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2020年06月28日

新段戸トンネルの南側を越える古い峠道を歩く(2)

2020年6月27日土曜日、国道420号新段戸トンネルの南側を越える古い峠道を歩いてきました。(1)からの続きとなります。

(1)の最後は、峠道から作業道へと合流したところでした。ここからは、作業道を下っていきます。





道幅が拡がりました。平成21年度(2008年度)にここまで工事をしたようです。その際に道幅を拡げたのでしょう。





豪快に岩盤が削られています。



落石が放置されたままです。この作業道は最近は使われていないのでしょう。



当貝津川の橋に出ました。架橋されたのが12年前とするにはあまりに古びているので、それ以前から存在しているのでしょう。



進んでいったら、路肩が派手に崩落していました。



このまま作業道を進んでいっても国道420号に出るだけで、峠道を辿るという目的が達せられないので、ここから崩落斜面を下って、河原へと向かいます。

戦前の地形図だど、峠道は先ほどの橋よりも下流で当貝津川を渡っていたようなので、川の中を歩いて対岸へと戻ります。



対岸に渡って少し進んだところ、道が現れました。峠道のようです。右側の上へと登っていく道は帰りに通るとして、ここは左側の道を進んでいきます。



続いて、作業道に並行していた沢を渡ります。



さらに道跡を辿っていくと、



峠道が当貝津川を渡河していたと思われる場所へ出ました。対岸に道が続いているので、間違いないでしょう。



昔の道なので、橋の代わりに飛び石とか板などを架けるための石材が川の中に並んでいたりしていないかと探してみましたが、それらしいものは見当たりませんでした。



過去に何度もあったであろう濁流に流されてしまったのか、元々そんなものは無くて川の中を歩いて渡ったのか、どうなんでしょうか。

さて、川を渡った先の路傍に石仏がありました。



石仏と石碑でしょうか。石碑の方は、何か彫られているのはわかりますが、文字は読み取れません。石仏は頭上に馬の頭を乗せているので、馬頭観音でしょう。



石仏の光背には、「寛政七卯…」の銘。寛政7年は西暦では1795年ですので、225年前のもの。この峠道で最初に出会った石仏よりも19年古いことになります。



石仏を後にして、川沿いの道を先へと進みます。





そうしたら、すぐに平場へと出てしまいました。木が何本か植えられています。榊か樒でしょうか。



さすがに私有地らしい平場の中を通り抜けるわけにはいかないので、道路へ出ます。ちなみにこの舗装路、地形図には載っていません。



ほんの20~30m歩いたところで、川へと降りられる小径があったので、そこへと入り込みます。



対岸の様子を見つつ、川の中州へと渡っていきます。



川べりに小さな石碑が立っているのを見つけました。



文字を読むと馬頭観世音碑のようです。馬の供養や往来する馬や人の安全祈願のための石碑が、川を向いて立っているのは不自然なので、元々は目の前を峠道が通っていたのでしょう。



しかし、馬頭観音があるということは、当然、馬もこの道を通っていたのでしょうが、あのつづら折りの峠や急坂、何度もある川渡りなど、馬にも厳しい道だったでしょうね(昔の馬は木曽馬みたく小型だったとしてもね。)

中州を歩いていくと対岸に道が現れました。



川べりの低い崖の上を進んでいきます。



小さな沢を跨いでいきます。



二股の分岐に来ました。上の道の先は平場になっているようなので、下の道を歩いていくことにします。



下の道を進んでいってみると、こちらも平場に出てしまいました。かつては、屋敷地だったのか田んぼや畑だったのか。



どうやら、峠道は写真の真ん中の段を通っていたようです。



そこから少し進むと、広場のような所へ出てきました。写真右側に太い杉が並んでいるので、道沿いに植わっているのだろうと見当をつけ、なぞるように歩き進めます。





所々、道が不明確になる所もありますが、踏み跡が付いているので、それを辿って進んでいきます。





また段々地へと出てきました。峠道なのか畦道なのか、道らしいものが幾重もあり迷ってしまいます。最終的には、桑平の集落へ向かい、もう一度当貝津川を渡るはずなので、なるべく川に近い道(らしき所)を進みます。





前の写真にある小屋を過ぎたところで、目の前が草むらに覆われてしまいました。ネットが張られています。



違う所から覗いてみても、手前は護岸された小さな沢があり、渡るのは難しそうです(降りられても登り直せないかも。)。ここで引き返すことを決めました。



当貝津川の対岸はもう桑平集落の入口のはずです。峠道も桑平集落の下辺りで国道420号になった道へと合流していたので、ここまで辿れたのなら十分でしょう。

馬頭観世音碑近くの渡河地点まで戻ってきました。



ここでふと岩崖を見たら、石碑と思しきものが立っていました。台座の上に立っているので、ただの石ではなく、何がしかの文言が彫られていたと思われますが、全く読み取れませんでした。



さらに歩き進めて、行きに通らなかった場所まで戻ってきました。今度は右側の道を登っていきます。



河原から低い台地の上へ、ちょっとしたつづら折りの道で登ります。



台地の縁を直線で進みます。



写真上部の草が生えている所は、行きに通った作業道になります。峠道は突き当りで左に曲がっていきます。



やがて作業道の造成時に飲み込まれたのか、道は消えてしまいました。



斜面を何とか登って作業道へと出ました。峠道は、本来はここで作業道から分かれて、当貝津川の下流方向へと向かっていたようです



作業道も登りで歩くとけっこうな急坂で参りました(石がゴロゴロしているし…。)。峠道との分岐でちょっと休憩です。



峠道も、分岐直後は沢沿いに急登していきますので、一歩一歩踏みしめながらゆっくりと登っていきます。



尾根付近の馬頭観音まで戻ってきました。作業道との分岐から40分弱かかりました。



まあ途中、何か所かあった道が不鮮明な場所で枯れ笹を徹底的に折ったり、迷い込みそうな場所へ枯れ枝を積んだりしていましたから(笑)。「そんなことしても誰も通らないでしょ?」というような場所ですがいいんです。単なる自己満足ですから(笑)。

さて、最後のなだらかな尾根を越え、



無事に林道へと合流しました。ここまでくれば一安心でしょう。



さらに歩くこと10分。車に到着しました。今回は約4時間の行程となりました。



先週に下見した時点で、歴史のある峠道であることはわかっていましたが、思った以上に石仏・石碑が点在していて、地元の人々によく使われていた峠道だったんだなと実感しました。

正確にいつ頃まで使われていたのかはわかりませんが、明治時代以降、阿蔵峠の峠道がおそらく荷車道として開通(もしくは改修)した時点で廃れていったのだと思います。裏付けがあるわけではないですが、古い峠道は荷車どころか牛馬に荷を背負わせて往来することすら難しそうな道でしたから。

これで廃道探索の放置案件が一つ解消されました。「阿蔵から桑平までだと踏破するには距離があるなぁ。」と思ってずっと放置していたので、峠から桑平への一番興味があった区間だけでしたが、無事に道跡を辿れて踏破できたのは収穫でした。
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Posted at 2020/06/28 11:58:03

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