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ピュアディオいがわのブログ一覧

2025年07月17日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第30話


お客様の質問に答える第三シリーズもとうとう30回目の書き込みとなりました。

自分が店頭で集めさせて頂いたお客様からの質問は、最近の傾向としては以前書き込んだ内容のもっと深い部分を知りたいという声が多く、今回も以前聞いた内容をもう1歩2歩深い部分まで説明させて頂きます。


先日福岡店にいて完成車の音調整のために待っている時に、少し時間に余裕があるからと店頭でコイル巻きをしていたら、たまたま来店されたお客様に見られてしまいました。

その様子を見て一言「本当に全部コイルをほどいて巻き替えているんですね!」と驚かれました。

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写真で見るより実際で目の前で見た方が長く感じられる様で、目の前で巻いてほどいて巻いてを実演しました。



それを見ていたお客様から、「あれっ?コイルを巻くボビンに刻みが入っていますね?」と聞かれて、「はい、刻みを入れてグリップを良くして強く巻ける様にしています。」とお答えしました。

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刻みを入れているのは表面だけで、裏は丸のままで、底面は少しでも接着面を増やすためで、上面の刻みだけでも十分に力が入ります。

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おかげで全て巻き上げるまでの時間が2・3割ぐらい早くなりました。


メーカーの工場から出荷されたコイルはホームオーディオを前提としているので内径が大きく、電磁波を内側から吸い込みやすいので後から特注で製作してもらった内径の小さいボビンに無酸素銅を一から巻き替えています。

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この手間で音が良くなるから不思議なものです。



その日別なお客様が福岡店に来店されて、「もう10年以上前のピュアコンを使っているけど、新しいピュアコンに変えたら音はガラッと変わりますか?」と聞かれて、「ガラッと変わるというよりも、バッサリ変わるという感じです。」と自信を持って答えました。

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それとCDの時には音に満足出来ても、ナビゲーションにスマホを繋いで音楽を聴くととても音が薄く感じて、それが不満という事でした。

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そこで「最新版のピュアコンはスマートフォンで音楽を聴いても音が薄くならない様に設計してあります。」とご説明して、ピュアコンの全てのユニットを入れ替える事になりました。


そして10年以上前に取り付けたピュアコンを取り外して・・

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最新の物に交換したらどうでしょう?

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何とお客様が言われていたスマートフォンで音楽を聴くとCDに比べて薄く聴こえるというのが無くなって、「ピュアコンを替えるだけでこんなに音が良くなるんですね!」と驚かれていました。


なぜそうなるかという説明をするととんでもなく時間がかかるのでここでは省略しますが、一言で言えば10数年前のモデルはCDで聴くのが前提で、現行モデルはスマートフォンで聴く事の方が多いという考えで設計しているという事です。

ただお客様はそれでCDの音が悪くなるのではなく、スマートホンの音が良くなった様だと言われていました。


今日は他にもう2つご質問へのお答えがあって、毎回出て来るコントロールコンバーターの色分けで、4色の音の傾向が違うコンバーターがあって、同じ週に同じ色が2回出た時の事を考えて、宇部店と福岡店で各色2個づつの合計8個を在庫していて、先日福岡店でピンクラベルを使ったので、今日補充して合計8個にします。

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その4色について「中のパーツを交換出来る様にしたら在庫を沢山持たずに済むのではないですか?」という事を複数のお客様からお聞きしました。

1990年ぐらいのナカミチのホーム用のプリメインアンプで使うレコードプレイヤーの特性に合わせて中のパーツが換えられて、どこのメーカーのプレイヤーでも差が出ない様にするという部分を真似してのもあって、当初は1つのモデルを中のパーツを換えて対応していましたが、回路のシリーズ接続とパラレル接続を選ぶというのがあって、差し替え方式にすると接続部分が増えるのと、今のコンバーターは横方向には余裕があっても上下方向が寸法がギリギリなので、パーツは最初から固定で行くという方針に途中で決めました。

何と言ってもその場でスパッと変えて聴いて、合わなければ次に変えてと、音調整に時間がかからないというのもあって今の方式に辿り着きました。


欠点は8個の在庫を常に持たないといけない事ぐらいでしょうか。



最後に質問は先日のブログであった、宇部店を改装したらホームオーディオの店に見える様になった件で、「ホームオーディオが欲しいというお客さんが来られるのなら、ホームオーディオを販売したらいいんじゃないですか?」という事です。

