2026年2月28日(土)~3月1日(日)に開催された全日本ラリー選手権「ラリー三河湾2026」にドライバーやすい氏と共に参戦してきました。
さて、私たちコンビは、2016年のTGRラリーチャレンジ福島戦でラリーデビューを飾り、その後は毎年TGRラリーチャレンジへの参戦を断続的に続けていました。
そんな中でドライバーやすい氏から、「記念的な意味合いでいいから、一度は全日本戦に出てみたいよね。新しくラリー三河湾が開催されるし出てみない?」とのお誘いが。2024年初開催のタイミングを狙って申し込みをしましたが、この時は不受理となってしまいました。申し込み多数なことに加えて、経験不足と判断されたのかもしれません。
その後、ドライバーやすい氏から「TGRラリーでのSS走行距離は短くておもしろくない。2024年からは地方選手権に出よう。」との話が。確かに丸1日走行しても、総SS距離は10kmにも満たないのが当たり前になっていましたからね。それに、企業系やディーラー系チームの参戦が増えて、申し込み倍率が高すぎる問題もありましたから。
そういうわけで、2024年からは中部近畿ラリー選手権の併催シリーズへの参戦に移行。SS距離は毎戦20km~30kmは設定されていて、満足感がありました。その分、コドラとしてはペースノート作成やリーディングなどで、悩ましい要素も増えましたけどね。最終戦ではクラス優勝できました。
2025年、私は中部近畿ラリー選手権に1戦出ただけですが、ドライバーやすい氏はサービス担当してくれているショップさんの要望で、違うコドラと組んでTGRラリーへ参戦。さらにドライバー仲間からの依頼でWOMEN'S RALLY in恵那にも違うコドラと組んで参戦し、DE-2クラスで優勝しました。
こうして、地方戦での参戦経験や実績を積んだわけですが、ドライバーやすい氏から「2026年のラリー三河湾、申し込みどうする?」とふたたび話があり、「休みは確保してあるよ。」と申し込みに賛同。
今回は、使用しているトヨタ・スプリンタートレノAE92が該当するということで、ヒストリッククラスで申し込み、無事に受理されました。
2月26日(木)、この日はラリーに必要な物品などの積み込み。と言いつつ、私は手が欲しい時だけちょっとお手伝。ドライバーやすい氏は積み込み時のパッキングにこだわりがあるし、私はどの機材を持参するのかわかりませんから。
積み込みの合間に、私は本番でのタイヤ交換に備えて、車載タイヤの積み下ろし手順とジャッキの準備方法について確認。タイヤを留めるバンドのラチェットをひたすら緩めたり締めたりしていました(笑)。
積み込みが終わったら、二人揃ってサービスパークが置かれる蒲郡市のラグナマリーナへと移動し、参加確認の手続きをしてきました。現地は会場設営の真っ最中ということもあり、受付場所のサテライトHQもてんやわんやの状態でした。
この後はサービスを担当する「ツールボックス」さんへ向かい、サービス要員の現地との行き来の方法と車検やサービス内容等について軽い打ち合わせ。この日はこれにて解散となりました。
2月27日(金)。いよいよラリー三河湾がスタートします。この日は自宅を早朝4時に出発して、サービスパークとなるラグナマリーナへは5時に到着。
5時30分過ぎ、レッキ(下見走行)受付。ロードブックとレッキ用ロードブックを受け取り、レッキ車にレッキ用ゼッケンを貼付して出発します。全日本ラリーではレッキに競技参加車両を使用できないので、レッキ車としてランエボを「ツールボックス」さんに借りました。
レッキは全SSコースを2周して、必要なコース状況をペースノートに記録していきます。今回のSS総距離は73.12kmなので、レッキでは2倍の146.24km走行することになります。ちなみにレッキ用ロードブックによるとレッキでの総移動距離は192.60kmになります。
それではレッキ中にあった出来事などを。
SS4・8「幸田深溝運動公園」のレッキ。
私は、普段SSコース内のレッキではロードブックを見ることは無いのですが(まず見る必要がない。)、このSSはコース内に多数のジャンクションが存在しています。
そのため、膝の上にロードブックを広げてページをめくりながら、コマ図と距離を確認してドライバーやすい氏に走行方向を指示しつつ、彼が読み上げるコース状況をペースノートに書き込んでいくという、なかなかに手間な作業を強いられました。
