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ピュアディオいがわのブログ一覧

2024年09月02日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第16話


不定期シリーズのお客様の質問にお答えするは、7月に2回書き込んだものの、8月は一度も書き込んでいませんでした。

今日お届けするのは最近店頭で聞かれる事が多い2つの事で、まず一つは先週の水曜日にFM山口のコージネスの中で、いつもは大和良子さんと井川の二人でトークしている部分で、お客様を交えて3人で話していて、短い時間にかなり内容を詰めて話したために、「あの回の内容をもっと詳しく聞かせてもらえませんか?」と言われた方がかなりおられたので、ここで文字にして内容も追加してお話させて頂きます。

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今回のテーマは7月と8月通しで、『オーディオボックスからサウンドピュアディオ』というタイトルで、1982年に宇部市にカーオーディオ専門店サウンドピュアディオとして誕生して、途中で小野田市有帆に移転して、それからまた宇部市の今の場所に引っ越して来て、1990年代の後半に80年代にあった様なスタジオで使っている素材に近いスピーカーが無くなってきて、ストックしている在庫が無くなって来て危機感を持ったという話をして、それで2001年にサウンドピュアディオというブランドを立ち上げて、オリジナルのZSPというスタジオ的な素材を使ったカー用スピーカーを発売して、店名もサウンドピュアディオと変えたというお話が7月の放送でした。

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第二回目の放送では宇部市の会社の社長の会の異業種交流会で知り合った吉長社長をお招きして、1990年代のサウンドピュアディオのネガティブな部分と、サウンドピュアディオになってごく最近のベーシックパッケージのトリプルパッケージとの音の比較で、これだけ音が変わっているのだから、やはり店の名前も変えないとという様な話の流れになっていました。

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吉長社長は今から12年前に『アイワ工業』という会社をお父様から受け継がれた女性経営者の方で、後に銀行が主催する社長の会に参加されて、その時に「私は以前オーディオボックスの時にお店に行った事があります。」と話しかけて来られました。

実際には自分が買われたのではなく、御主人が結婚される前に購入されていて、1990年代に車の買い替えの時にノーマルに戻されて、その機器はリサイクルショップに売られたのか、その後30年間は当社とはお付き合いが無くなっていました。


自分の思うにはこれから結婚するのにこんなお金のかかる趣味をして、もう手放してこれからはノーマルで聴きなさいという話になったのではないかと予測されて、90年代の後半の造作する音のカーオーディオが段々主流になって来て、その中で何とか本物に近い音を出そうともがいていて、それでも満足出来なくて離れて行くお客様が多くとても危機感を持っていて、そんな時期に当店から離れられて、そこから30年経って社長の会で知り合って、今の音造りは当時と全く違うという事を知って頂く事となりました。

その吉長さんをはじめとして多くの方が離れて行った理由は、値段が高い割に満足感が低く、あれこれと沢山物を付けないといけなくて、これが本当の音に近い音です!と示す事も出来ず、離れられて当然だと自分自身も感じていました。

今考えたら1980年代からのお客様が多く、次に2000年代のお客様が多く、1990年代はカーオーディオ業界は物凄く売れていたものの、自分の会社にとっては地獄の時代でした。


そんな時期に「このままでは自分が欲しくない物を販売する様になる!」と思った時に、自社でスタジオみたいな音が出る素材を使ったスピーカーをOEM生産で作ればいいんだ!という事に気付いて、本当は2000年にスタートしたかったのですが、特許庁への許認可の関係で1年遅くなってしまい、2001年にサウンドピュアディオとして名前を変えて再スタートする事になりました。


放送の中では吉長社長はサウンドピュアディオの音を聴くまでは、「店名が変わっただけだろう。」と思っておられたのが、デモカー兼代車のフィットを聴かれて、「えーっ、この音でいくらですか?」と聞かれて、その価格を聞いて驚かれました。

