今日ご紹介する1台は、一昨日宇部店で納車させて頂いたホンダのオデッセイの続きです。
作業が終わってお客様に作業の前後のスペアナのモノラル測定の画面をお見せするのですが、これまでこの画像は一度もブログで紹介していませんでしたが、今回分かりやすい事例があったのでここでご紹介します。
まず入庫時のスペアナデーターで左が低音で、中側が中音で、右側が高音になります。
低音が下から2バンドほどほとんど聴こえておらず、高音は落ち番上のバンドが聴こえずに、その次のバンドは6割程度で、音楽の一番上と一番下が欠けている状態です。
そしてJBLツイーターを使用したべーシックパッケージにフロント2層とリア1層の防振を加えた後のグラフで音楽の両端が出る様になって、かなりフラットなグラフになって来て、かなり良い状態に仕上がりました。
ただ低音の真ん中の方が出過ぎているバンドが2カ所ありますが、ここはイコライザーで無理に下げると音楽として不自然な音色になるので、1クリック以上は下げませんでした。
その2バンドが上がっている原因はドアの防水シートに貼ってあるゴムの吸音材で、スピーカーの後ろに回る空気をブロックして音圧が上がっても、ゴムが太鼓の様になって2バンド分の周波数が膨らんでいます。
完璧をお求めると吸音ゴムの下側のサービスホールを金属シートで塞ぐと超フラットになりますが、ここまでされるのはどちらかと言えば上級者の方です。
それとネジ1本で取り付けてあり、プラスチックのフレームの純正の16センチスピーカーは一般的に音が悪いと言われていますが、防振でここまでフラットな音が出るという事は、見た目に反してかなり優れたスピーカーで、ピュアディオが純正のドアスピーカーをそのまま使用するのはそのせいです。
今ドアに付いていてそのまま使える物は使う事で、低コストで良い音を出す事が出来ます。
それでも量販店でトレードインスピーカーを購入するとベーシックパッケージよりも安くてドアスピーカーとツイーターが付いて、パッと見そちらの方が安く感じられる方も多いのも事実です。
これまで音楽に関わる仕事をされている方が量販店でトレードインスピーカーを買われて、音に不満を持ってピュアディオに来店された方が多くおられますが、その理由はピアノの調律で基準になる音域がトレードインスピーカーではバッサリ下げて、それで車のドアでこもる音域を最初から出さない事で音をスッキリとさせるという、音楽的には明らかな禁じ手を使っているからです。
更にツイーター音域ではある部分を強調させて、音楽が分かる方からすれば明らかにおかしな音で、完全に調律がズレた楽器を聴く様なものです。
そのため本来の音楽に近い音を再生しようと思うと、よほどフラットに近く設計されたスピーカーか、逆に小細工をしていない純正スピーカーの環境を整えて鳴らした方がよっぽど音楽に精通された方を満足させる事が出来るという事になります。
もう一つ音を整える手法がピュアコンを使った音の交通整理です。
オデッセイの純正スピーカーはドアスピーカーを全ての音域を鳴らすフルレンジという状態で、本来不得意な高音域まで鳴らしているので音がこもっているのと、防振無しでは内張や鉄板が震えて音が前に進もうとするのを邪魔するので、高音カットと防振でかなり音質が変わります。
また純正ツイーターには高音以外が入らない様にコンデンサが1個付いていて、このコンデンサの質が悪いのと、コンデンサ1個では十分に中音域がカットされていないのと、コンデンサをハンダ付けする時に熱がそのまま伝わっているので、その部分でも音が荒くなっています。
ピュアコンの中のコンデンサのハンダ付けではとんでもない数の放熱クリップを付けて、更にハンダ付けが終わったら直ぐにエアーで急冷却をかけて、音の滑らかさが失われない様に工夫をしています。
もう一つピュアコンでの音質アップは音の制御をするコイルを機械巻した物ではなく、空の特注のボビンに一から手巻きで9メートルの無酸素銅を巻いている事です。
大手メーカーでは透明のアクリルのカッコイイボビンを使いますが、ピュアディオでは硬いアクリルは使わず、ちょうど良い方さの物でコイルから発せられる微弱振動が外に逃げて、音にストレスがかからない様に工夫しています。
外付けのコイルは銅線が2・3メートルの場合が多いのですが、ブラックボックスの中のコイルはベーシックで9メートルを手巻きしていて、強いグリップを得るために4か所にニッパーで刻みを入れて滑らない様にしてあります。
更に裏に貼ってあるケースに貼り付ける両面テープの接着面を出して、これで更にグリップを強くして、機械巻よりも強い巻きでムラの無い同じ長さの銅線でも高いインダクタンス値が得られる様に工夫しています。
はがした両面テープはまた新しく貼り直します。
ベーシックパッケージという初心者用のセット商品でもここまでの手間と熱意を持って製作していて、それの結果が今回の様な素晴らしいデーターとなって表れたという事です。
普段はスペアナデーターの説明は宇部店では専務が行っていますが、たまたま同席して見ていたら、こんなに差が出ているんだと自分でビックリしたので、今回のオデッセイのブログは1回追加して3回目も書き込ませて頂きました。
オデッセイのお客様は今回が初めてのお付合いで、音の仕上がりには大変喜んで頂きました。
Posted at 2025/11/30 10:30:56 |
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