SS11・15「愛知こどもの国」のレッキ。
スタートしてからしばらくの区間はルート内を往復するコース設定のため、レッキ車両のコースインを制限。スタート付近が大渋滞する。
SS5・9「がまごおり竹島」のレッキ。
このSSは慣熟歩行形式でのレッキ。このコースで我々のラリーの師匠とも言えるK選手とすれ違い。「お揃いの柄の服を着てますね(笑)。」と言われ、「たまたま柄が似てるだけで服は違うでしょ!」と返す。
14時前に全SSのレッキ完了。この後は車検、セーフティ講習会、開会式、セレモニアルスタートと行事が続きます。ちなみにセーフティ講習会以降の行事はサービスパークとは別会場になります。
ちなみに、セレモニアルスタートのためにセーフティ講習会・開会式会場にはラリー車で向かう必要があったのですが、車検の指定時間がセーフティ講習会の時間に被るという無茶なスケジュール設定。
もとから車検はサービス担当の方に任せる予定でしたが、乗っていく車が無いため、レッキで使用したランエボで会場へ向かって、車検終了後に乗ってきてもらって車を交換することにしました。
17時30分からセレモニアルスタート開始。私たちは81号車なのでゲートを通過したのは18時50分頃。ドライバーやすい氏、ご機嫌でインタビューに答えていました(笑)。
2月28日(土)、ラリー三河湾1日目。この日は自宅を5時40分頃に出発して、サービスパークとなるラグナマリーナへに6時55分頃に到着。
この日は9SSで走行距離は38.84km、総移動距離は109.67kmです。
サービスの設営やスタートの準備も終わり、スタート時刻を待ちます。
先行してスタートする上位車両を見送ります。
10時07分、サービスパークにあるセレモニアルゲートをくぐり、ラリーをスタートしていきます。私にとってはラリー参戦46戦目、初めて全日本と同じ舞台でのラリースタートとなります。
1日目の出来事などについて記します。ラリー中はあまり余裕が無かったので、写真はありません。
SS1「キズナ1」。距離:0.60km。タイム:48秒5(Ave44.5km/h)。
スタートの進行がさっそく遅延する。10時22分スタート予定が10時29分スタートとなる。そして、前走車とのスタート間隔が2分間だったものが、1分間に詰められてスタートしました。
SS1から移動して、SS2の入口にあるTC(タイムコントロール)2に到着。
このTC2からSS2のスタート地点までの間には、TGRラリーや地方戦では全く見かけたことがない、TWZ(タイヤウォーミングゾーン)が設定されています。
ラリー三河湾では、「キズナ」、「がまごおり竹島」と「愛知こどもの国」以外のSS前に設定されています。
TWZは、SSスタート前にタイヤやブレーキのウォーミングアップをするために使用してよい区間で、WRCなどでSS前に車を豪快に蛇行させたり急ブレーキを繰り返したりする映像を見たことがある方もいると思います。
ドライバーやすい氏も、主にブレーキへの熱入れのために急加速・急ブレーキを繰り返していました。
SS2「神ノ郷坂本」。距離:6.88km。タイム:7分50秒7(Ave52.6km/h)。
途中で前走車に追いついてしまう。幸い、間もなくラジオポイントがあり、そこでパスさせてもらう。
SS終了後、ドライバーやすい氏から「コース中に『読むのが遅い!』と言った後は良かったけど、読むタイミングが遅い。特に高速コースだとタイム的にも安全面でも致命傷になるから気を付けてほしい。」と指摘される。
CROへSS中に前走車に追いついてしまったことを報告しておく。
ちなみにCRO(コンペティター・リレーションズ・オフィサー)とは、選手と主催者の仲介役で、「競技中にトラブルや確認したいことがあったら、速やかにCROへ連絡するように。」と言われている存在です。
SS3「岡崎とぼね1」。距離:6.57km。タイム:6分11秒2(Ave63.7km/h)。
他車がコースオフしていた左コーナーで泥に乗りスライド。斜面に軽く乗り上げるがバックしてコース復帰する。
SS4「幸田深溝運動公園1」。距離:4.80km。タイム:3分56秒1(Ave73.1km/h)。
コース内にあるグランドの外周路へと入る右鋭角コーナーで、路上に掻き出されていた砂利に乗ってアウト側の側溝へ脱輪。勢いでそのまま脱出して走行を続行。
SSゴール後にドライバーやすい氏が腰痛を訴える。SSコース前半の高速区間で車がジャンプした際に痛めたかもしれないとのこと。以降のSSでも時々腰痛を訴える。