お店に来れらるきっかけになったのは社長の会の飲み会で向かいの席になって、「どんなボーカリストが好きですか?」と自分が質問して、「藤井フミヤが好きで、コンサートに行きました。」と言われたので、番組収録で藤井フミヤさんと一緒に撮影した写真をお見せして、「自分はフミヤさんにお会いして、生の声を聞いた事があるんですよ。」とお話した事がきっかけで来店して頂く事になりました。

店頭に来られたら藤井フミヤさんだけでなく、何十人というボーカリストの方と写っている写真があって、中でもSEKAINOOWRIさんと写っている写真に驚かれていました。

「番組制作の中でこれだけのボーカリストにあって、その全ての声がきちんと聴こえる様にセッティングしています。」という部分と、経営者としては製造工場で出来た製品を200とか500個の単位で仕入れて、自社の倉庫に入れて流通コストを下げて、営業所や中間卸のマージンをカットする事によって、販売価格を落としながら製品の質は上げるという仕組みを構築した事により、これまでのオーディオボックスとは違うという事で店名を変えたという部分にも納得して頂きました。

スピーカーだでなくケーブルに関しては1銘柄100メートルロールを20巻の、2000メートル単位で買い入れていて、これがPST・PSTTW・SKY3・PMBとスピーカーケーブルだけで8000メートル分も買い入れるという、倉庫を別に持っていないととても置き場が無いぐらいの仕入れになります。


2001年にスタートしたピュアディオブランドを10年早かったら、90年代にご主人が買われた時に車を変えてもまた付け続けなさいと言われたであろうと、そんな話を放送では数分間にまとめて3人で喋っていたので、かなり一人当たりの時間がかなり短く、自分が質問された方に一人づつお答えしていたのですが、ここで文章で多くの方に呼んで頂ければ、『オーディオボックスからサウンドピュアディオ』という回に、30年間ブランクがあった吉長社長にお越し頂いたというのがお分かりになれたでしょう。


2回に渡ってオーディオボックスからサウンドピュアディオに名前を変えた根本をお話して、1990年代にいかに苦労して、それでもお客様によってはそっぽを向かれた事があるという、苦しい時代の事を思い出しながら、今のベーシックパッケージとZSPの2本立ての素晴らしいシステムが出来上がった事を嬉しく思いました。


28日の放送の話はここまでにして、せっかく構築したベーシックパッケージというシステムも、近年の純正オーディオのディスプレイオーディオ化で、しかも取り換えが出来ない車種の方が多く、とても良い音を出すのに苦労をしている毎日です。

実際にはCD・DVDが聴けるナビから車を買い替えてディスプレイオーディオになった時に、「前の車の方が音が良かった。」と言われていた事が多くおられて、4年ぐらい前からディスプレイオーディオ対応ピュアコンの開発にかかって、何度もマイナーチェンジを繰り返して、現在はこれが限界という所まで追い込んでいます。

そのディスプレイオーディオ対応ピュアコンについて2つの質問を頂く事があって、その1つが「ディスプレイオーディオ対応のピュアコンをCD・DVD再生ナビに取り付けると、過去にピュアコンよりも音が良くなるのですが?」という事を聞かれる事がよくあります。

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実際にはディスプレイオーディオに対してだけ音が良くなっているのではなくて、音質そのものを上げてディスプレイオーディオでも過去のCD・DVDタイプ並に音を合わせているので、おっしゃる通りディスプレイオーディオ以外のソースはこれまで以上の音質になっています。


もう一つの「これまでのピュアコンよろもどこをどう改善したら今の音になったのですか?」という質問んには、以前から巻きの少ないコイルは手作業で一から巻いていて、純白のボビンでピンクのラベルの物を写真で掲載している事はありましたが、ブラックボックスの中は見えませんが、実はディスプレイオーディオ対応モデルは中のコイルを手巻きして音質を改善しています。


