不定期で時々書き込んでいるお客様の質問にお答えする会は、今回はサウンドピュアディオの社以内リサイクルについてに関してです。
何故かオーディオに関しては世界が平和な時は安定して材料が手に入りますが、ロシアだイスラエルだと戦闘が続く状態になると不足するのが電子的な材質です。
現在も入手が困難や仕入れ価格が上昇したりと大変で、それによってお客様の販売価格が上がらない様に『社内リサイクル』という方法を使って製品を組み立てる時に使う銀入りハンダのコストを下げています。
ちなみにハンダ付けでモーターで自動で送り出すハンダは現在は70グラムで長さが19メートルの物を使用していますが、以前は100グラムで27メートルが1巻でしたからかなり早く無くなって、経理からは「ハンダの使い過ぎです!」と言われますが、1巻で30%中身が減っている物はしょうがありません。
そこで電動で送り出されて来る2・5%純銀が混じったハンダのこぼれた部分を集めて、以前値段が安い時に仕入れた銀5%入りの輸入物のハンダと国産の2・5%銀入りのハンダを混ぜて、おおよそ3%から3・5パーセントのハンダを作ります。
自分の作業用のエプロンに付いたハンダのかけらもピンセットで拾って・・
机にこぼれたハンダの屑も焦げ目を避けてピンセットで取り出して、綺麗な所だけを集めます。
以前に金属リサイクルの写真を掲載した事がありますが、その時はケーブルの末端の焼き入れの机の部分で、今回はピュアコンやRCAケーブルを作る机のリサイクルですから、使っているハンダの質はこちらの方がかなり高いです。
集めたハンダは3種を混ぜて粒状にして保存して、大きさは小・中・大・特大の4種類に分類しましたが、適量を選ぶのに小を何回も使っていたら大きいサイズを全く使わない様になって、表面の錫が白っぽくなって来たので一度溶かしてサイズを作り替える予定です。
銀5%入りの海外製はあまりに撚り線に浸みないので使えず、国産を多めにミックスでないと作業性が悪く、あまりに長くハンダ付けするといくら放熱クリップしていてもパーツが傷むので、何年か前から合成した粒ハンダを使用する様になりました。
それでは実際にピュアコンの内部をハンダ付けする所をお見せしますと、パーツにハンダ付けの熱が伝わらない様に放熱クリップを何個も付けて、小の粒ハンダを机の上に何個か置いて、ハンダ小手で拾いながら付けて行きます。
電動の送り出しハンダも併用しながら、多すぎず少なすぎず適量をハンダして、小手を下げたらハンダ付け部分をラジオペンチで挟んで、エアーで急冷却をかけて中の分子が綺麗に並ぶ様にしてそれでやっと1か所のハンダ付けが終わります。
ピュアコンを左右で1セット作っただけで粒ハンダはこんなに減って、次を補充するために中や大を溶かして小さい粒ハンダを製作します。
作り替えると錫の表が白っぽいのは消えて、光沢が出て来ますが、あまりに小サイズばかり使うので、小を極小と小のやや大きめに作り替えました。
以前の電動でモーターで好きなだけハンダを送っていた時が懐かしいですが、これだけ国際状況がこれだけ悪いと、ミサイルの誘導装置を作るために高価なハンダが軍事産業に持って行かれて、コストを上げずにお客様に良い音を提供しようと思えば、この様な手間をかける事によって価格上昇を抑えるという努力は続けていかないといけないでしょう。
という事で今日は『社内リサイクル』についてのご質問に対してお答え致しましたが、リサイクルといいながらも、最終的には純銀の含有率は上がっているので、リサイクル=質が下がるというわけではなく、逆に手間をかけて音質は上げています。
Posted at 2025/10/03 10:14:32 |
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