『新・お客様の質問にお答えして』も第9話となりました。
今日は初心者のお客様の疑問で多い、「なぜ棚にあんなに多くの種類のコイルが必要なのですか?」という質問と・・
それに関連した質問で、「多くのボーカリストの方に会われて、生の声を知っているから、それぞれの人の声が最も良く聴こえる様に合わせてもらえるんですよね。」と聞かれた事もあります。
過去には、「自分はセリーヌ・ディオンしか聴かないので、そこだけ良い音で聴ける様にして下さい。」と言われた事もありますが、この棚の多くのコイルは『特定のボーカリストに合わせる』ための物ではなくて、全てのボーカルや楽器の音が本来の音で鳴る様にするために、あるポイントを狙うための数なのです。
そのあるポイントとは、レコーディングスタジオや放送局のスピーカーはどこかに偏った音造りは出来ず、ピアノの調律の様に正しい音色に合わせて、全ての音楽ジャンルがきちんと鳴るという大前提の元に成り立っています。
自分が26歳の時に宇部市からFM山口がある山口市まで車で移動していて、車用のCDプレイヤーで国産の2WAYスピーカーでその日かける予定の楽曲を聴きながら移動していました。
しかし何かがおかしい? 明らかにスポイルしてある音域と、明らかに強調している音域があって、それをイコライザーでレベルを動かすと今度は音色が変わって聴こえて、局のスタジオのモニタースピーカーで聴くときちんと聴こえるのは当たり前で、それどころかCDプレイヤーの頭出しで短時間聴く10センチのフルレンジスピーカーでもボーカルはきちんと聴こえて、その時に「カーオーディオの音ってなんでこんなにズレているんだろう?」と、スタジオからの帰りの車の中では音楽を聴くのが楽しくありませんでした。
1987年の初めには音楽番組を製作する事が無くなって、カーオーディオの販売・取付に専念する様になったのですが、どうしても一般的なカーオーディオの音ではなくて、スタジオ用のスピーカーの様なクセの無い音を追い求める様になって、またそういう音が好きなお客様が自然と集まって来て、他とは違うカーオーディオのお店になっていました。
あれこれ試行錯誤しているうちに、30年まえにメーカー製のパッシブネットワークのコイルはほとんどPが多めに巻いてあるものばかりで、高音と低音が強調された当時はドンシャリと呼ばれた物で、そのコイルをじわじわほどいて行ったらミッドの上限周波数が伸びてフラットな音に近くなるというのに気が付きました。
ただほどき過ぎるとミッドと上限とツイーターの下限が重なってボーカルが薄くなってしまうので、どうしてもほどき過ぎない様に寸止め的なセッティングになり、「もう少しほどきたい。でもほどき過ぎたコイルはもう元には戻らない。」のもどかしい寸止めセッティングで、ある日「あっ!失敗したら代わりにホームオーディオ用のコイルを入れればいいんだ!」とアイデアが浮かびました。
しかしホームオーディオ用のコイルはカーオーディオ用よりも大きくて中に入らず、それでボッスの外に出して簡単に交換出来る様にすればいいんだ!と気が付いて、更にコンデンサも大きくて質の高い物に換えればもっと音が良くなるしと、今のブラックボックスと後付けコイルのピュアコンの形になりました。
ちなみに現在のピュアコンとコイルの表は宇部店と福岡店でこれだけあり、青で囲ってあるのがコイルの在庫表で、左側はブラックボックスとそれ以外のオプションの在庫表で、ピュアコン発売から29年でここまで種類が増えて来ました。
コイルの表にはマイクロヘンリーで数字が記入してあって、一番小さなコイルが1マイクロHで、一番巻きが大きいのが1100マイクロHです。
1マイクロはミッドの上があまり伸びないスピーカーを、ドアの下の方の位置でインナーで取り付けた時に使います。
1100マイクロは現行のベンツのCクラスで、ヌケの良いスコーカーを取り付けた時用の値です。
ちなみに1マイクロの次は1・5マイクロで、当初は1の次が2だったのが、1で耳に入る中音が濃くて、2では逆に薄く感じる車があったので、間の1・5を後から設定しました。
