持出来ないので、そのためにハンダで囲って影響を受けない様にして、そのコンディションを長期間保つために今の手法を取っています。

ちょっと既にユーザーの方でないと分かり難いお話でしたが、メーカー製のパッケージのネットワークはクリップしてハンダ付け出来る構造ではないので、どうしても滑らかな音が出せない状況にあると言っていいでしょう。

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Posted at 2022/03/02 10:34:55 | トラックバック(0) | 新・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
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サウンドピュアディオの井川です。 福岡県・山口県でカーオーディオ専門店を営んでいます。 アーティストとのコラボレーションにより、より生演奏や生の声に...

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