先日台風で停電があった時に、セレナの100Vの電気はピットに送ったので、製作室が暗いから車内でコイルを巻いている写真を載せましたが、メーカー製の内径の大きいボビンから銅線を取り出して、独自の内径の小さいボビンに手巻きで巻き替えて、電磁波を吸い込まない様にしているのと、手巻きならではの精度で音質をアップしています。

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ディスプレイオーディオの音質をアップするのにここまでしないといけないのか!という様な手間のかけ方で、これで音質が上がるのならと毎日手巻きでコイルを巻き替えています。

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(写真は特注で作ってもらった大量のボビンです)


もう一つディスプレイオーディオに対応しているのが、過去にはグループ店が何店かあって、そういうお店が知らず知らずにインピーダンスの低いピュアコンを選んで取り付ける事が多く、インピーダンスを下げればヌケが良くなるからと好んで取付していました。

ただ今のディスプレイオーディオはインピーダンスが適正値からズレるとパワーが下がって本来の性能を発揮出来ないので、適正なインピーダンス値になるピュアコンの組み合わせが必要になります。

現在は宇部店と福岡店の分のピュアコンだけ作れば良くて、適正なインピーダンス値の物だけ作ればよいので、これまででは絶対に無理だったブラックボックス内のコイルを機械巻した物をほどいて値を合わせる手法ではなくて、一から手巻きする方法を使う事で音質を上げてディスプレイオーディオでも良い音で音楽を聴けて、更に社外製品の高音質のデッキやナビを使うと、これまで聴いた事の無い様なクオリティーの高さで音楽を聴く事が出来ます。


よく言われるのが、「コイルを社員に巻かせたらどんどん生産出来ますね。」という事ですが、ただ手で巻くだけでなく、進んでは戻ってを繰り返す事で正確な巻きというか、同じ長さの銅線でも高いインダクタンス値を得ているので、機械巻でも他の人が巻いたコイルでもなく、独自の味のある音を鳴らしてくれるコイルに仕上がっています。


思い起こせば中学生の時の夏休みは、朝からコイルを巻いてはほどいてを繰り返して、どうしたらよいコイルが巻けるのだろうという事を考えていて、その時は無線用の高性能のコイルを遠くに電波を飛ばすために巻いていて、それが60歳を過ぎてからこんなに役に立つとは思ってもいませんでした。


今回は8月28日にFM山口のコージネスの中のコーナーの詳しい内容と、ディスプレイオーディオ対応のピュアコンの内容について書き込ませて頂きました。

Posted at 2024/09/02 11:27:29 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2024年07月24日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第15話


井川ブログではよく登場しているナカミチのCD-700系のデッキですが、実は発売からもう20年以上経っている物がほとんどで、サウンドピュアディオではメンテナンスし続けられながら使われているお客様も多く、最近ではアルパインのディスプレイオーディオと組み合わせて使われている方がほとんどで、DAコンバーターとプリ部だけ使用して、本体の寿命を延ばしながら良い音で音楽を楽しんでおられます。

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最近多く頂く質問で、「ネットで中古で売っているCD-700系のデッキを買って取付や修理はしてもらえますか?」というのが聞かれます。

実際にサウンドピュアディオで販売しているCD-700系は、もう補修パーツが普通では入手出来ない物が多く、当社で購入されたお客様のために予備の部品をストックしていますが、それも延々続くわけではないというのが現状です。

そのため当店で購入された物でない物の修理等は出来ない為、買ったのはいいが不調な部分が治せなくて、結局損をしてしまったという方もおられます。



またCD-700の特にKKバージョンをお持ちの方は2台持たれている方があって、一台を車に付けて、もう一台をホームキットと呼ばれている100ボルトのコンセントで動かす仕様で使われていて、将来的に補修部品が無くなって来たら2台を1台にして使い続けたいとい方もおられるぐらいファンが多い製品です。

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これと同世代に同じ様な高級カー用デッキも存在していましたが、音が妙に勢いが付いているのと、音色が異常に明るくて、本来の音楽の音とは言えないので、CD-700系をメンテナンスに出して使い続けておられるお客様は多いです。


