今日は以前に行ったことのある木曽谷の廃トンネルなどの真冬の景色を見ようと思い、出かけてきました。
中央自動車道伊那ICから国道361号権兵衛トンネルを越えて木曽谷へと入ります。
高速を走行中から雪がちらちらしていましたが、権兵衛トンネルを抜けて木曽谷側へ入ると雪は本降りへと変わっていました。
国道は融雪剤がまかれているので積雪はありませんでしたが、奈良井宿へとショートカットする県道へ入ると圧雪路に。ダム沿いの下り坂をゆっくりと降りていきます。
さらに道をそれて、まずやって来たのは中央本線旧鳥居隧道の最寄りとなる駐車帯。
しかし、この道に入って追いついたプロボックスさんも一緒の場所に駐車して動く気配は無し。人目は避けたいので、一旦国道19号へと出て、別の場所へと移動します。
贄川宿を通過し、桜沢集落を通り抜けた先の駐車帯に車を停めます。
まず取り付いたのは初期中山道にあたる県道254号。
軽四と思われる轍が付いていますが、冬期通行止め中。雪を踏みしめながら県道に入っていきます。
途中で県道をはずれて、雪の無いガレた沢伝いに県道の下を流れる桜沢に下りました。
川の中を歩いてやってきたのは中央本線桜沢橋梁。橋梁といっても水路トンネルですね。
前に来たのは昨年7月。今回は真冬ということで、ツララを期待してやって来ました。危険なのでヘルメットをかぶって進入します。作業用ヘルメットは持っていないので、普段サーキットでかぶるレーシングヘルメットを使用しております(笑)。
まずは現在線の下の部分。コンクリート覆工なので、漏水によるツララは無し。
コンクリート区間を抜けると今度は明治時代の煉瓦積み区間になります。
古い分、漏水箇所が多くてツララがたくさんできてますね。
ツララの真下を通らないよう注意しながら進んでいくと反対側が見えてきました。
こちら側は坑口も煉瓦造りのまま。
引き返してきて、ツララが集中している場所でまた一枚。
入ってきた坑口に戻ってきました。
桜沢へ合流するガレ沢を登り、県道を歩いて一旦車へと戻ります。
次は国道を数百メートルほど歩いて、旧大岨隧道に来ました。
坑門の劣化が酷いです。
東京からのトンネルの通番「54」のペイントがうっすらと残っています。
内部も天井や側壁が抜けて土砂が噴き出していて、煉瓦もひどく崩落しています。
次は国道19号新鳥居トンネルの横に残る、中央本線旧鳥居隧道へ向かいます。
ふたたび最寄りとなる旧国道の駐車帯にやって来ました。
旧国道のガードロープを跨ぎ、長靴の深さがある未踏の雪の斜面を降りて坑門前にやって来ました。
旧鳥居隧道のペイントは58番。
トンネルの奥からは靄が流れ出てきています。
ここに来た目的は氷筍。数年前、春先に来た時に見かけたので真冬なら何かしらあるのではと思ったわけです。
坑口付近には小さいながらもたくさん氷筍ができつつあります。
この辺りは筍(たけのこ)というよりは、煉瓦に生えたキノコのようですね。
氷筍があるのは坑口付近だけで、奥にはツララすらありませんでした。
トンネル内に居たのは20分ほどでしたが、外へ出ると吹雪いてきていて、旧国道も黒く見えていた轍が真っ白になっていました。
帰りはまた伊那ICへと戻るか迷いましたが、国道19号は融雪剤により積雪・凍結はなさそうだったので、中津川ICまで国道19号で南下することにします。
最後に立ち寄ったのは南木曽町の柿其水路橋。
同じ南木曽町にある関西電力読書発電所への導水路で、真下を流れる柿其川を跨ぐ巨大なコンクリート橋です。大正12年(1923年)の建設だそうです。
ここも漏水箇所にツララや水しぶきが凍ってできた氷の造形を見ることができます。
一冬の間にはさらに大きくなると思われます。5年前の春先に来た時は、橋の幅一杯にまるで白い水飴が垂れ下がっているような感じでした。
中央道伊那ICからここまでの木曽谷の道中、断続的に雪が吹雪き、雪道に慣れない自分にとっては緊張の連続でしたが、ここから先はようやく路面も乾いてきて一安心。トラブルに遭うこともなく無事に帰宅できました。