サービスパークへのリエゾン(移動区間)中。
コース上に指定給油所が設定されていたが、この時点で私たちは給油不要。ただ、ラリーによっては給油が必須となっているケースもあるため(今回そのような指示は無かった。)、念のために「このまま通過してしまっても良いのか。」とCROへ電話で確認。「コマ図どおりにガソリンスタンドを通過してから、次のコマ図へ進めばよい。」と指示される。
セクション1が終わってサービスパークに帰着。技術本部へ車両整備報告書を提出後、ブレーキパッドの交換とブレーキフルードの補充・エア抜きを実施。SS2でコースオフした際に当ててしまった右側のフロント周りには異常はありませんでした。
ラリー1日目セクション1のタイムカード。
サービスパークからSS5へのリエゾン中。
渋滞でTCインの時刻に間に合いそうになかったため、CROへ到着遅延するかもしれないと連絡をしておく。
SS5「がまごおり竹島1」。距離:0.87km。タイム:55秒1(Ave56.8km/h)。
SS2で追いついてしまったことを受けてか、前走車とのSSスタート間隔が2分間に戻る。コース中にある8の字ターンの2つ目でサイドブレーキが解除されず、軽くスピンしてしまう。
SS5からSS6へのリエゾン中。
市街地での渋滞でTCインの時刻に間に合いそうになかったため、CROへ到着遅延するかもしれないと連絡をしておく。
結果的に間に合わず、到着しだいすぐにTCインしたが、5分遅着となる。TC6は多くの車両が遅着する状況だったため、公式通知により全車遅着ペナルティは免除となる。
SS6「神ノ郷坂本2」。距離:6.88km。タイム:8分13秒1(Ave50.2km/h)。
スタートポストでタイムカードに記入されたスタート時刻が前走車の1分後だったため、2分間隔になったことを申告し、スタート時刻を修正してもらう。
SS7「岡崎とぼね2」。距離:6.57km。タイム:6分11秒5(Ave63.6km/h)。
1回目にコースオフしそうになった左コーナーに落ちていた車が2台に増えていた。
SS8「幸田深溝運動公園2」。距離:4.80km。タイム:4分00秒1(Ave71.9km/h)。
グランド外周路から対向二車線の一般道へ合流する地点に深いギャップがあるが、1回目走行時よりも速い速度で進入したら、車が大きく跳ねて慌てる。
ちなみに、1回目の走行時にこのギャップの先で青いスイフトが豪快に頭から突き刺さっていたが、2回目走行時も突き刺さったままだった(ものすごく車が跳ねたんだろうな…。)。
SS8からSS9へのリエゾン中。
またしても渋滞でTCインの時刻に間に合いそうになかったため、CROへ到着遅延するかもしれないと連絡をしておく。
SS9「がまごおり竹島2」。距離:0.87km。タイム:56秒3(Ave55.6km/h)。
8の字ターンからさらに右・左と曲がって道路区間へ向かう際、目に入った空き地を道路と錯覚して直進しそうになる。
SS8からサービスパークのTC9Aへのリエゾン中。
またしても市街地で渋滞。TCインの時刻に間に合いそうになかったため、CROへ到着遅延するかもしれないと連絡をしておく。結果的に5分遅着する。
TC9Aも多くの車両が遅着する状況だったため、公式通知により全車遅着ペナルティは免除となる。
最終サービスに帰着。
SS4で側溝に落とした左側の足回りや下回りをチェック。特に異常なし。
最終サービス終了後、オーバーナイト・リグループのためパルクフェルメ(車両保管所)へ車を移動し、ラリー1日目が終了。
ラリー1日目セクション2のタイムカード。
3月1日(日)、ラリー三河湾2日目。この日は自宅を5時30分頃に出発して、サービスパークとなるラグナマリーナへに6時30分頃に到着。
この日は7SSで走行距離は34.28km、総移動距離は136.89kmです。
この日の朝は私たちのテントの横がちょうどサービスパーク・インのTC。パルクフェルメ・アウトした上位陣が次々とTCインしていきます。
私たちは8時08分にパルクフェルメ・アウトして、8時18分にサービス・イン。15分間のサービスの後、8時33分にサービスパークを出発していきます。
SS10「三ヶ根山スカイライン1」。距離:4.38km。タイム:3分24秒5(Ave77.1km/h)。