CD-700系を単品で使うのに比べてアルパインのディスプレイオーディオに組み合わせると、スマートフォンの音を良い音で聴けて、700本体の寿命も伸ばせるので、時代が新しくなってCD-700KKの違う面での魅力が発見されています。

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仮にCDプレイヤーが完全に動作しなくなっても、DAコンバーターとプリ部が生きていれば、アルパインのディスプレイオーディオの音質を上げる事が出来るので、もうCD部の修理はしなくていいというお客様もおられます。


良い製品を工夫して長く使うのも、ピュアディオならではの手法です。

Posted at 2024/07/24 10:24:32 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2024年07月18日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第14話


不定期のお客様の質問にお答えするは、以前から質問が多くて過去のシリーズでもお答えした事がある『手巻きのコイルを使うと機械巻に比べてどういう所が良いのですか?」という事にお答え致します。


まず『手巻きコイルは必要な時にその都度巻いているのですか?』というご質問には、実は前もってあらかじめ予備巻きをしている物を用意していて、必要が出て来たら微調整して製品化しています。

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これは宇部店の2階の通路に置いている予備巻きしたコイルのストックです。


完全に製品化した物はピットの横の棚に置いていて、1桁のマイクロ数から1000マイクロまで、かなりの数のコイルを用意していて、どんな車が入庫して来てもピッタリのインダクタンス数に合わせて、最も生音に近い状態に合わせます。

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手巻きと言っても大きい巻きは一度機械巻したコイルをじわじわとほどきながら欲しいインダクタンス値に合わせて、思いっきり締め付けて良い音にしています。

もう一つ何も巻いていない純白のボビンに一から巻いて行くコイルは、最近ボビンがこれまでの物よりやや大きな特注の物を作って、これまで得られなかったインダクタンス値を得ています。

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巻き置きから2個取り出したら、小さいボビンが19マイクロで大きめのボビンは何と189マイクロ取れています。

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ほんの少しボビンが大きくなった様に見えても10倍のインダクタンスが得られていて、このインダクタンスを得るには10倍の時間がかかっています。


この10倍のインダクタンスを得たコイルはJU60用のブラックボックス内で使用されていて、センターの軸が小さくて高いインダクタンスが得られるコイルは輸入車などの電磁波がコイルに影響を受けるのを防止していて、この手のメーカー製のコイルが製造されなくなったので、最近一から手巻きしたコイルを使う様になりました。

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JU60用のボックスだけでもこれだけの種類がありますから、外付けコイルとブラックボックス4連の組み合わせだと、かなりの数のパターンが選べて、その中から最も生音に近くなるまで延々と組み合わせを変えて行っています。


つまりJU60用で4連のブラックボックスだと4個のコイルプラス後付けで2個で、合わせて1台の車で6個のコイルを使っているという事です。

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ちなみに市販のネットワークのコイルと自分が手巻きしたコイルを比べると、線の太さと銅の純度が違って、元の音質が良いのに更にピッタリの値を探しているので、これが低価格で良い音と言っている根源です。

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巻きの多いコイルは銅線が10メートルぐらい巻く様になって、宇部店の階段を利用して、自分の体重をかけながらじわじわ巻きながら階段を登って行きます。

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そうはいっても力をかけても完全に銅線が真っ直ぐなる訳ではないので、そういう時は巻いてほどいてを繰り返して、階段を上り下りしてクセを付けて形の良い丸で巻いて行きます。

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なぜここまで努力するかというと、良いコイルは銅線の長さが短い割に高いインダクタンス値が得られるので直流抵抗が低くなり、締め付けが強い事で音もビシッとハリが出ます。



ただ市販のコイルの中には硬いボビンを使って無理に解像度を上げたりしている物もあり、透明の厚いボビンのコイルは音が硬過ぎて聴き疲れするので、テストで使用したコイルが給湯室の食器乾燥機の上のインシュレーターで使っています。