普通ベーシックパッケージは1マイクロ刻みで、ごくまれに0・5刻みでないと本来の音色に鳴らない時は間の値を作ります。
こちらはある車種で45マイクロで濃く聴こえて、46では薄く聴こえたので、45・5という値を、その1車種用に作りました。
現在は表で見ても、棚を実際に見ても土日に使って空いている値があるので、これから週末にかけて作って行きます。
こちらの赤いコイルはこれから女性社員が6本のインシュロックの下にヤスリをかけて、全て高さを均等にしてからベークライト板に貼り付けます。
全くぐらつきが無い様に平行を保って、6か所からコイルに起こった微弱振動をべーク板に逃がして、透き通った音が鳴る様にします。
ブラックボックスも足りない数字が出て来ているので製作して、JU60用は最初の数字が4桁で、ベーシックパッケージ用は3桁の数字で表記されていますが、176ではツイーターのレンジが足らなくて、177ではレンジが広く感じる車種があったので、その車種用で4桁のベーシック用のブラックボックスを製作しました。
この差はこれまで何人ものボーカリストに会って生の声を知っているからの数字選びで、この人の声がこう聞こえて、この人の声がこう聞こえるからこのセッティングが正しいという合わせ方です。
ちなみに『A LC』と記されているのは、Aは入出力の24金メッキギボシがAクラスの物を使用しているのと、LCは中に入っているコイルが内径の大きいラージコイルを使用しているという意味です。
輸入車のクリーンディーゼル車の燃料制御ユニットから強いノイズが出ているので、その時は内径が小さくノイズの載らないSCを使う様になるので、そのれが選別出来る様になっています。
ここまで細分化しないといけなくなったのはここ2・3年で、近年車のオーディオや制御などの仕様が細かくなって、それに追従するために、たった数年で1・5倍ものコイルやユニットの値を違う物を用意しないと、本来の音楽に近い音が再現出来なくなって来ています。
2000年代前半は、モデルチェンジでも前の車用のパッケージがそのまま使用出来る事もあって、現在ではグレードでパッケージの内容が変わってしまうので、その時代の車に追従するための日々開発に励んでいます。
9月1日は福岡県のクロスFMの開局記念日です。
今から28年前は宇部店の前の山陽小野田市の現在は倉庫として使用している所が店舗で、当時はまだ自分が車に取付の作業も行っていて、エアコン付きのピットが1台分しかなく、それ以上はビニールトタンの暑いカーポート下で作業していました。
今はエアコン付きで3台で、簡単な作業も鉄の屋根の3台入るカーポトですから、当時の夏は地獄でした。
そんな当時の9月1日は体を壊して病院に行って検査を待っていたら、待合室に置いてあった新聞に『FM九州・本日開局!』という一面広告が出ていて、「FM九州って何? 九州全てに届くFM局?」とビックリしていたら、会社の名前がFM九州で、実際には北九州が本社で、福岡県全体が放送エリアと知り、「ああ、九州朝日放送のテレビが福岡県しか見れないのと同じね。」と納得しました。
それから病院の検査が終わって小野田市の店に帰ると、当時の店は高台で木造だったので室内アンテナでもかろうじてノイズ交じりでクロスFMの放送が聞けました。
1999年には小野田から今の宇部市に引っ越して、屋根の上にFM専用のアンテナを立てて、受信ブースターも入れてクロスFMが各部屋できちんと聞ける様な環境にしました。
そこから数年で福岡店が出来て、クロスFMの放送エリアがビジネスのエリアとなったので、自分はちょくちょくとクロスFMの放送に出る事になりました。
そんなクロスFMさんとのお付き合いも、3年前からはマークイズ福岡ももちの2階にあるクロスFMのサテライトスタジオのネーミングライツスポンサーとなって、ちょくちょくと足を運ぶ様になりました。
このサテライトスタジオはマークイズ福岡の店内を通ってペイペイドームやZepp福岡に向かう時に前を通って、知らずにサウンドピュアディオのマークを見つけて驚かれた方も沢山おられます。
昨日の火曜日はノートに乗ってマークイズ福岡ももちに行って、暑いので日の当たらない場所の駐車場に止めて・・