ペースノートを途中でロストし、ゴールまで復帰できず。ドライバーやすい氏「話にならない…。もしロストしたら、すぐに『ロストした!』と言ってくれ。」。
SS11「愛知こどもの国2」。距離:2.38km。タイム:2分04秒0(Ave69.0km/h)。
SSの進行が約20分遅延。その影響でSSへのTC付近で大量のラリー車が滞留していたため、徒歩でTCへ向かい、定刻どおりにチェックインだけ済ませておく。
SS12「三河湾スカイライン1」。距離:10.08km。タイム:6分24秒2(Ave94.4km/h)。
今回のラリーで最も高速なステージ。ペースノートに注意箇所を1か所追記しただけで、特にトラブルなく完走。
SS13「キズナ2」。距離:0.60km。タイム:47秒5(Ave45.4km/h)。
特にトラブルなく完走。
セクション1が終了し、サービスパークへ帰着。ブレーキ等不調な点は無かったので、タイヤの空気圧など基本的なチェックのみ実施。
私は三ヶ根山スカイラインのレッキ動画とペースノートの突き合わせ。ロストした原因が判明し、ノートの内容を修正。
ラリー2日目セクション1のタイムカード。
SS14「三ヶ根山スカイライン2」。距離:4.38km。タイム:3分26秒2(Ave76.4km/h)。
ペースノートの修正が効いて、2回目の走行ではロストなし。
SS15「愛知こどもの国2」。距離:2.38km。タイム:2分00秒8(Ave70.9km/h)。
特にトラブルなく完走。
SS16「三河湾スカイライン2」。距離:10.08km。タイム:6分22秒2(Ave94.9km/h)。
最終SSも特にトラブルなく完走する。
ラリー2日目セクション2のタイムカード。
ラリー結果は、総合タイム1時間03分32秒0(Ave69.0km/h)。クラス2位に4分22秒9差を付けてクラス優勝しました。
サービスパークへと戻ってきて、セレモニアルゲート前でフィニッシュ通過の順番待ち。他のクラス優勝者がインタビューを受けているのを見て、「インタビューされたりしないよな。俺たち最後のクラスだし。」などと話し合いつつ、特に何の指示も無かったのでそのままゲートイン。
そうしたら、前方にいるカメラマン達から「車を降りて。」と促されて降りると、今度は「ドアを開けて車に乗って、『1番』と人差し指立てて。」と指示され、サイドシルに乗って記念撮影。「これで終わりかな。」と思ったら、シャンパンファイト用の発泡日本酒「空」を渡されました。
それと同時にインタビュアーさんが近づいてきたところ、シャンパンファイトを始めてよいのかと勘違いしたドライバーやすい氏が瓶を振り始めたため、インタビュアーさんがたじろぐ場面も。
クラス優勝者のインタビューを二人とも受けた後、あらためてシャンパンファイト。「車とレーシングスーツに掛けるのは止めておこう。」と話をして、無難に周囲へまき散らしました(笑)。
セレモニアルゲート通過後に「空」2本をサービス隊へと渡し、パルクフェルメへと移動して駐車。これでラリー三河湾の全行程が終了しました。
こちらがクラス優勝のトロフィー。発泡日本酒タイプの「空」も非売品なので、これもトロフィーと言えるかもです(笑)。
ちなみに、トロフィーなどはセレモニアルフィニッシュで渡されたわけではなく、パルクフェルメに車を置いてから受け取りに行ってきました。
特別規則書に「ラリーHQで授与する。」とあったので、サービスパークから300m離れた建物内にあるHQまで歩いていって、「ヒストリッククラス優勝者です。トロフィー受け取りに来ました。」と尋ねたら、「申し訳ないですが、トロフィーはサービスパーク内にある『サテライトHQ』で渡しているそうです…。」とのこと。仕方がないので、今度はサテライトHQまで400m歩いて、2人分受け取ってきました。
まあ、いつものラリーのごとく、ドライバーやすい氏にはいろいろと迷惑を掛けましたが、全日本戦(正しくは併催の選手権外クラスですが。)初出場ながらクラス優勝という望外の結果が得られて本当に良かったです。
しかし、レッキを含めて3日間のラリーは初めてでしたし、SS総距離も今までに経験した30km台から一気に倍の73km。本当にくたびれました…。
次のラリー参戦は未定ですが、これでまた経験が積めたので、今後の参戦時は多少でもコドラのレベルが上がればなと思っています。
※おまけ
SS4・8「幸田深溝運動公園」のペースノート
SS11・15「愛知こどもの国」のペースノート。