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店頭に置いていたらお客様から、「これが音の良いコイルですか?」と聞かれた事があって、見た目は確かに透明でクリーンな音がしそうですが、実はコイルから出た微弱振動が中に閉じ込められて、それで音にストレスがかかるので使っていないのですが、「あのコイルはどこに置いたっけ?」と探したら、ここに使われていました。


ここまでお話して、最終的にサウンドピュアディオが生音・生声を表現と言っているのは、手間をかけて質の高いコイルを使っているのと、そのコイルの種類の多さで最適な2・3組を見つけているからで、本当は33年前には「うちの店はマルチアンプ方式を使うので、ネットワークの自作はしません!」とお客様にお断りしていたのは、手を出せば物凄い手間とストックが必要になると分かっていたからで、それでも強く「自作のネットワークで作って欲しいと!」望まれたお客様あっての今のサウンドピュアディオの音造りです。


そのお客様の熱意に最終的に負けたのは、「マルチアンプで良い音を出すために、B&Wの801を聴いて音を調整しても、801がネットワーク方式なのでどうにもならないでしょう。諦めたら。」と説得されたからです。

確かにネットワーク式で出ている音に合わせようとしたら、コイルとコンデンサーの組み合わせで出さないと出る訳がないという、今考えたら当たり前の話でした。


毎年7月になると、その時の事を思い出します。

Posted at 2024/07/18 11:11:54 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2024年07月07日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第13話


不定期シリーズのお客様の質問にお答えするは、第三シリーズの13回目となりました。

最近のお客様から1980年代からのお客様まで、これまで幅広く店頭で耳にした質門にお応えしています。


その中でこれまで最も多かったのが、「サウンドピュアディオはタイムアライメントは使わないと言われていますが、タイムアライメントにも対応したらもっと多くのお客さんを集める事が出来るのではないですか?」という質問です。

毎週『タイムアライメントは調整の最初から最後まで全てゼロです。』とブログに書き込んでいて、いつからタイムアライメントを使わなくなったというと、タイムアライメントが登場した1990年代の中頃は一時期はタイムアライメントは使っていました

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しかし当時はまだセミプロ用のホーム用スピーカーを市販で手に入れる事が出来た時期で、その様な設備を自宅に持っておられるお客様から、「何だか音色がおかしい?」という声が聞かれる様になって、もう一つ「運転席に時定数を合わせているから助手席に乗った時の音がとんでもなくおかしい。」という声も聞かれる様になって、自然にタイムアライメントから離れてきました。


ただ90年台からカーオーディオのコンテストが盛んになって来て、その中の審査項目で定位というのが重視されたり、タイムアライメントがかかっていないといけないコンテストなどがあり、一気に業界の中でタイムアライメントが主導権を握りました。


そんな業界の流れとは別に、1980年代からサウンドピュアディオと名乗る前のオーディオボックスの時からスタジオのプロ機の様な音という流れがあって、今では入手出来ない様なセミプロ機を自宅に持たれているお客様も多くて、どうしてもタイムアライメントには馴染めず、約30年今のスタイルを貫いて、2001年にサウンドピュアディオと改名して、自社ブランドのスピーカーを発売する事になりました。

1999年には販売したいスピーカーがほぼ市場から姿を消してしまい、買いだめしたスピーカーが底をつきかけた時に、スタジオで使っている様なスピーカーの材質や構造をカー用に変換したスピーカーを販売するという、1つの転換期になりました。

ただ自社物のスピーカーを発売して、最も売れたのは発売から半年で、当時は2000年以前に販売した13センチスピーカーが使い込んで限界に来ているお客様が多くおられて、その代わりのユニットが無いという事で、爆発的なセールスを記録しました。


その一方で業界はタイムアライメントに合わせたスピーカーが主流になっていて、新しいお客様を獲得するのはかなり難がありましたが、たまたまその頃にアーティストのファンクラブに入っていて、ファンクラブイベントで本人の生声を知っている方が3人続けて来店されて、「本人の様な声で聴きたい。」というご要望があって、そのアーティストさんに会って生の声を聞くためにFMラジオのスポンサー活動を始めて、番組制作を通じて多くのボーカリストの生声を聞ける様になりました。


