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2020年03月15日

鳥取市「旧美歎水源地水道施設」へ行ってきました

2020年3月14日土曜日、あいにくの雨天でしたが、鳥取市の国指定重要文化財「旧美歎水源地水道施設」へと行ってきました。出かけることにしたきっかけは、13日金曜日に何気に見ていたYouTubeで目に留まったから。ただそれだけです(笑)。

自宅を出発したのが早朝4時。出発した時点ではまだ雨は降っていませんでしたが、三重県に入る頃から降り出してきました。


伊勢湾岸道→新名神→名神→新名神→中国道→鳥取道の経路で鳥取市へ。

現地に到着したのは10時頃。




この建物は、「量水器室」。昭和初期の建築で鉄筋コンクリート造。煉瓦に見える部分は装飾タイルです。施設の中では一番下流に建っていて、水源地から送り出す水量を計る役目があったそうです。


さて、本来はこの施設、11月から3月までは休業していて、屋外施設のみ自由に見学できるのですが、砂防関係者の見学があるということでたまたま施設の方(地元のボランティアの人みたいです。)が来ていて、私もパンフレットをいただくことができました。こういうのがあるとブログを書く時に助かるんですよね(笑)。

それでは、施設内へと向かいます。


入口に架かる「事務所前人道橋」。1930年(昭和5年)の架橋。橋脚に使われている鋼材は水道管を転用したものだそうです。


橋には浄水場から上水を送り出すための送水管が併設されています。送水管の取り付け部分が煉瓦巻き。


門と門柱。左右に塀があったのかは、パンフレットの古写真ではわかりませんでした。


五号濾過池と付属の「制水井上屋」。1929年(昭和4年)竣工。「制水井」は、濾過池で浄化した水の送水を調整する井戸のようです。


建物の中には調整のためのバルブがあります。


五号濾過池は昭和に入ってからの建造ながら、濾過池の側壁は煉瓦積みで造られています。






側壁から突き出ているパイプ。濾過池への給水用なのか水位が上がり過ぎた時のための排水管なのか、用途はわかりません。


池底にも落ち葉で埋もれてパイプがあります。これは給水用でしょう。


こちらは、四号濾過池付属の「制水井上屋」。1915年(大正4年)竣工。一号から四号までの濾過池が設置当初からのものになります。


こちらは隣に建っている「接合井上屋」。同じく1915年(大正4年)竣工。「接合井」は、各濾過池からの上水を集めて下流へと送り出す施設だそうです。


外観はモルタル仕上げですが、内部は煉瓦造となっています。御前崎灯台はこのような造りでしたね。








四号濾過池に戻ります。先ほどの五号濾過池と違い、側壁が傾斜しています。




池底にある給水設備?は、パイプではなく円筒形に煉瓦を積んだ造りです。




三号濾過池と「制水井上屋」。こちらは池に水が張られています。






二号濾過池の「制水井上屋」。




古い水道施設の建屋は、ギリシャ・ローマ建築風の装飾が施されていることが多い気がします。


一号濾過池と「制水井上屋」。








濾過池の遠景です。


この辺りで、作業服姿の男性に「どこから見えたんですか?」と声をかけられ、「愛知県ですよ。」と返事をしたら、ちょっとビックリされました。その方は、この水道施設の復元・修復工事に業者として携わっていたそうで、工事終了後は来ることは無かったそうですが、たまたま通りがかって立ち寄ったのだそうです。

男性:「ここの工事は5年もかかって本当に大変だったよ。それに工事を始めた時は雑草に覆われていて、マムシもいっぱい出てね(笑)。」
私:「建設当時の時代の材料や部品がなかなか集められなくて、相当苦労したというのは読んだことがありますよ。」
男性:「本当にねぇ(笑)。それでもこうやって遠くから見に来てくれるんだから、うれしいよね。写真たくさん撮っていってよね。」

こんな会話をして立ち去られました。

こちらは上流側に架かる橋、「岩ケ平人道橋」。1926年(大正15年)竣工。


橋から見えていますが、もう少し上流へと歩いていくと貯水池の堰堤があります。


1922年(大正11年)竣工。堤長103m、堤高19.5mで重力式コンクリート造だそうです。表面はごらんのとおり石が貼られています。




水道施設ができた当時は土堰堤だったそうですが、1918年(大正7年)に台風で決壊、下流の美歎集落に大きな被害をもたらしたそうです。パンフレットの古写真を見ると、基礎部分までゴッソリと抉り取られています。その後、1922年(大正11年)に現在の堰堤を再建したということです。

これは今で言うなら副ダムですかね。


堤頂部です。


水位調節用のバルブでしょうか。


そして、わたくし的に一番興味を引いたのがこれ。


土堰堤時代の旧取水塔だそうです。決壊後を撮影した古写真にも載っています。


底からだと高さ何mくらいあるんでしょうかね、巨大な煉瓦の塔。ぜひ間近で見てみたいものですが、貯水池の真ん中では今後も無理でしょう…。




最後に堰堤の貯水池側。


貯水池から戻ってくると、門扉は閉めら、中を覗けた建屋も施錠されていました。施設の方は見学者の案内が終わって帰ってしまったようで、乗ってきた軽トラもありませんでした。




思い付きで片道360km走ってきましたが、普段見ることのない水道施設というこで、外の施設だけでしたがなかなか興味深いものでした。偶然にも工事関係者の方の話が聞けたのも良かったです。


鳥取市内での見物はここまでにして、せっかく鳥取県まで足を伸ばしたので、もう1か所、「同業者」にはよく知られる場所へと移動します。
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Posted at 2020/03/15 09:51:42

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