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宇部店の店頭の奥の方にはホームオーディオのカスタマイズしたスピーカーが常に数点あって、何も知らない方がホームオーディオの店と間違えてふらりと入って来られても、「当店はホームオーディオは販売していません。」とお断りしているのを、「そういう方にも販売したら入り上げが上がるのでは?」という声もあります。

ただホームオーディオはカーオーディオに比べてもっと主義主張が強くて、「ここのメーカーのこの方番でないと!」とか、「この評論家の人があの商品を褒めていた!」など、当社の目指す音造りと全く違う話を聞かないといけなくなるので、一律に「ホームオーディオは販売していません。」と言っています。

宇部店の奥はお客様が使われていたカー用のユニットが「車を買い替えたら合わなくなって、もったいないから家で聴ける様にして下さい。」という時にエンクロージャーに組んでホーム用にした物がほとんどです。

たまには「家でもピュアディオのカーオーディオみたいな音が聴きたい。」というお客様のためにカー用のユニットは使わずにホーム用の小型のスピーカーをチューンしてワンオフで製作したりと、ピュアディオのカーオーディオの音が好きな人しか対応してしていないので、一般的なホームオーディオのファンの方には合わないので一切お勧めしていません。

雑誌に載っている製品を何でも展示している専門店もありますが、サウンドピュアディオはそういう専門ではなくて『セレクトショップ』という意味の専門店という風に自分は考えています。


以上、お客様の質問にお答えしてでした。

Posted at 2025/07/17 10:35:51 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2025年07月09日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第29話


今月最初のお客様の質問にお答えするシリーズは、まずは最近施工数が増えているフェンダー周りに施工する防振施工です。


現在の宇部店にはフィトクロスターとセレナの2台が入庫して施工を行っているところです。

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ご質問は以前からの施工のドアのセメントコーティングと、フェンダー周りの防振は最初は青白いのがだんだん茶色に変わって来るのが同じで、「同じ材質を使っているのですか?」という質問をかなり頂いています。

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実はフェンダー周りや底面は吹付の塗装に近い材質で、ドアのセメントコーティングは厚くて粘度が高いので完全な別物ですが、ひび割れを起こさない様にするためのつなぎの成分が全く同じ成分のために、この成分の乾燥に伴う化学変化が同じために、同じ様な色の変化となっています。

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ちなみにドア用の材質をスプレーに使うと完全に詰まってしまいます。




次の質問はピュアコンに関してで、ピュアコンはブラックボックスが通常2個で4個並んでいる物とどういう風に動作が違いますか?という問を良く頂きます。

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メインボックスと呼んでいる箱と、後から追加で付ける、またはJU60では必ず付けるツイーター・アシストボックスの2種類があり、動作原理はメインボックスだけでは高音の中音域よりの下の方の音が歪むので、ややレンジを狭めにして鳴らしているのが、ツイーターアシストユニットを取り付ける事でその雑味を取り除いて、本来再生出来る音域幅を余裕を持って再生出来るために、JU60には取り付けないと逆に勿体ないので標準としていて、フロントだけでも大音量で鳴らされたり、ウーファーを加えてそれに合う様にフロントも大き目な音で鳴らす方には是非使って頂きたいユニットです。



もう一つピュアコンについては、これまで何回かのマイナーチェンジを加えて来たメインのブラックボックスは、2006年ぐらいに最初のマイナーチェンジを行って、2015年・2019年・2024年とマイナーチェンジを繰り返して来ていて、そのマイナーチェンジを行う根拠がアーティストさんのお付合いの数が増えると「これで良かったのか?」と疑問が出て来て、写真のボックスは最初の数字が2桁で2番目の数字が3桁で最後のアルファベットが2桁の2015年モデルで、その後最初の数字が3桁となり、アルファベットは3桁に増えています。

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FM福岡で制作していた『サウンドピュアディオプレゼンツ音解(オトトキ)』を放送している時期には毎月何人かのボーカリストとお会いして生の声を聞ける様になって、斉藤和義さんとスキマスイッチの大橋卓弥さんに同じ週にお目にかかった時に、「もう3桁では表現の限界!」と、JU60用に関しては最初の数字を4桁に増やす改善を行いました。