これはこれまで一般的なカーオーディオには興味が無いが、もしそんな音が出るシステムがあったら欲しいという市場がある事に気が付きました。


そういうお客様は耳の錯覚を利用した音は一切受け付けてもらえず、自社のスピーカーは認めてもらえても電源キャパシタやロジュームメッキの端子など、音を強調するパーツの販売を当時は行っていたのが、そういったパーツの販売を辞めるという、売り上げが上がるパーツを辞めないと本物の声には近づかないと、一般のお客様にデモすれば売れる物の販売を辞めるという方針に持って行きました。


そんなタイムアライメント・タイムディレイ・タイムコレクションとは無縁のビジネスをやっていて、たまにお客様から「そういうジャンルにも対応してみたら?」という声に、先週自分のセレナで昨日のブログで書いた様に久々にチャレンジしてみました。


アルパインのビッグXのタイムコレクション機能を使って、一番自分に遠い左後ろのスピーカーをゼロで起点にして、そこから他の3カ所に時間の遅れを入れて行くと、驚くほどステージングが良くなり、目の前でボーカルが歌っている感じがして、一瞬「こういう音造りも良いかも?」と思いながらも、自分はこれまで3・40回実際に会った事のあるボーカリストの声は、「何だか違う?」と思い出して、もう1度全てゼロにしたら・・

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耳が幻惑されて最初のセッティングでは音が物足りなく聴こえる様になりました。


それでその日の調整はやめて、後日改めて音調整する事になったというのが、昨日のセレナのブログに書かれた事をもっと詳細にして書き込みました。


以前にも5年に1度ぐらいは時定数をいじるセッティングに挑戦はしていましたが、これは明らかにジャンルが違っていて、あまりにタイムアライメントのジャンルが業界で主導権を持ち過ぎているので、サウンドピュアディオのやっている事が少数派から絶滅危惧種まで数が減って来ていて、まるで変人の様な扱いですが、実はこれが本来の音楽のあるべき姿です。

これまで何人かオーディオメーカーのデモカーを聴いて、メーカーのホームページで褒めているボーカリストの方から、「今のカーオーディオは間違っている!あのタイムアライメントはやめないと行けない!」とお叱りを頂きましたが、自分がタイムアライメントを一切使わない方式とは知らずに、全国全てのカーオーディオショップの音造りが間違っていると思われていて、いくら「自分が違うからデモカーを聴いて欲しい!」と言っても聞く耳を持たないという感じでした。

まあ、心の中で「そんなに悪いと思うのなら、メーカーの人間に直接言えよ!」と思い、小さなショップの人間なら後のビジネスで影響があまり無いから一発かましとけ!みたいな感じに悲しくなりました。


もし自分が逆の立場なら、お金を返して「これは良いとは言えません!」と言いたいところですが・・


残念な事にアーティストの方と交流出来るショップが日本で当店だけで、本当のボーカルの声が分かっているのも当店だけなので、日本中に自分がファンクラブに入っているボーカルの声に近く出来るショップが無い事は非常に残念で、良い事をしているのに変わり者扱いというのが現状です。


これまで多くのお客様から「コンテストに出せる様な車を一時的に作ってトロフィーを取って欲しい。」という声もありましたが、今の音造りを行うのに他のジャンルの違う音造りをすると、耳が幻惑されて本来の音造りが出来なくなるので、選択と集中という事で今のサウンドピュアディオのスタイルが形成されています。

Posted at 2024/07/07 10:56:04 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
2024年06月17日 イイね!