建物の外を通らずに店内のエアコンの効いた所を通ってスタジオに行きました。
実は今はコロナ禍の影響でスポンサーでも簡単に中には入れず、昨日はガラスの外から撮影して帰りました。
昨日は9時から13時まで『UP↑UP↑』の生放送を行っていて、パーソナリティーの桜美奈さんとコウヅマユウタさんとは1度お目にかかったぐらいで、マスクをしていたら誰か分からないだろうと・・
車からツイーター日よけを持って来て、ピュアディオマークを指さして、サウンドピュアディオの関係の者だと伝えました。
撮りたかったのは外装とここからの生放送スケジュールで、以前は3時間放送と金曜日は放送無しでしたが、今は4時間放送や金曜日の夕方の放送も追加されて、オープン当時よりは「サウンドピュアディオスタジオからお届けしています。」のアナウンスも増えました。
コロナ禍以前は生放送でゲストがガラスの中で喋られて、スタジオ前が人がごった返しているという時もありましたが、今考えたら懐かしい話です。
9月1日がクロスFMの開局記念日だったので、昨日は休みの中福岡店での仕事を途中で抜けて、これまでの使い回しではなくて、最新のスタジオ写真を撮りに行きました。
追伸
クロスFMサウンドピュアディオスタジオにはDJプレイが出来るレコードプレイヤーの基盤の根元からピュアディオブランドのSKYケーブルで音を引いている物があり、ノーマルから替えた週にリスナーの人が音が良くなったと分かったそうです。
DJプレイが出来るレコードプレイヤーと言えば、オリンピックの閉会式でDJプレイが披露されていました。
でも裏は赤白のビニールのプラグだったのでビックリしました!
今朝のテレビで新曲の紹介でDJプレイのシーンが映っていましたが、やはり赤白でした。
この方のプレイヤーも根っこからSKYに引き替えたいと、見ながら思いました。
今日は水曜日で、宇部店は1週間のスタートで、福岡店は火曜・水曜定休のために木曜日がスタートとなります。
本日の宇部店の作業は月曜日の続きのドア防振の作業で、内張と防水シートを剥がして、何も貼ってない外板裏に防振マットと防振メタルを貼り合わせます。
防振作業が終わると防水シートを元に戻しますが、この車種はフロントドアに吸音ゴムが貼ってあるので、貼ってない車種に比べると防振の効果が得やすいです。
更にセメントコーティングも行っているので、ノーマルよりはかなり静かで、更に断熱性も高いドアになっています。
車種があまり出回っていないのと、外装がカスタムしてあるので外側の写真は今回は掲載していません。
リアドアも外板裏には何も貼ってないので、防振マットと防振メタルを貼り合わせています。
こちらは運良く四角の四角の防振マットがシルバーでドットが付けてある物と、黒の平面の物と、丸い黒でドットの付いているマットと、ゴールドの防振メタルの4種類が写っています。
マットは3種類すべてが違う材質を使用して、共振点が全てずらしてあるので、貼っている面積の割に高い防振効果が得られて、音質的にも良い効果が得られています。
リアドアにもセメントコーティングの施工がしてあって、4枚のドア全てが静かなドアとなっています。
防振の後は車内にピュアディオブランドのPSTケーブルをはわせて、夕方までにはベーシックパッケージの施工が終わります。
そして宇部店の店内ではピュアディオ705JUモデルと、6520の比較試聴が出来る様になっています。
ピュアディオ705のシリーズの方が低音は出ていますが、6520は何かしながらBGMで聴くにはちょうど良いチューニングになっていて、705JUは下取り品で販売する事が可能です。
ブラックと赤みがかったウッドの2種類があって、リファインしてから店頭に出しています。
既に705のシリーズをお持ちの方からは「どこか違う気がする?」と言われていますが、ツイーターのベース部分を新たに作り直しています。
一時期はもう入手出来なかったピュアディオ705JUモデルが、色違いで1セットづつですが、入手出来るチャンスです!
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