上の写真の表示は30は3・0という意味で、それ以降小数点以下2桁測定精度とパーツの選別精度を上げました。


近年のマイナーチェンジは2019年の後半にサウンドピュアディオはグループ展開をやめて本来の宇部店と福岡店に戻った時に、加盟店があるが上にインピーダンスの低いピュアコンを作らないといけないという必要がなくなって、自分の作りたいボックスが作れるので、インピーダンスを0・2Ωから0・3Ω平均して上げる様にして、ヌケ重視ではなくて艶のある本来の音楽を目指す事が出来る様になりました。

実際にはグループ店では本来使う用途とは違うインピーダンスの低いボックスを使うのが常態化していて、さらにこちらで作ったボックスの中を改造して更にインピーダンスを下げる事をしていて、本来の音楽とは違う独自の良い音を目指していました。

ただインピーダンスのズレは5%・10%ならまだしも、係数が1400と1950という差で、インピーダンス換算で差が1・39倍ですから、40%も音抜けを良くしているので、これはピュアディオの音とは違うサウンドを目指していると言っていいでしょう。


その独自の数字を選ぶ店への供給が無くなると、今度はこれまで出来なかった手間をかけられる様になって、メーカー製のコイルの無酸素銅の線をボビンからほどいて、一から別なボビンに巻き替えるという作業が出来る様になりました。

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このコイルの手巻きに関しては、「なぜ手巻きすると音質が良くなるのですか?」という質問を多く頂きますが理由は2・3あり、1つはメーカー製のボビンは内径が大きくて車から出ている電磁波の影響を受けやすいという事で、内径がかなり小さくなっているのがお分かり頂けるでしょう。

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2つめはコイルを巻くボビンの材質で、メーカー製の硬い材質に比べて、やや柔らかい材質を使ってコイルから出る微弱振動を外に逃がす様にしています。

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3つめはコイルを手作業で巻くと機械巻の様に同じ方向に巻くだけでなく、ムラが出来たらその原因の場所までほどいて戻って、そこから締め直してまたきつく巻くを繰り返して、機械巻では得られない精度のコイルを巻いているからです。

これは誰が巻いても同じ結果が出る訳ではなくて、巻く人間の力量によって変わります。


分かりやすく言えばただ力を入れて巻くのではなく、気を入れて巻くという、常に同じ力がかかっていて、力のムラが無い巻き方という職人技になります。


最後にもう一つピュアコンについてで、市販のネットワークは1つのケースの中にパーツを全て詰め込むので、この様にコイルとコイルが近づいていて、ピュアコンの様にMDFの板の上に一定の距離をおいて取り付けるのでは、見た目はアクリルで透明でカッコよく見えますが、ここまでコイルが接近した状態では音に抑圧感が出てしまうので、メーカーのネットワークは一切使わないという理由の一つになっています。

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過去に書き込んだ事と重複している部分もあったと思いますが、これまで以上に詳しく説明出来ていると思っています。


以上、日々お客様から頂いている質問にお答え致しました。

Posted at 2025/07/09 12:34:27 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2025年05月30日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第28話


お客様の質問にお答えするシリーズは、店頭で日頃からお客様の質問で複数の方から同じ様な質問があった場合に、「他の方も同じ事が気になっておられるのでは?」という事で書き込ませて頂いています。

そんな質問が2日前の新山口駅のFM山口ゼロスタジオからの『コージネス』の中の自分の出演部分についてあって、「あまりに早口で概要は分かったけれど、詳しい部分が良く分からなかった。」とか、「あの話は後から文字起しをしてもらえますか。」などのお話を頂きました。

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水曜日の朝のブログで書かせて頂いていましたが、その日の放送は月曜日まで違うテーマでトークする予定でしたが、自分の要望で急遽テーマを変えた事によってちょっと忙しい喋りになっていました。


元はジャズピアニストの国府弘子さんについてお話する予定でしたが、日曜日に予定以外の出来事があって、それで月曜の午前にテーマを変えたい事を局に伝えて、パーソナリティーの大和良子さんにコーナーが始まる前に音楽がかかっている時に、「今日はこれだけの内容を話したいと思っています。」と、お伝えしました。

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その内容は日曜日に渡辺翁記念会館で行われた岩崎宏美さんと国府弘子さんのコンサートについての話を、国府弘子さんについてお話しするというのが当初の予定で・・