続・お客様の質問にお答えして 第12話


お客様の質問に答えるシリーズも、過去に出た話題の見方が少し違うものが多い中、今回はこれまで一度も掲載した事が無い内容の事を書き込みます。

それはPMBやSKY3のケーブルの末端焼き入れに関するご質問で、ハンダ炉の横に乗っているあのマスコットみたいなハンダはどうやって出来るんですか?という事です。

過去に何度も質問を頂きながら、焼き入れの時に時間をかけて撮影をするという事をしていなくて、今回思い切って時間を作って撮影しました。


形の悪い物は炉に戻してハンダの量をましますが、変な形で可愛い物はマスコットとして横に飾っていますが、上質なハンダがどうしても必要な時は炉で溶かさないといけない時が来るでしょう。

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最近出来た形でお気に入りが右前のウルトラマンだったかウルトラセブンに出て来たキングジョーみたいな形で、これは完全に意識せずに出来た形です。



昨日は大量のケーブルの漬け込みというか焼き入れがあったので、一から撮影する事にして、まずはこれまでハンダが少しづつ減って来た分をロールのハンダを炉に入れて付け加えました。

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ロールから出さずにマスコットを溶かせば良いのですが、ロシアのウクライナ侵攻が長引いて、高度はハンダの入荷が少なくて、どうしてもこれを溶かさないといけなくなった時は彼らは名誉の戦死となり、自分達がプーチンに負けた事になります。



そんな事を考えていたら炉の温度は370度になり、表に浮かんで来た不純物を含んだハンダを左から右に表をすくって純度の高い部分を表に出します。

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そして銅の細い線が全てエナメルで絶縁されたケーブルを炉に浸けて、エナメルを焼き切って音信号が通る様にします。

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焼き入れが終わったケーブルは少し長めに焼いた金属部分を適切な長さにカットして、24金メッキの端子を純銀入りハンダを付けて製品化しています。

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その作業の途中で表をすくった府従物が混じったハンダを集めて、純度の高い部分を抽出して炉に戻し、不純物が多い部分は廃棄します。

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今回は10本以上漬け込んだので結構な量が出て、あっという間にマスコットが出来ました。

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もう限界まで固まったので、手前に持って来て、次のマスコットが出来かけています。

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そして先ほど出来たマスコットを左に並べたら、赤い昨日出来た分と似た物が青い矢印の部分にありました。

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一番右はかなり段々が綺麗に出来ていて、一度に焼き入れする量が少なくて、2本焼き入れして何日かおいて、それからまた2本焼き入れしたらまた段が出来てと、綺麗な段が出来ます。


おそらくキングジョーもどきは4本焼き入れしてを何回か繰り返して、最後に8本・10本焼き入れしたらまとまった量が溶けだして来て、それでこの形になっているので、マスコットの形を見たら何日ぐらいかけてどういう工程で出来たかというのが見て分かります。


赤い矢印の塊は炉に戻すがどうかの境目ぐらいの形で、ドンドン作業が進んで追加のハンダが必要で、純度の高いハンダの値段が高かったり、入荷の見込みが無い時には溶かされるでしょう。


この炉の中のハンダも少しずつ銀の比率が上がりつつあるので、うなぎ屋さんや焼き鳥屋さんの、何年も継ぎ足した秘伝のタレみたいな物になって来ています。


おそらく手間がかかるこの方式はサウンドピュアディオでしか行っていないはずで、良い音というか本来の音楽に近い音を表現するための、避けては通れない重要な部分で、自分の仕事の中ではかなりキツイ作業で、焼き過ぎても焼きが足らなくても行けない部分で精神を集中していて、たまにマスコットでも眺めてほっこりしていないとつらくなる作業でもあります。




追伸

今日もケーブルの焼き入れの仕事が入ったので、昨日出来たハンダの塊を溶かして作業を行います。

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Posted at 2024/06/17 10:19:32 | トラックバック(0) | 続・お客様の質問にお答えして | イベント・キャンペーン
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サウンドピュアディオの井川です。 福岡県・山口県でカーオーディオ専門店を営んでいます。 アーティストとのコラボレーションにより、より生演奏や生の声に...

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