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国府弘子さんのコンサートは途中で休憩をはさんで、休憩の間にピアノの調律をやり直して完璧な演奏をされているという様な事と、国府弘子さんとお付合い出来る様になったのは尺八奏者の藤原道山さんからのご紹介で、藤原道山さんは三味線奏者の上妻宏光さんからの紹介でという、人と人とのつながりで1990年代から音調整用のCDの一つのジャケット写真でしか見た事の無いご本人とお付合い出来る様になったという話で時間を全て使う予定でしたが・・

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何とこれまでは楽屋から帰られる後ろ姿を見た事しかなかった岩崎宏美さんと、今回初めて国府弘子さんを通してお目にかかる事が出来たので、タイトルを急遽『岩崎宏美さん』に変えたので、その前の解説を加えて本題に入ったので、それでも予定時間は限られていたのでかなり早口になっていたのでした。

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完全な文字起しではありませんがどういう内容だったかという事を時間があればもっと話したかった事を加えた上で書き込みますと、まず今から10年ぐらい前だったか、東京国際フォーラムにデビット・フォスターさんのコンサートに行った時の話から始まりました。

まずその時に自分が座った席がとんでもない席で、かなり前方のセンターよりやや右寄りの席で、最前列の真ん中には今は亡くなっていますが、特ダネの小倉さんが座れていて、その横にフジテレビの中野美奈子アナが座られていました。

自分の少し前にはアメリカの大使が座られている席があって、その周りはスーツを着た背の高いSPが沢山いて、その席の辺りにはMISHAさんがおられて、MISHAさんはこれまで2回サウンドピュアディオ関連のラジオ番組に出演されていて、お父さんが山口県の防府市出身という事もあって収録の前後でそんなお話もさせて頂いていたので、何とかご挨拶に行きたかったのですが、さすがに沢山のSPがおられている席には近寄りがたく、結局ご挨拶には行けませんでした。

コンサートの途中で何故MISHAさんが大使の席に座っておられたかわかって、それはコンサートの中盤でMISHAさんが会場の中からステージに上がって歌われるという演出があって、それで大使席のSPがおられる所に座られていたのでした。


そのアメリカの大使席から少し右の方に大物男性ボーカリストのAさんが座っておられて、SPににらまれながらもコンサートが始まる前にAさんの席まで自分は行って、「番組収録で3回ほどお会いしたサウンドピュアディオの井川です。」とご挨拶させて頂きました。


そしてコンサートが終わって、MISHAさんはステージに上がったまま帰って来られず、最前列の真ん中におられた小倉さんはアンコールの途中で関係者口からはけられていて、それを知らなかったAさんは小倉さんの席の方に行かれて、「あれっ?小倉さんがおられない?」という感じだったので、自分が駆け寄って「小倉さんはアンコールの時にはけられました。と伝えたのですが、多くの女性のファンの方がAさんがいるという事で沢山集まって来られました。

そこでAさんが帰ろうにも前になかなか進めなかったので、自分がマネージャーを気取って、「先に進むので後を付いて来て下さい。」と「すみません。すみません。」と人をかき分けかき分け進んで、Aさんを出口の方に誘導していました。


その人をかき分けかき分け進んでいたら、何故かそこには岩崎宏美さんがおられて、一緒に行かれたいた方とコンサートについて話されていたので、ついついい岩崎さんの生声を後ろから耳をそばだてて聞いていました。

しかししばらく岩崎さんの生声に聞き行っていたら、あまりに生声を聞く事に意識が集中し過ぎてAさんがどこにいるか意識せずに、勝手にスイスイい進んで見失ってしまいました。


その時はまずい!と頭の中が真っ白になってしまい、岩崎宏美さんも先に進まれて見失いました。


それが10年かそれ以上前の話で、その時はまだ岩崎宏美さんと国府弘子さんのピアノ・ソングズが始まる前で、その頃に自分は国府弘子さんと知り合う事が出来ました。


話しは日曜日に戻って、ピアノ・ソングスのコンサートの後は自分は国府さんから楽屋入りの招待を受けていたので、まずは関係者しか入れない入り口を他の著名な方と入って・・

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撤収しているステージの横を通って・・

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岩崎宏美さんと国府弘子さんの楽屋の前に着きました。

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楽屋の前で国府弘子さんと記念撮影をしていて、先ほどのデビット・フォスターさんのコンサートの時の話を国府さんにしたら、まだ岩崎宏美さんがおられて、写真の自分の方の所の薄い緑の服の方が岩崎さんで、国府弘子さんが「宏美ちゃん、こちらの社長さんが・・」と呼んで来られて、遂に自分は初めて岩崎宏美さんの生声を真正面から聞く事が出来ました。

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10年前に後ろから聞いた時は確かに岩崎宏美さんの声でも少し音域が欠けた状態で聞いていて、真正面から全ての声を音域をダイレクトに聞けた時は感動しました。


更に自分の存在も知って頂き、CDかコンサート会場でPAを通してでないと聴けなかったのが、感動の瞬間でした。


自分がオーディオの仕事をしていて歌っているご本人の声を目の前で聞けるのは本当に感動の一言で、更に音調整で使っているCDのその本人に自分の存在を知ってもらったという事は、音に関する仕事をしている真骨頂で、生音・生声とブログで書いてもおかしくはないでしょう。


そんな事が日曜日にあったので、月曜日に『コージネス』のコーナーの内容を急遽変えて、10年間の様々な事を6分30秒にまとめたらあんな早口になってしまい、かといって全ての内容が伝えられた訳ではないので、ここで文字に起こして追加の部分も加えてお届け致しました。

Posted at 2025/05/30 11:14:44 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2025年05月15日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第27話


いつもは店頭でお客様からお聞きした話を、他のお客様も同じ様な事を思われているだろうと掲載しているこのシリーズですが、今日に限っては質問された方がピュアディオのユーザーの方ではない話ですが、皆さんが興味があると思いましたので、27回目として掲載させて頂きます。


まず一つ目は5月6日に福岡店で行われた無線のイベントの時ですが、休み時間に2回に分けてピットにあるコイルの棚をお見せして、0・7μヘンリーから1000μヘンリーを超える値のコイルを細かく何百種類をストックして、色々な車種や特製の違うスピーカーに対応しているという説明をしていた時の話です。

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来場者の中に市販のカー用スピーカーのネットワーク回路に手を入れた事がある方がおられて、その方はコンデンサを上質な物に交換したり、コイルの巻き数を変えた事があるという事でした。

ただ自分もピュアコンを開発する前は同じ様な事をやっていて、コイルは普通ほどく事は出来ても足す事は出来ないのでジワジワほどいて行っても、なかなかほどいてもほどいても音が変わりません。

その事を言われていると思いますが、この手の実験をした事のあるショップの人も、「コイルの巻き数をしょうしょうほどいても音は変わらないから、細かく巻き数を変えてストックしても無駄だ。」と言われる同業者の方もおられます。

『コイルは巻き数を変えてもほとんど音は変わらない。』という話と、『コイルの巻き数を細かく変えて音を微調整する。』という2つの話はどちらが本当なのでしょうか?


答えは『両方とも本当の話です!』という事で、自分自身がスピーカー付属のノーマルのネットワークのコイルをほどいてもほどいてもほとんど音が変わらないというのを実感していて、ところがその反面『ピッタリ音がマッチングする所はほんのわずかしかない!』という事があり、更に『本当にマッチングする前には一度音が悪くなって聴く気がしなくなるポイントがある。』という事も体験しました。


話は一度スピーカー付属のネットワークの話になり、自分は日々の作業でなかなか音がまとまらなくて、何度もコイルを交換してという事をブログに書いていますが、オーディオメーカーのネットワークは1種類のコイルで全ての車種を網羅していて、ずば抜けている事はなくてもそこそこ音楽は聴けます。

そのメーカー製のネットワークは実は2種類の方式があって、その一つが自分が『透かしのネットワーク』という方式です。

それはツイーターの下限周波数とミッドの上限周波数の間を透ける様に離して、中音域が薄い分高音と低音が強く聴こえるネットワークで、ロック向きとかドンシャリとか言われている特性の物です。


もう一つは自分が『重ねのネットワーク』と呼んでいる特性の物で、ツイーターの下限周波数とミッドの上限周波数が広く重なった中音域が濃い物で、クラッシック向きとか女性ボーカル向きと呼ばれている方式で、自分がメーカー製のネットワーク回路を分解するとその2つの方式しかなく、そのうちのロック向きとかドンシャリと言われているネットワーク回路の方が世に多く出ていて、そのネットワークのミッドの上限周波数を決めるコイルが巻き過ぎのためにほどいて行くと、ほどいてもほどいてもほとんど音が変わらないという現象が起きます。

ただあるポイントになると急に音が変わって、まず音が急に聴き辛くなって、ここで「あーっ!失敗してしまった!」とほとんどの人がここで実験をやめてしまうでしょう。

ただ実際にはその音が悪いポイントを通り過ぎると急に音が良くなるポイントが出て来て、そこから欲をして更にほどいて行くとまた違うパターンで音が聴き辛くなり、「あーっ!ほどき過ぎてしまった!」となって、もう元には戻らなくなります。

そこから更にどんどんほどいていけばクラッシック向きや女性ボーカル向きと呼ばれる同じ音域を重ねた特性になり、それなりに聴けるネットワークになりますが、そんな実験を平成になって間がない頃はよく行っていました。


それでは良いマッチングの前後で何故急に音が聴き辛くなるかと説明しますと、最初に巻き過ぎのコイルをほどいていってほとんど音が変わらない所は広い範囲で音が透けているのが、急に一部分だけ狭い範囲が透けているので、それがとても聴き辛い音になるのです。

その後良いポイントを過ぎると、今度は同じ音域がほんの少しだけ重なって、狭い音域にピークが出来るとそれはそれで聴き難くなり、更にそれを通り過ぎると広範囲に重なって来るからそれなりに聴きやすい音になるという訳です。


平成の初めのメーカー製のネットワークのコイルをほどいていくチューニングでは、ほどき過ぎるのが怖くてかなり手前でほどくのやめていて、一番良いポイントの手前の聴き辛いポイントさえ辿り着いていない中途半端なチューニングを行っていました。

ある日思い切ってこれまでほどかなかった領域までほどいて、音が良くなったからと調子に乗って更にほどいたら、一番良いポイントを通り過ぎて、聴き辛い音になったので更にほどくと、同じ音域が重なり過ぎて、違う意味でのメーカー製ぽい音になってしまい、そこで考えたのがホームオーディオ用の自作ネットワーク用のコイルを入れる事を考えました。

ただそれはホームオーディオ用の市販のコイルはサイズが大きくて、カー用のネットワークのケースの中に納まらないので、外に取り付ける方法で交換しやすくて大きいサイズが使えるというのが、今のピュアコンのスタイルの原型となりました。

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ここまで来ると中音域側でなくて高音側もコンデンサの交換だけでなく、一から回路を考えて最初から別ケースに組む事により、高音側と中音側の特性を自由に別々に変えられる様になり、メーカー製のネットワークの呪縛から完全に開放されました。


それまでは高音域の周波数幅とレベルはメーカー推奨値をそのまま使っていたのですが、メーカーの値は1個のボックスで幅広い車種に対応させるために、ツイーターの音域をかなり広めに取っていて、そのためツイーターのレベルを決めるアッテネータ抵抗はかなり値の高い物で、ここを適正な周波数レンジに狭くすればアッテネーター抵抗の値を小さく出来て、もっと音が新鮮になるのでは?と考えたために、ピッタリ合うブラックボックスを求めてどんどん種類が増えてきました。

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ここまで来たらもう市販のネットワークとの差は歴然で、1種類のネットワーク回路で多くの車種に対応する事が出来ないどころか、近年では純正のディスプレイオーディオの特性が度々変わっていて、前のデーターそのままではキツイ音や間抜けな音になってしまうという事もしばしばで、これまで以上に手をかけないと以前の車と同じレベルの音にならないという時代になって来ています。



もうひとつピュアコンに関する質問でお客様ではない方からで、金融機関から資金調達をしている事から、サウンドピュアディオの運営に対しての質問を年に一度程度は詳しい説明を求められる事があります。

過去にはグループ店8店舗という時期もあって、2019年に最後の加盟店と契約を終了してからは全く店舗を広げる予定がありません。

そこで何故加盟店をもう増やさないかという事や、なぜ辞めたかという質問に対して事細かく説明が必要で、そこで金融機関に分かりやすく数値化した報告を出す事で、業界に詳しくない方でも分かりやすい報告が出来る様になりました。


以前は店舗店舗で勝手な音造りをして、ラーメン屋で言うと支店が勝手な濃い味のラーメンを出す様な事と具体性に欠ける説明をしていたのが、この味の濃さの部分を数値化したら、本店または福岡店での数値が1400かそれ以下であるのに対して、加盟店は1950という数値で音決めしていて、5%10%の誤差ならまだしも、こちらの1400という数値化は最も高い値で平均値ではなく、平均値で換算すると40%以上の音の濃さでこれはもう別物で、全ての店の言うには「お客さんは自分の音の方が良いと言っている。」という事で、本店とは違う独自の世界で、これは同じグループとするには無理があるでしょう。

これだけでは金融機関にとっては十分な説明ではなく、たまたま他店で取り付けた車がメーカー製のネットワーク付き入って来た時に係数を調べたら2200で、1950に対して13%程度の誤差で、業界の平均値に対してやや薄味の音造りで、本店の音造りとは別なもので、あくまで業界の流れを基準に少しオリジナリティーを付けたもので、係数を思いっきり下げないとどうしてもアッテーター抵抗の値が高くなるかうるさくなってしまい、音楽本来の音にはならないという報告をしました。


ただ旧加盟店のお客様の中にもこの音造りに対して不満を持たれている方もあって、ピュアコンをこちらで替えさせて頂いた事もありますが、ピュアコンを自分で勝手に改造して本来無い値を作って、それを正規の物に交換したら本来目指していた音になったというお話をしました。


今回の2例はユーザーの方からの質問ではありませんでしたが、ユーザーの方が知られたい部分の話があったのではないかと思い、あえてこの場で書かせて頂きました。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

Posted at 2025/05/15 11:02:45 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2025年05月02日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第26話


お客様の質問にお答えするシリーズは元祖と新シリーズと続シリーズを合わせてもう100回は軽く超えていると思いますが、最初の頃に比べるとカーオーディオ業界や自動車業界もかなり変わっていて、オーディオレス車の多かった初期から、途中で純正のナビオーディオが増えて来て、現在では純正のディスプレイオーディオ車が主流で、扱う線品の種類や中の仕様も時代に合わせて変わって来ています。


そんな中、音が良いと言われたカロッツェリア✕やダイアトーンのサウンドナビも市場から消えて、お客様からは「サウンドピュアディオはカロッツェリア✕店にもクラブダイアトーン店にもならなかったのは、かなり未来を見据えての事ですか?」という質問をお客様から頂きました。

もう一つ「社長は最終学歴が工業高校の電気科と度々書かれていますが、何か後からビジネススクールに通われていましたか?」という質問も頂いています。


御察しのとおり複数のビジネススクールや社長の道場と呼ばれている会合など、一時期は新幹線に乗って毎月通ったりとしていました。

専務は専務でまた別なビジネススクール的な所に通っていて、全く別々な情報を入手してサウンドピュアディオのあり方を決めているので、メーカーや評論家に頼った一般的なカーオーディオビジネスでは先が見えないので、独自の道を作っていました。


そういうビジネススクール的な事だけでなく、もう一つは2006年に始めた音楽業界に対するスポンサー活動で、ナカミチの創業者の中道悦郎さんの「良い音楽を作る人がいるから自分たちのビジネスが成り立っている。オーディオを作る人が音楽を作る人より上という考えではいけない。」という言葉を、2006年になってやっと実感してスポンサー活動を始めました。


ビジネスの勉強と音楽業界へのスポンサー活動を通して本当の音や本当の声を知る事は、例えばリアカーを引くのに2つのタイヤのどちらがだめでもきちんと真っ直ぐ進まないのと同じで、どちらも重要な事です。


ちなみに5月1日と2日はFM山口でピアニストの国府弘子さんのトークが流れて、1日の2回の放送はもう終わっていて、今日の16時からのサムデーの中で3回目のサウンドピュアディオが放送枠を用意している国府弘子さんのトークが流れます。

そして明日5月3日はアレキサンドロスさんの特別番組『サウンドピュアディオプレゼンツ 音解(オトトキ) アレキサンドロススペシャル』が、FM福岡が11時から11時30分まで、FM山口では11時30分から12時まで放送されます。


2006年にスポンサー活動を始めたという事は、複数のビジネススクールに通って、そこでオーディオのビジネスを成功させるにその元になる音楽をきちんと知るという事を知り、今のサウンドピュアディオのビジネススタイルが確立されました。


最後に最も多い質問ですが、「ダイアトーンブランドはなぜ急に無くなったのですか?」という事ですが、これはデリケートな部分もあるので、SNSに書き込まない方のみに店頭でお教えしています。


いささか急ぎ足ではありましたが、お客様の質問に3つほどお答えしました。

Posted at 2025/05/02 10:40:12 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
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サウンドピュアディオの井川です。 福岡県・山口県でカーオーディオ専門店を営んでいます。 アーティストとのコラボレーションにより、より生演奏や生の声に...

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